ファミコン殺人事件!「少年探偵ジュンの事件簿」 part1

ファミコン殺人事件!「少年探偵ジュンの事件簿」 part1











ファミコンの名にかけて!

こんにちはJ君です。「金田一少年の事件簿」は皆さんご存知でしょうか?「じっちゃんの名にかけて」「謎はすべて解けた」などの名ゼリフでおなじみ、「名探偵コナン」と共に二大少年探偵マンガとして並び称される作品ですよね。



で、例によって当サイトが本日ご紹介するのは金田一少年・・・とは全く関係がない「少年探偵 ジュンの事件簿」 なる作品です。このタイトルを聞いて、ほとんどの方はこう思うのではないでしょうか?ありがちな金田一少年のパクリマンガじゃないのか?と。いえいえ、全然違います。むしろ真実は逆なのです。


実はこの「少年探偵 ジュンの事件簿」 は先日休刊となったコミックボンボンが1986年に発刊したファミコン増刊号「ファミリーコンピューター スペシャル特集号」に掲載されていた作品です。金田一少年の連載開始は1992年ですから「少年探偵 ジュンの事件簿」 の方が6年も前なのです。つまりジュンの事件簿の方が元祖と言えなくも無いような気がしないでもありません。



さらにこの作品がすごいのは、掲載紙がファミコンをテーマにしたマンガを集めた「ファミコン増刊号」なだけに、作品上で次々と起こる殺人事件がことごとくファミコン絡みであることです。ファミコン使って殺人事件・・・作者の細井雄二先生にボンボン編集部からの相当なムチャ振りがあったと想像されますね。しかし細井先生はそのムチャ振りをガッチリ受け止め、次のようなマンガ設定で解決したのでした。



「村越純は刑事の兄がいるファミコン好きの元気な男の子。どういうわけか大事件に巻き込まれるのが玉にキズだけど、持ち前の行動力、そして名推理で難事件に挑戦していくんだ!!」



刑事の兄がいるファミコン好きの主人公・・・まさにこの設定で万事解決ですね。というわけで、早速第一話「ファミコン連続殺人事件」をご紹介してまいりましょう。改めて思うのですがすごいタイトルですね。任天堂からクレームが来なかったのが不思議なくらいです。





ボウガンで殺りに来る犯人



刑事の兄と二人暮らしの少年ジュン。その兄の友人に天才ファミコンゲームプログラマーの羽具(はぐ)という男がいました。ファミコン大好きジュン少年はゲームに詳しい羽具を慕っていましたが、ある日その羽具が勤め先の音羽ソフト内で何者かにボウガンで殺されてしまったのです。





やけに歳が離れた兄弟設定



慕っていた羽具が殺されたと聞き、捜査に行く兄に無理矢理ついていくジュン。





探偵マンガにしかありえない構図



いかにも探偵マンガっぽい構図ですね。

羽具を殺した後、犯人は鍵をかけて部屋を出て行った、つまり鍵を持っている会社の同僚達が怪しいという結論に。そして、こちらが容疑者リストです。

















気持ちがいいくらい見事に全社員から恨まれてますね。被害者はまさにいつ誰に殺されてもおかしくない状況だったようです。あと、全員のアリバイがものすごく微妙でいい味出してますね。テレビッ子多すぎ





捜査妨害スレスレ



そして、少年探偵モノのお約束。警察とは関係なく独自操作で殺害現場を動き回るジュン少年。実際にやったら普通に捜査妨害だと思うんですけど、それを言っちゃうとコナンも金田一も廃業なので黙っときます。そして、容疑者達も・・・





態度の悪い容疑者1



やたら警察の捜査に反抗的なヤツ





笑みが怪しい容疑者2



妙に怪しい笑みを放つヤツ





なぜか左利きを強調。容疑者3



やたら左利きを強調するヤツ



等々が出てきて、いかにも伏線張ってますという感じの展開でどいつこいつも怪しすぎ。殺意もあるし、個人的にはもう全員逮捕でいいんじゃないかと思います。





容疑者が第二の被害者に・・・



しかし、ジュンが一番怪しいと睨んでいた男、緋多が第二の犠牲者に。これで事件はさらに分からなくなりました。









そんな状況の中、家に戻ったジュンが殺人犯に襲われます。しかし、間一髪、戻ってきた兄に助けられました。どうやら殺された羽具は、ジュンが現場で拾ったファミコンカセットに事件に関わる重要なメッセージを残しており、犯人はそれを奪いに来た模様です。





ファミコンにかけろ!



「よし、ジュン、そいつをファミコンにかけろ!」

でた!これが、「じっちゃんの名にかけて」に対抗する名ゼリフ「そいつをファミコンにかけろ!」です(嘘)。というか、カセットをファミコンに挿すことを「かける」とはあまり言わない気がするんですけど。もしかしてファミコンカセットをカセットテープか何かと勘違いしてるんじゃ・・・。



それはともかく、ファミコンにかけられたカセットに残されたメッセージは、なんと







「ハンニンハ ヒダ」と表示されるのでした。しかし、緋多はすでに殺されてしまっており、犯人ではありません。ここで刑事である兄の名推理が炸裂!





結局、兄が解決



そう、殺された羽具は「ハンニンハ ヒダ」ではなく「ハンニンハ ヒダリキキ」とメッセージを残したかったのですが、メッセージ入力中に息絶えてしまったのです!死ぬ直前にファミコンカセット内部にメッセージを残すとか、どれだけ回りくどいんでしょうか。そりゃ途中で息絶えるわ。



というわけで、容疑者の中で唯一の「左利き」であった古田が逮捕されたのでした。すばらしい名推理で見事犯人を探し出しましたね。ジュンではなく兄の方が



で捕まった古田のコメント。





そうとうバカにされたんですね



「あいつがいけないんだ・・・いつもおれをバカにして・・・人のアイディア盗むから」

・・・そういう場合は殺人よりも転職したほうがいいよ



そんなわけで「ファミコン連続殺人事件」は主人公ジュンがあんまり探偵らしい活躍をすることなく無事解決したのでした。めでたしめでたし。それにしても予想通りというか・・・ファミコンの絡み方はものすごく強引でしたね。この話の場合、ファミコンをパソコンなどに置き換えても全く問題なく話が成立します。



さて、そんな少年探偵ジュンの活躍はまだまだ続きます。次回、「ファミコン大会事件」、次々回「ファミコン誘拐事件」とご紹介してまいりますよ!タイトルだけでは一体何を言っているのか分からないと思いますが、J君も全然分かりません。もちろん見どころは事件にどれだけ無理矢理ファミコンが絡んでくるかですよね!「少年探偵ジュンの事件簿シリーズ」、どうぞご期待ください。







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出典) 少年探偵ジュンの事件簿
 細井雄二/講談社

参考) Amazon →  レビュー →  

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