ハヌマーンと5人の仮面ライダー 後編

白い悪魔再び ハヌマーンと5人の仮面ライダー 後編











タイのクールビューティー!サディスト界の金メダリスト!!

さあ、ハヌマーン様オンステージの時間ですよ。こんにちは、J君です。どうやら巷では、このクールビューティーな動画を巡ってハヌマーン&ウルトラ兄弟の評判がライブドアの株価のごとく乱高下中の模様・・・。そんな中、衝撃の問題作「ハヌマーンと5人の仮面ライダー」後編をいよいよレビューいたします(前編はこちら)。



ハヌマーン物の前作にあたる「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」ではハヌマーンがいかにも「俺はタイのウルトラマン」面して戦っていましたが、今度は「は?ウルトラマン?何のこと?」とばかりに仮面ライダーと仲良く競演しているという・・・どうなんでしょうか、この節操の無さ。一体どのツラ下げて・・・


何か問題でも?



まあこんなツラなんですが。本当にすみません。今回もムエタイの本場タイからお送りする、白い悪魔(ホントは神様)と仮面ライダーの奇跡のコラボレーションをどうぞお楽しみください。



そんなわけで、前編からの繰り返しになりますが本作品を観るにあたっての重要なポイントは、本作品が日本で製作された映画「5人ライダーVSキングダーク」をベースとして、タイで撮影したオリジナルシーンをテキトーにくっつけただけの「タイのやつらにゃバレなきゃOKでしょ」的ノリで製作された映画だというところです。(実際はバレバレ)



しかし、作品前半にしてすでに日本で撮影された「5人ライダーVSキングダーク」のシーンを使いきってしまったようで、早々に怪人たちが仮面ライダーに全滅させられてしまいました。





怪人は全滅しました



つまり悪の大将キングダークはここから先、メイド・イン・タイのオリジナル怪人を新たに製造しなければならなくなったのです。このあたりからタイ撮影のオリジナルシーンが急激に多くなり、目に見えてクオリティが低下していきます



まずキングダークは、前作「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」でハヌマーンに惨殺されて地獄に送られた仏像泥棒、通称「紫の服の人」(以下、紫オヤジ)を蘇らせ、参謀に迎え入れます。



紫の服の人





この地獄から蘇った紫オヤジは、ちょいワルオヤジみたいな見た目に反してメチャクチャすごい能力をもっていました。どんな物にでも変身できる上、走れば仮面ライダーのバイクより速く、戦わせれば仮面ライダーよりも強い、とにかくご都合主義の塊のような男です。





追いつかないバイク



この男がバイクより速く走れるのは仮面ライダーの方に問題があるのかも知れませんが。そんな紫オヤジはまず、タイ製の怪人を製造するために博士の誘拐を計画します。





覗かれてます



この真っ昼間からラブシーンをやってるバカップルの男のほうが博士です。ちなみに彼女の方はチョイひなのちゃん似です。ある意味旬の人ですね。



ちなみにこの博士、前作「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」でも博士役で出演しており、ロケットの打ち上げに失敗して研究所を大爆発させてしまった使えないこと山の如しな男です。ちなみにその時の彼女はプリンセステンコー似でした。





彼女は実は紫オヤジ



で、紫オヤジが彼女(=タイのひなのちゃん)に変身して博士を騙し、キングダークの元に連れてきてしまいます。





くすぐりの刑



そして博士を拷問(くすぐりの刑)にかけて、怪人の製造を強要します。・・・タイではくすぐりも拷問になるのか、すごいな。





怪人製造マシーン



その結果、完成した怪しげな怪人製造マシーンからメイド・イン・タイの怪人がポコポコ生み出されます。





なんだろう・・・この絵



怪人といってもパンツ一丁に動物の被り物してるだけなんですけど。(すごく弱そう)





お遊戯会かよ



そして怪人と仮面ライダーとの激しい戦い・・・にもかかわらず、なぜかセサミストリートを思わせるほのぼのしたシーンです。



結局タイ製怪人たちを成敗し、意気揚揚と引き上げる仮面ライダー5人衆。しかしここで悲劇が襲います。





突然の爆発



何の脈絡もなく突然画面上で大爆発。仮面ライダー5人衆があっという間に全滅です。何このあっけなさ。





昆虫の死骸みたい



こうしてみると、ホントに虫みたいですね。それはともかく、さっきまであれほど活躍していた仮面ライダー達が一瞬にして(おそらく製作の都合上)あっけなく死亡・・・あまりに唐突な展開におそらく観ている誰もがあっけにとられている中、緊張感のないへっぽこなBGM(サザエさん風)が流れてきます。もしかしてこの突拍子もない展開は、まさか・・・!?





場違いなBGMです



そうです、みんなの人気者ハヌマーンがやってきたのです。





ザオリク?



仮面ライダーの死体がゴロゴロ
と転がっているその脇で、ふしぎなおどりを踊った後、謎の怪光線を発するハヌマーン。すると・・・





みるみる復活



なんと仮面ライダー達が即効で復活。まるでゆでたまご先生のマンガを見ているかのようにいともあっさりと生き返りました。相変わらず命の扱いが軽いです。さあ、生まれ変わった仮面ライダーよ、タイのヒーローハヌマーンと共にいざ出陣!





付き合いの悪いヒーロー



・・・て、あれ?なぜか手を振ってライダー達を見送るハヌマーン。どうやらコイツ、ライダー達と一緒に戦おうという気はサラサラ無いようです。ハヌマーンよ、お前はホントにヒーローなのか?



そんなわけで、またしても仮面ライダーだけで戦うという肩透かしの展開。しかし、セサミストリートな雑魚怪人どもをやっつけた今、残る敵は紫オヤジと大将のキングダークのみです。というわけでキングダーク御大自ら登場。それにしても敵の大将にしてはあまりにもオーラに欠けるお姿です。体が銀色じゃなかったら週末に新橋あたりを歩いてそうです。





ヒーローとは思えません



対する仮面ライダー5人衆は、各自手にヤッパ(刃物)をもってキングダークに襲いかかります。なんていうか・・・まるで山賊です。もうどっちが悪者だかわかりません。しかしさすがキングダーク御大。1人でも仮面ライダー5人に全く引けを取らない互角の戦い。・・・いや、この場合ライダーが弱すぎるのかもしれませんが。





中身が!



激しいバトルの最中、キングダーク御大の着ぐるみから中身がチラリズム。な、中の人が・・・・いや、中の人などいないっ!



しかし5対1では状況不利と見たか、怪しげな呪文を唱えた後、突然バリヤーを張って無敵モードになるキングダーク御大。何がしたいのか意図がよくわかりませんが、とにかくうつみ宮土理なみにカチンコチンになってしまいました。





無敵です



無敵になったキングダークは、V3がご自慢のヤッパでいくら斬りつけてもビクともしません。そこで状況打開のために仮面ライダー達はとんでもない行動に出ます。なんと仮面ライダー5人が・・・











ただ減っただけ



合体!!

・・・ってあれ、V3だけになっちゃった。いや、1人になってもいいんですけど普通、合体すると大きくなったり見栄えがカッコよくなったりするもんじゃないんでしょうか?



いや、しかし見栄えはそのまんまですが、合体してるのですから力は5倍以上のはずです。きっととんでもない新必殺技があるに違いありません。さあ行け、5倍V3(仮名)よ!









タイの遺跡(らしきもの)に登り、空中から必殺攻撃を狙うV3。









しかし突然姿を消すキングダーク。華麗に空振りする必殺キック





合体意味ねー



着地に失敗してコケるV3。

結論から言うと、結局何のパワーアップもありませんでした。どうやら合体したのではなくて、単なるリストラだったようです。そして忽然と消えたキングダークはどこに行ったかといいますと・・・





ついに巨大化



なぜか巨大化していました





秘技・垂直ビル登り



しかしパワーアップした(?)V3も負けてはいません。なんと、バイクでビルを垂直にのぼり始めました。これはすごい。





戦闘機顔負けの攻撃



そして戦闘機のようにバイクで空中を飛び回るV3。巨大化キングダークにミサイルで対抗します。なんだこれ、本当にバイクなのか?





羽根が伸びてる・・・



よく見ると、バイクについてる羽根もかなり伸びています(いつのまに・・・)。しかし、この手の特撮物で巨大化した敵に攻撃が通用したためしがありません。案の定、V3の決死のミサイル攻撃もキングダークには全く効果がありませんでした。そこで、V3は驚くべき行動に出ます(またかよ)。













再び5人に



なんと再び仮面ライダーが5人になりました。一体なんなんだ。意図が全く分かりかねます。リストラから一転、再雇用ですか?



そんな挙動不審な行動をしつつ再び5人となった仮面ライダー軍団が、巨大キングダークに向かって突撃を開始。いよいよ最終決戦なのか?と思ったその時、突然サザエさんの挿入曲を思わせる陽気でへっぽこなBGMが。もしかして、これは・・・すごい悪い予感がします。





おいしすぎ



でた!白い悪魔ハヌマーン。巨大化して再登場です。最後のクライマックスで仮面ライダーの今までの激闘を全て無にするようななんとも美味しい登場の仕方。なんて酷い・・・鬼だ、コイツは悪魔でなおかつ鬼だ!





ガンダムハンマーで攻撃



ハヌマーンの巨大フォークに対抗して、ガンダムハンマーのようなトゲトゲの武器で戦うキングダーク。もう着ぐるみ感丸出しですがそんなこと気にならないほどの激闘。(実際は気になりまくり)



しかし、さっきまで仮面ライダーと戦っていたキングダークに比べ、最後まで力を温存していたハヌマーンはやはり強かった。最後は、馬乗りになってフォークで・・・





痛っ!



ギャー!

でた、お約束の残虐描写。なぜか銀色の着ぐるみの隙間から生々しい鮮血が。キングダークの中の人は、中の人は大丈夫なのかっ?



そんなわけで、悪党キングダークを見事倒し、美味しいところを全部もっていったハヌマーン。しかし、これだけでは終りませんでした。そう、地獄から蘇った仏像泥棒、紫オヤジがまだ生きのびていたのです。





トラウマになりそう



紫オヤジを追い掛け回すハヌマーン。ああ、前作の悪夢が蘇る・・・。





容赦ありません



紫オヤジは結局つかまってしまいました。そして、お約束でグシャッと握りつぶすハヌマーン。紫オヤジはなぜか紫の煙になって再び地獄送りにされてしまいました。





グロ画像につき検閲



最後は地獄で泣いて懇願する紫オヤジの叫びも空しく首チョンパの刑。血まみれの最高に後味の悪いエンディングを迎えます。



というわけで、ハヌマーンを通じて「仏様を大切にしないヤツは地獄でもエライ目にあうんだ」という恐るべきメッセージを観る者全員の脳裏に叩き込む「ハヌマーンと5人の仮面ライダー」いかがだったでしょうか?



これを観てしまったら、オンドゥル語、仮面ライダー響鬼のラストシーン、主役が交代してしまったプリキュア等々に文句を言うことがいかにちっぽけなことかお分かりいただけると思います。なにしろこれより酷い仮面ライダー作品は後にも先にも存在しないでしょうから・・・。







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出典)  「HANUMAN VS 5KAMEN RAIDERS」

      (チャイヨープロダクション/東映)

参考)  レビュー →      

      ハヌマーンまとめサイト → 

      チャイヨー映画紹介 → 


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