勢いが命のグルメマンガ スーパーくいしん坊 part4 ドラム缶ステーキ&ソーラーバーベキュー編

勢いが命のグルメマンガ スーパーくいしん坊 part4

ずっと香介のターン!

こんにちは、内山君が実はモテモテでしかも経営者だったという昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか?体型だけなら内山君も顔負け、逆ブートキャンプ状態でおなじみの主人公が活躍するグルメマンガ「スーパーくいしん坊」第4弾レビューでございます。

今回はなんと!「スーパーくいしん坊」香介が、日本の食肉業界に切り込みます!時期的にも内容的にもかなりギリギリのテーマのような気がしますがたぶん気のせいです。さあ、一体どんな偽装工夫が肉料理に施されるのでしょうか?要注目です!


ところで、くいしん坊繋がりですが、土山しげる先生の作品で「喰いしん坊!」というマンガが現在も連載されております。こちらのテーマはいわゆるフードファイト、大食いのマンガです。「早食いと大食いは違う!早食い勝負では時間配分を無視して早く食うことが勝利の秘訣だ!」などいった一般の人には全く役に立たない知識が満載です。こちらの方も是非ともご一読をお薦めします。

無駄な知識

さて、本日のテーマは肉。しかも「ステーキ」「焼肉」という二大肉料理がテーマです。例によって、お食事前の方にはこの先を読むことはお薦めできませんけど・・・。

最初にご紹介するのは「回転網焼きステーキ」のお話。香介の通う中学校に新しい校長先生が赴任して来ました。その校長先生の粋な計らいで、全校生徒に好きな食べ物のアンケートをとり、一番人気が高かったものを給食に出そうというのです。しかし・・・校長にとってそれは悪夢の事態を招くプロローグだったのでした。

粋な計らいのつもりが・・・

生徒たちの給食アンケート、フタを空けてみればアンケートの結果はことごとく

中二病発動

ぶ厚いステーキ、焼きたてのステーキ、おいしいステーキ・・・・

なんと、ぶっちぎりでステーキがアンケートの第1位。子供だとタカをくくって、カレーや焼きそばになることを想定していた校長にとって予算的に完全に想定外の事態です。・・・というか、給食で「ぶ厚いステーキ」とか、お前ら空気読めなさすぎ。どんだけ中二病が進行してるんだという話です。

赴任早々粋な計らいが裏目に出て絶望の淵に立たされた校長。しかし、この問題を解決できる男がただ一人だけいました。そう、「スーパーくいしん坊」香介の登場です。しかし、さすがの香介も提示された予算の少なさに難色を示します。

お前がいうな

「そりゃおれもステーキって書いたけどね」

・・・お前もステーキって書いてるんじゃねえか!

というわけで結局、校長におだてられ低予算で全校生徒200名分もの給食ステーキにチャレンジするハメになった香介。ここからまさにミート●ープもビックリの食肉マジックが炸裂いたします。

いよいよ給食ステーキの日。全校生徒が香介に熱い視線を送る中、到着したのはステーキ用の肉ではなく、なんと牛バラ肉

とりあえず野次るギャラリー

ステーキ用の分厚い肉が到着するかと期待していたギャラリーは当然のごとくブーイングです。この作品ではとりあえず野次るのがお約束です。しかし、そこで行われたのは香介オリジナルのとんでもない食肉加工技術でした。

ラベルぐらい剥がせよ

いきなりビール瓶で牛バラ肉をガンガン叩きはじめる香介。叩くのはいいけど、なにもビール瓶で叩かなくても・・・などというツッコミをしても無駄なことは、このシリーズを読んでいる皆様ならもうお分かりですよね?

まさに食肉マジック

そして、叩いて引き伸ばされたバラ肉が一枚の牛肉に!な、なんとなくステーキが焼けそうな雰囲気の肉ができてしまいました!一気に香介に集まる羨望のまなざし、これはまさに食肉(ミート)界の希望(ホープ)であります。

ドラム缶登場

さらに、驚くのはその焼き方でした!バラ肉を合成して作った巨大ステーキ肉を網を巻いたドラム缶で挟み焼きに!

ありえない焼き方

アンビリーバボー!

できちゃった・・・

ス、ステーキができちゃいました。まあビール瓶で叩いたバラ肉を焼いたものがステーキと呼んでいいのかどうなのかJ君には定義がよく分かりませんが、要は見た目です。ガキ共に一枚肉のステーキなど100年早いのです。

というわけで、例によって皆さんのリアクション。

ほんとに味わってんのか?

「おいしーいっ」

まるでグルメ番組のロケのようなリアクション。どうやらみんな大満足のようですね。ちなみにJ君の心に一番響いたリアクションはこちらです。

最も空気読めてない男

「本物そっくりだ!」

お前、それ言っちゃダメだろ!

さて、次にご紹介するのは「ソーラーバーベキュー」のお話。なんと、太陽熱で肉を焼くという非常にエコロジカルな発想の焼肉です。自然には優しいんですが、身体には全然優しくない調理法です。いったいどんな仕組みになってるんでしょうね。

それにしても焼肉ほど人を狂わせる料理もそうありません。時に人格を変えてしまうほどの魔力を持った料理、それが焼肉。「孤独のグルメ」でも「うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ」とか「焼肉といったら白い飯だろうが」とかいった焼肉に関連したセリフが出てきます。食事中に「うおォン」などと叫ぶ状況が焼肉の時以外に考えられますでしょうか?いや、考えられません。というか焼肉の時でもありえない

気持ち分かりますね

そんなわけで、臨海学校に望んだ香介達、中学ご一向。海で優雅に海水浴を楽しんでおります。そこでは生徒たちの昼飯の準備を任された海の家のおっちゃんが、焼肉を振舞おうと準備を行っていました。

都合よくトラブル

しかし、トラブルが発生!なぜかプロパンガスが器具の故障で使えなくなってしまったのです。これでは焼肉などできるはずもありません。しかも不幸なことに、海岸周辺はこの海の家以外、食事をできるところがありません。


中坊に責められ立場無し

海の家のおっちゃんの不備を一斉に責めるガキども。さすが給食のアンケートで「ステーキ」とか書く中二軍団です。情け容赦ありません。

そんな修羅場の中、香介は海の家のおっちゃんを助けようと思案します。今回はちょっとイイ奴ですね。そして・・・


どう見えても悪人顔

何か妙案を思いついた模様。このしてやったり顔がまたすごくイヤな顔ですね。今さっきイイ奴と言ったのを撤回したくなります。そこで香介がはじめたのは・・・

ゴムボートにトタン

ゴムボートにトタンをひいて、海上に1時間ほど放置するだけ。香介もゴムボートで昼寝中です・・・。その様子を見てやる気があるのかと一斉に非難するギャラリーたち。こいつらはとりあえず野次ります。

なにやら不穏な空気が

しかし、一時間後・・・灼熱の日光でトタンがまるでホットプレートのように熱されていたのです。そう、そのトタンで焼肉を焼くのです。名づけて

トタンで肉を焼くッ!

「これがソーラーバーベキューだあ!」

それにしてもトタンて・・・。相変わらず衛生面無視のプリミティブすぎる調理法ですが、なあにかえって免疫力がつく。J君だって子供の頃は原料不明の駄菓子とか、地面に落っことしたものとか平気で食べてました。子供はそうやって強くなっていくんです。ガキ共に炭火焼の焼肉など100年早い!(それは言いすぎか)

美味いらしいです

「こりゃあいいや!」

はい、お約束ですね。こいつら不味いと言ったためしがありません。

危険すぎ

それにしてもこのソーラーバーベキュー、見るからにツッコミどころ満点な危険度マックスの状況ですが、このマンガでその手のツッコミをしても無駄なことは当然お分かりなことと思います。

そんなわけで、肉を焼くのが先か熱射病が先かという過酷なソーラーバーベキューは生徒たちに大好評だったのでした。めでたしめでたし。後にこの海の家の名物料理にもなったそうです(保健所が黙ってなさそう)。

というわけで、品質問題にあえぐ食肉業界にガツンと一発かました今回の「スーパーくいしん坊」、いかがだったでしょうか?かえって状況が悪くなってる気もしないでもないですが、例によって皆様は決して真似などなさらぬよう、決して肉まんにダンボールなど混ぜることなく清く正しいグルメライフを送っていただけますようお願い申し上げます。

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出典) 「スーパーくいしん坊」 講談社/ビッグ錠/牛次郎

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