プラモ狂四郎

お前ら、ガンダムは好きか?

ジャリ小学生向けの月刊マンガの王道といえば昔も今もコロコロコミックですよね。

J君も小学生の頃は大変お世話になっていました。なにせ小学生にとっては腕が折れるほどの分厚さ。地元の万引き常習犯も「コロコロだけはパク(以下検閲削除)」と漏らしていたのが印象的です。そのコロコロ、当時は出せばメガヒットの藤子不二雄ブランドを完全におさえていた上に、ゲームセンターあらしとどろけ!一番といった漫画史上に残る超エキセントリックマンガが連載されていたわけですからまさに無敵でした。

そして、昔から何度と無くコロコロの牙城に果敢に立ち向かっては辛酸を舐めさせられ、さながら任天堂へ対抗するセガの如くの存在だったのが講談社発行のコミックボンボンでありました。今回紹介するのは当時コミックボンボンのトップを張っていた超人気マンガ「プラモ狂四郎」(やまと虹一先生)です。

この作品の最も重要な世界観。それはプラモシミュレーションという概念です。プラモシミュレーションとは、自分の作ったプラモをセットするとプラモシミュレーションの作り出した幻想世界でプラモを自由に操ることができ、ライバルとプラモの対戦まで出来るというまさしく少年の夢を叶えたようなシステムです。てか、そんな夢のシステムがなぜ町のプラモ屋に置いてあるのかは物凄く疑問ですが、それを言っていたら話が始まりません。

22世紀でも実現不可能そうなスゴイシステムがなぜ町のプラモ屋に?

そして、そのプラモシミュレーションを舞台に活躍する少年モデラー、狂四郎こと京田四郎が主人公です。このマンガ、普段聞き慣れないジョブであるところの「モデラー」という単語がごく普通にでてきます。ということは当然「プロのモデラー」はプラモで飯を食ってるんだと思いますが、16連射の何とか名人よりは職業としては硬派そうです。

四郎少年は、とにかくガンダムラヴ、ガンダムフォーエバーな人なので、作るプラモは当然ことごとくガンダムです。ガンダムを主役に取られた以上、周りの脇役どもはしょうがないからザクとかガンタンクとかアッグとかを使わざるをえません。

少年の夢プラモシミュレーション

戦いは、プラモ同士の戦闘ということで、当然そのプラモの性能がもろに影響します。たとえば、1/144ザクは足首の関節が曲がらないので、そこが弱点だ等々。如何に敵のプラモの弱点をつくかがポイントとなります。そこで、腕の立つライバルモデラー達はプラ板やパテなどを使って自己流に改造し、最強プラモで四郎に挑戦するわけです。

ただいくら改造自由とは言え、武器にシンナーを仕込んでプラモを溶かしたり、ミサイルをロケット花火にしたりするのは子供心ながらにも度が過ぎると思ったものです。

また、作者のやまと虹一先生、伊達に名前にが付いてません。少年達の夢をバッチリかなえてくれちゃてます。そう、プラモシミュレーションだからこそ可能な夢の共演ガンダムVSダグラムやダンバインVSバイファムなど、サンライズ系ロボ総登場状態に少年達は酔いしれたのでした。しかし晩年の「プラモ狂四郎」は、それまで構築してきたファンタジックな世界観を自己破壊するナンセンスマンガへと変貌します。とにかく単なるプラモ好きの少年としてはあまりに過酷な四郎の運命は目を覆わんばかりです。やまと虹一ご乱心か?と本気で心配したものです。

とりあえず最終章で四郎は、おもちゃによる世界征服をたくらむホビートピアなる闇組織に拉致監禁され、アレなラスボスとプラモを使って本気で「命のやりとり」(byバガボンド)が展開されます。おまけに、心配して四郎を捜しに来たプラモ屋の主人まで監禁。電気椅子に座らされ、電気ショックが与えられるという殺伐としたストーリーです。

すごいよ!マサルさんでもおなじみ。アレなラスボス。

最後は何故か四郎が生身でモビルスーツと格闘。生身でモビルスーツをボコボコにし、やっぱり人間が最強だというオチでした。相当しょっぱいラストです。

それをやっちゃあイカンだろ!

このプラモ狂四郎、作品の盛衰がそのままコミックボンボンの盛衰に繋がった歴史的に重要な作品であることには間違いありません。J君的にかぼちゃワインの10倍はオススメです。永遠の少年である貴方なら、きっとその魅力にとりつかれますよ。

大人版プラモ狂四郎「プラ課長錦四郎」はこちら

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