別冊コロコロコミック「塾師べんちゃん」 (前編)

偏差値10からの東大受験 (前編)

一人で悩むより、受験のことはプロに相談かな?

マンガの素材としてはじめて受験を持ち込んだパイオニア的存在として「とどろけ!一番」は燦然と輝いているわけですが、その実態は受験勉強の名を借りた格闘マンガであるという部分を露呈してしまっていることも事実なのです。では実際に読んで成績が上がる、そんな実用的な学問マンガがあるのでしょうか?

答えはイエス。そうそれが本日ご紹介する「塾師べんちゃん」です。

そして、「塾師べんちゃん」の作者こそ、以前「一本包丁万太郎」でもご紹介したビッグ錠先生。この方の作品は、料理マンガだろうとビジネスマンガだろうと文字通りビッグテイスト(=大味)にしてしまうというアクの強さを持っているのですが、そんなビッグ錠先生が学問をテーマにマンガを書いたらどうなるか?答えはまあ・・言わずもがなでした。

しかしながら、この「塾師べんちゃん」読むほどに、「おっ、本当にこれで成績が上がるかも!」と思わせるようなマル秘勉強法が実際に紹介されており、マンガと侮るなかれ、なかなかの実用マンガなのです。早速ご紹介と行きましょう。

さて、作品設定ですがここはさすがにビッグ錠先生。一話目からツカミをしっかり入れてきます。主人公のべんちゃんが、颯爽と名門私立中学の合格発表会場に登場するシーンです。

 琵琶湖畔ではありません

鳥人間コンテスト?

J君はいろいろなマンガを見てきましたが主人公がこんな初登場の仕方をするマンガは見たことがありません。(Dr.中松を除く)いや、これは「鳥人間コンテスト=頭の良い学生の集まり」と言う一般ピープルの深層心理を利用して「べんちゃん=頭いい」というイメージを植え付けようとしたに違いありません。実に高度な手法です。

ビッグ錠おそるべし

この世のモノとは思えないインパクトのある登場の仕方で現れたべんちゃんはおもむろに叫びます。

「家庭教師でもなし・・、塾の先生でもなし・・、俺の名は塾師べんちゃん!

・・・といきなりオリジナルなジョブ名称を声高らかに叫ばれてもなんのことやらサッパリなのですが、つまり「塾師」とは、どんな一流の教師が指導してもダメだった落ちこぼれを達を、独自の勉強法で秀才に育て上げるプロフェッショナルなのです。

 「塾師」と言われても・・

べんちゃんが指導を行う塾は、「極学塾(ごくがくじゅく)」江戸時代以前からあったお堂を、地上げに負けることなく守り続けてきた建物です。

 極学塾・・雰囲気有りすぎ!

しかしこの極学塾、ひとクセもふたクセもありやがります。なんと、四方をパチンコ屋、食堂ビル、アスレチックビル、鉄道で完全に囲まれてしまっており、塾にたどり着く方法がありません。唯一の方法は、パチンコ屋の中を通り抜け裏口から抜けることなのです。

 親御さんも心配です

地上げ以前に建築基準法とかに引っかかりそうな建物ですが、そこはそれ、ビッグ錠マンガだから!

そして、どんな落ちこぼれでもテストで100点を取らせてしまうと言う気になる、べんちゃんの勉強法とは!その名も

 巻物だぁ~

「極学の書!」

次回、極学の書から繰り出されるマル秘勉強法をご紹介致します。乞うご期待!

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引用)
「塾師べんちゃん」 ビッグ錠/小学館/マイナビ出版

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