極道・最終戦争 オーバー・キル 後編

極道最終戦争 in リトルトウキョー 後編







教科書では教えてくれないニッポンのお時間がやってまいりました。

こんにちは、本日のテキストは「明日の日本文化を考える」J君の提供でお送りします。前回のテキストを読んでくださった方はもうお分かりかと思いますが、私たちの知らない隠れた日本文化はまだまだたくさんあったのです。そのうちの一つが「不死鳥の印」です。



 



 



「不死鳥の印」とは、日本人である皆さまに今さらご説明する必要もありませんが、「日本の警察がヤクザを倒した時に相手の額に刻み込む紋章」のことですね。殺されてるのに不死鳥とはこれ如何に?



そんなわけで、ハリウッド史上最大級の日本勘違い映画の最右翼である「極道・最終戦争オーバー・キル」怒涛の後編でございます。前編はこちら



ストーリーをざっとおさらいしますと、主人公はリトルトウキョーの治安を乱すジャパニーズヤクザに異常な憎悪を燃やす刑事「デラノ」。ヤクザVSデラノの壮絶なバトルの末、デラノは相棒をヤクザに殺されてしまいました。そして腐りきった警察上層部の圧力もあり、もはやヤクザ一掃計画は絶望か?と思われた矢先、兄をヤクザに殺された復讐をしに日本から現れた刑事「アカシ」が新しい相棒となったのです。



さて、舞台はヤクザのボスの一人、オオサキの家の前です。デラノとアカシは、前編のラストでアカシが「不死鳥の印」をつけた下っ端ヤクザの死体を門の前に置いて立ち去ります。



 不死鳥の印がついてます



そう、もちろんこれはヤクザに対する宣戦布告です。そして、ヤクザのボス、オオサキがこれを見て・・・



 



 不死鳥の印にビビリまくり

「不死鳥の印だ!」



・・・・どうやら効果テキメンのようです。

皆さんも身近な人に宣戦布告をする場合などは、この「不死鳥の印」を使ってみるといいかもしれませんね。(※その前に逮捕されます)



もちろんヤクザもやられっぱなしではありません。さっそく鉄砲玉をデラノとアカシの本拠地である日本料理屋に送り込みます。



 



 無駄に半裸



前編ではタンクトップ姿。今回はなぜか上半身裸と露出度が着実にアップしているヤクザの鉄砲玉。単に服を買う金がないのか特命係長・只野仁を意識しているのかは分かりませんが、鉄砲玉としては目立ちすぎな気がします。



 普通なら死んでます

そして、いきなり店内でマシンガンを乱射。いち早く気配に気づいたデラノとアカシは身を隠しますが、逃げ遅れた店のマスターの息子「ハヤキ」が撃たれ、蜂の巣になってしまいます。



ヤクザの奇襲を受け、瀕死の重傷を負ったハヤキを救うため、車に乗せて運ぶデラノとアカシ。しかし運びこんだのは病院ではなく、日本庭園の景観が見事な武家屋敷でした



 ありえない風景



なんで??

・・・その謎はすぐに解けました。そこには日本古来の治療方法を行う東洋医学のスペシャリストが住んでいたのです。東洋医学・・・針か灸かそれとも漢方か??



 ただ変な棒をかざすだけ



 棒の先に水晶が・・

「水晶を使う古来の治療法だ」



しらねー!

またしても我々は知られざる日本文化に触れてしまいました。マシンガンで蜂の巣になった瀕死の人間を治療する伝説の水晶療法・・・その効果は果たして??



 バッチリです

「ヨクナッテキタヨ!」



治るんかい!





 相変わらず天中下心

その頃、ヤクザの親分衆はまたしても風呂場で悪巧みです。



 意外と難しそう

なんと、女の人が水中を泳ぎながら酒を持ってきました。

なにげにハイテクニックです。



 水着が・・・微妙

しかも、お酒を渡し終わったらちゃんと平泳ぎで帰ります

そんな中も、淡々と悪巧みをするヤクザの親分衆。一体どんな悪どい会話がなされているというのでしょう?麻薬か?殺人か?ちょっと、日本語に耳を傾けて聞いてみましょう。



 普通のサラリーマン?

「アメリカのカネより日本の円の方が強いんだ」



・・・健全なビジネスの会話をしてらっしゃいました。しかしそんな健かなバスタイムに忍び寄る一つのカゲが・・・・



 怖いです



そう、アカシです。

ハヤキを守るために日本からわざわざ来たのに、ハヤキをヤクザの鉄砲玉に蜂の巣にされてしまったアカシの怒りは並大抵ではありません。そして、ヤクザの手下を捕らえ、日本刀で耳を切り落とすアカシ。



 過激描写のため検閲

ギャー!(狂ってる)





 嫌な瞑想です

翌日、デラノがアカシの家に行ってみると、日本刀を構えて満足げに瞑想しているアカシがいました。



 

そして、ヤクザの耳を自慢げに披露するアカシ。



 ホントかよ?

「サムライの旧習だ」



そうなんですか? >侍の方



そして、いよいよ復讐が復讐を呼ぶ泥沼の展開に発展します。デラノとアカシは手始めに、ヤクザのボスの一人、オオサキの妻を人質に取りヤクザを脅します。こいつら本当に刑事なんでしょうか?

 





一方、プールで寿司を食ったり、「あーと」という文字の入った変な和服を着たりと前編で大活躍だったデラノの恋人、通称「あーと姉ちゃん」がヤクザに送り込まれた刺客に殺されてしまいます。

 布団に隠れてました



そして、ヤクザの組長達が一同に介する集会の情報をキャッチしたデラノとアカシは、最終決着をつけるべく現場に乗り込んだのです。



 



 



 鮮やかすぎる切口



まず、護衛のマフィア風の用心棒を日本刀で首から一刀両断。アカシが豪快に殴り込みます。



 

しかし、銃を持ったヤクザばっかりの中、日本刀で乗り込んだアカシ(バカ)は、背中から銃で撃たれてしまいます。そして・・・



 

いつのまにかプールサイドで撃たれたことになっているアカシは、しばらくフラフラしたあと、やはり・・・



 

プールに落ちました。



しかしジャパニーズ・サムライの怨念はここからが違っていた!なんと、死んだかに思えたアカシがプールから再び復活!



 



 



 



 



ギャー!!!

怖すぎ!ジャパニーズ・サムライ怖すぎ!



・・・・とまあそんな激闘の末(アカシは結局死んだ)、いつの間にか刑事をやめ、日本料理屋を継ぐことになったデラノに、ヤクザの親分達がワビを入れに来て一件落着。世にも怖ろしいリトルトウキョーの極道最終戦争は幕を閉じたのでした。



 かっぽう着が似合わなすぎ



・・・って、結局何も解決してないんですけど。



そんなわけで、「極道・最終戦争オーバー・キル」お楽しみいただけましたでしょうか?今まで学校でお勉強してきた教科書には決して載ることがなかった、隠された日本を知ることができ、大いに勉強になったのではないでしょうか?そういう意味で、非常に文化的意義のある作品であるということが言えますね?



・・・J君も今度インフルエンザにかかったときは水晶療法で治してみようと思いました。








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参考) レビュー →      リトルトウキョー殺人課  ベルリン忠臣蔵

出典) 「極道・最終戦争オーバー・キル」

    東北新社/東映/UNITED INDIPENDENT FILMS

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