実写版ゴルゴ13 千葉真一バージョン

パンチパーマの刺客 実写版「ゴルゴ13」

あ、ドラゴンの目をしたおじちゃんだ!

こんにちは、J君です。本日は実写版「ゴルゴ13 九竜の首」をご紹介したいと思います。主役のゴルゴ13を演じるのは、日本が世界に誇るアクションスター・サニー千葉(千葉真一)です。

実写版ゴルゴ13は以前当サイトで1回ご紹介しているのですが、そちらは高倉健バージョン。前回ご紹介する時にも高倉健バージョンと千葉真一バージョンのどちらをご紹介するか悩んだのですが、ある決定的な理由のために千葉ゴルゴは却下、高倉ゴルゴの採用となったのでした。その決定的な理由とは・・・

パンチかよ!

ゴルゴなのにパンチパーマ。

ちょっ・・・その発想はなかったわ。ゴルゴ13といえば角刈りというのは漫画界での常識だと思うのですが、いきなりパンチですよ。いや、確かにJ君は140巻もあるコミックスを全て読んでいるわけではありませんので、中にはパンチパーマのゴルゴが活躍する回があるのかもしれません。ただ、仮にそうだとしてもわざわざ映画版でパンチの回を採用するメリットがあるとは思えないし・・・。とまあそんな強烈な違和感により千葉ゴルゴは敬遠しておりました。

しかし、あの頃のJ君はまだ若かった・・・いつしか月日は流れ、むしろパンチパーマのゴルゴの方がおいしいんじゃないかと思えるようになるほどに成長し、再びJ君の中で封印された千葉ゴルゴがレビュー対象として浮上してきたのです。というか、いつまでもパンチパーマのことばかりツッコミを入れていても話がちっとも進みませんので早速作品をご紹介いたします。

イライラする依頼人

今回のゴルゴ13への依頼は香港の麻薬シンジケートのボスの暗殺依頼。依頼人とは人目につかない海上会う約束になっています。しかし時間に正確なはずのゴルゴが約束の1分前になっても現れず依頼人はイライラしています。すると・・・

そんなとこから!

なんと、海上なのでボートで登場するかと思いきや意表をついてアクアラングを着て水中から現れるという怖ろしく手間のかかる登場の仕方をするゴルゴ。この辺は不器用な高倉ゴルゴにはできない芸当でしょう。さすがJAC。

メイクが凄い・・・

これが・・・千葉ゴルゴです。パンチパーマのインパクトもさることながら、原作のゴルゴ13よりもさらに濃い顔立ち。その存在感はどんな石原軍団をも凌駕します。

なぜかゴルゴ解説

その様子をビルの屋上から望遠鏡で監視する依頼人の部下。なぜか

「やつがゴルゴ13・・・イエスキリストを裏切り・・・ゴルゴダの丘で十字架に掛けた13番目の男、そんな意味らしい」

「国籍も、本名、年齢、出身地、全て正体不明だ」

「七カ国語を自由に操り、機械のように正確に標的を打ち抜く、パーフェクトなプロの狙撃屋だ」

などと、一連のゴルゴトリビアを説明ゼリフでペラペラとしゃべってくれます。原作をよく知らない人にとっては親切ですね。映画としては不自然だけど。

ゴルゴに気付かれた!

しかし、ゴルゴの秘密をペラペラしゃべる部下の存在に気付いたゴルゴ。あ、銃のスコープを向けた、こ、これはヤバいんじゃ・・・!?

ヤバイって!

ズガーン!

案の定ゴルゴの正確な射撃で望遠鏡ごと打ち抜かれてしまいました。ゴルゴ13の説明が終わった途端即抹殺ですか。何ともかわいそうな役回りです。

覚えたら残さない

そして、依頼人に渡されたターゲットの写真を葉巻で燃やしてしまうゴルゴ。交渉決裂かと思いきや・・・「顔は覚えた」。どうやら交渉成立したようです。客の注文を頭だけで完璧に覚えられるなんて近所の喫茶店のカリスマウエイターぐらい凄いです。

たぶん特許

というわけで、ターゲットを暗殺しに香港に乗り込んだデューク東郷ことゴルゴ13。国籍不明のわりにはバリバリ日本人テイストな名前なのがアレですけどもそれはそれとして、ゴルゴ13といえば、武器となるライフルをバラバラにして電気ドリル見本とかガスバーナー部品のように荷物を偽装して運び込み、現地で組み立てるという特許(たぶん)を持っておられます。

街金の人?

それにしてもゴルゴ・・・あなたのファッションはなんなんですか?スーツの柄なんかナニワ金融道によく出てくるやつじゃないですか!どう見ても普通の観光客には見えないです。

子供にも言われます

実際、観光客として潜入してるはずなのにこんなカッコしてるもんですから現地で目立ちまくり。「カミソリのような目をした男」などと香港で話題になり、子供にまで「ドラゴンの目をしたおじちゃん」などといわれる始末。明らかに不審者です。

とはいえ、ゴルゴほどの超一流のプロになると、殺し屋は目立たないようにしなければいけないなどという常識を超えた存在なのかもしれません。さすがの余裕です。

何このカッコ・・・

香港に潜入したゴルゴは、バッチリとチンピラ風に決めたカッコで早速ターゲット周辺を偵察です。小型のスコープを目立たないように新聞紙で隠して・・・

超不自然

って、メチャメチャ不自然なんですけど。もしかしてワザとやってます?

ロックオン

そして、予定通りターゲットの香港麻薬王を捕獲。コイツを殺ればゴルゴの仕事はパーフェクトに完了します。ところが・・・

想定外の表情

ゴルゴが狙撃する前に何者かによってターゲットが撃たれてしまいました。さすがのゴルゴも驚きを隠せません。実は香港の麻薬王を影で操る裏のボスの存在があったのでした(ドラクエかよ)。香港警察に目をつけられはじめた香港の麻薬王は裏ボスによって消されたのです。

裏ボスがいました

この背中を向けているのが真のボスです。背中越しのブラインドアングル、手には葉巻、横にはべらした美女等々、典型的な裏ボスの要素満載です

情報は体に聞け!

プライドを傷つけられたゴルゴはターゲットを裏ボスに変更。裏ボスの女と思わしき人間と接触します。そして、お約束のベッドシーンへ・・・。

そう、ゴルゴといえば現地美女とのベットシーンはお約束。これがなければはじまりませんよね。原作では美女に「すてき…ああ!雨のサントロペ!恋のサントロペ!」などと意味不明なセリフを言わせてしまうぐらいのスーパーテクニシャンぶり。どうやら下のライフルも超一流のようです。

ベッドシーンで裏ボスの情報を聞き出したゴルゴ。どうやらポーラニア領事のポランスキーという男の模様。しかし、ゴルゴの敵は麻薬シンジケートだけではありませんでした。香港警察もゴルゴをマークしていました。特に個人的にゴルゴを恨んでいる香港警察のスミニー刑事はまるでルパンを追いかける銭形警部のようにゴルゴを捕まえることに執着します。

ベタな逃走劇

舞台はマカオ。マカオ市内を香港警察がゴルゴを追っかけての大捕物がはじまります。トラックの裏に隠れて移動したり、2階建てバスに乗り込んだりと必死に警察をまこうとするゴルゴ。いよいよルパンみたいな展開になってきました。

ルパンぽいアクション

そして、2階建てバスの屋根に乗り、さらにそこから電柱に飛び移って警察をまくという過激アクションをこなすゴルゴ。さすがJACです

空手エルボー炸裂

その他にも、麻薬シンジケートのマフィアとの格闘シーンでは、空手アクションを炸裂させるなど随所にサニー千葉らしさを発揮。ゴルゴ13なのに雰囲気はどんどん香港映画風になってきます。

白い服が目立ちまくり

マフィアとの格闘の最中に、殺し屋の銃を左足に被弾してしまい大ピンチに陥ったゴルゴ。映画中最大のピンチが訪れます。そんな時に限ってメチャクチャ鮮やかな純白の服でキメてるもんだから鮮血がやたら目立ちます。本当に殺し屋のくせになにかと目立つ人です。

足に被弾し動けなくなったゴルゴを、香港で助けてあげた女が偶然見つけ、かくまってくれます。ゴルゴと島耕作だけはほんと都合のいい時に女がでてきますね。そして、勝手に自分の切ない身の上話をしてすすり泣きはじめる女

拒まないのが男

「・・・抱いて」

えー!ゴルゴ、左足大けがしてるんですけど!いくら何でもメチャメチャ酷じゃないですか?どうするの?どうするのゴルゴ?

そこは男ゴルゴ、当然拒みません。足を銃で撃たれいても余裕で女を抱く男、ゴルゴ13。絶倫すぎます。何食ったらこんなにタフになれるんでしょうか・・・。

ゴルゴしかできません

というわけで、女に救われ大ピンチを乗り越えたゴルゴは、断崖絶壁にロープでぶら下がりながらヘリで逃げようとする裏ボスのポランスキーを狙撃したのでした。最後もメチャクチャ無茶してますね。

というわけで、ゴルゴの設定はそのまんまに、サニー千葉の不自然なぐらいに分厚いメイクや香港テイストなハードアクションまで楽しめてしまう「実写版ゴルゴ13」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?わりと地味だった高倉バージョンに比べると普通にアクション映画として楽しめる快作ですよ。懸念事項だったパンチパーマも観ているうちにわりとどうでも良くなってきますし。

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関連テキスト) 実写版ゴルゴ13(高倉健バージョン) ゴルゴ13タイピングソフト

出典) 「ゴルゴ13 九竜の首」 東映/さいとうたかお

参考)  Amazon → 

参考リンク) 実写版いろいろ

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