これぞオヤジ流ピザの食い方! 孤独のグルメ新作 「下北沢路地裏のピザ」編

これぞオヤジ流ピザの食い方! 孤独のグルメ新作 「下北沢路地裏のピザ」編











TPP(トッピングピザ)問題勃発!
こんにちはJ君です。2011年ラストをしめやかに飾る孤独のグルメ「下北沢路地裏のピザ」編がSPA(2011/11/15発売)に掲載されました。今年はいろいろと激動の出来事があった年でしたが、孤独のグルメはいつも平常運転、安定の面白さです。

今回は若者の街、下北沢でゴローちゃんが華麗にピザを喰らいます。ピザは若者だけの食べ物じゃない、オヤジにはオヤジのピザの食い方がある。そんな熱いメッセージが感じ取れる内容となっております。(ネタバレになりますのでこれから新作を読もうと思っている方はご注意ください)


念のため「孤独のグルメ」をご存じない方のために簡単に作品をご説明しておきますと、輸入雑貨屋社長の独身貴族のゴローちゃんこと、井之頭五郎が、定食屋とか居酒屋とかの庶民的なお店で飯を食べたり、お茶漬けを食べようとしてハムエッグとアタリメしか食べられなかったりするハードボイルドなグルメ作品です。全然説明になってない気がするので、詳しくはこちらこちらをお読みください。

若者の街、下北沢。東京近郊の方はご存知かと思いますが、ハチクロとか読んでそうなオサレな若者をはじめサブカル芸能人や業界人が集うシャレオツな街です。J君はかれこれ10年以上縁がない街ですが、我らがゴローちゃんがついにその下北沢に登場です。


小腹減ってます

本日のテーマはピザ

路地裏を歩いているといつものごとく小腹が減りだすゴローちゃん。通りがかったピザ屋さん(詳しいレポはこちら)に目をつけました。ちなみにゴローちゃんは小腹減ったといいながら冷やし中華とラーメンを平らげた前科がありますのであまり小腹減った発言は鵜呑みにできません。そんなゴローちゃんから読者へ、ちょっと早めのクリスマスプレゼントとばかりにオヤジギャグが炸裂。


小腹減りー

「こんなコバラベリーには・・・案外ちょうどいいかもしれぬ」
「コバラベリー」これは・・・流行らない!突然のオヤジギャグにさすがのJ君も顔面ブルーベリー。もしかしたら、オヤジ以上にオヤジギャグを使いこなすズボラ飯の花ちゃんへの対抗意識のあらわれなのかもしれませんね。


これがオヤジギャグだ!

オヤジギャグといえば、ゴローちゃんが過去に繰り出した「腹もペコちゃんだし・・・」という有名なオヤジギャグがあります。このセリフ、実は連載当初は別のセリフだったのですが、単行本化にあたりオヤジギャグへと進化したようです。ゴローちゃんはきっちりと読者のニーズを心得てるんですね。

で、ピザ屋さんに入ったゴローちゃん。いかにも若者向けでない感じのお店の雰囲気がお気に入りの模様です。しかし早速、グルメを悩ませる難問が立ちはだかります。そう、ピザのサイズLとMどっちにするか問題です。

初めて入った店でLにするかMにするか、大盛りにするか普通盛りにするかは重大な問題です。ラーメン二郎あたりだと小サイズでも普通のラーメンより多かったりしますから油断できません。そんな時はできるだけ物怖じせずにはっきりと・・・店員に聞くのが一番ですね。


LかMかそれが問題だ

「Lってどの位の大きさですか」
「Lは28センチ、Mは23センチになります」

なるほど・・・分からん!
サイズで言われてもやっぱりピンと来ませんね。そこでゴローちゃんはグルメマスターらしく画期的なアイテムを使ってこの問題を解決します。


まさかのメジャー持込み

まさかのマイメジャー持参です。これならいついかなる時でもピザのサイズで悩むことはありませんね!っていうか仕事の関係でたまたま持ってただけだよね?そうじゃなかったらかなりの変人だよゴローちゃん。

測定の結果、Mでは小さいのでLサイズを頼むことにしたゴローちゃん。大方の予想通り、さっきまでコバラベリーとか言ってた男がLサイズを注文です。しかし、難関はこれだけではありません。このお店はプレーンなピザに好きな具をトッピングするというスタイルなのです。そこでゴローちゃんが満を持して選んだトッピングは


疾風のようにダメ出し

「サラミとトマトとしめじと・・・」
「ああ、トマトとしめじじゃ水っぽくなっちゃう」




動揺が隠せません

「え」
トッピングでいきなりダメだしされ、こわばった表情のゴローちゃん。店内に走る緊張感!
それにしてもゴローちゃん、相変わらずの出鼻くじかれ属性ですね。出鼻をくじかれること風の如し。疾風のごとくダメ出しされてます。結局しめじのかわりにピーマンとアンチョビで行くことになりました。そのピザがまた旨そうです。そしてここから怒涛の名言ラッシュ


外連味=ごまかし

「ほう、これは外連味のないピザだ」
外連味のないというのは歌舞伎用語でごまかしがないということ。純度100%ピュアなピザってことなんでしょうね。若者が絶対使わなそうな言葉をチョイスするあたりに熟年の渋みを感じます。


ピザにタバスコは日本だけ

男らしいピザの食い方

「メキシコのタバスコをビシビシかけて アメリカのコカ・コーラで食べるのが日本流だい」
字面だけ追うとすごく意味不明なことを言ってるような気がするんですけど、これは日本の食文化を端的に表現する深い言葉ですよ。イタリアではピザにタバスコをかけません、アメリカでもピザにかけるのは乾燥唐辛子がメイン、ピザにタバスコとコーラという組み合わせは日本独自文化と言っても過言ではないようです。ただセリフがなんで「~だい!」ってわんぱく小僧みたいな言い回しで終わってるのかまでは意図がわかりませんけど。


アンチョビがポイント

「古くさい味じゃない若々しいピザだ」
若々しいピザっていう表現も斬新ですね。アンチョビがかかってるあたりがナウでヤングな感じを醸し出してるのかもしれません。サラミとピーマンとトマトだけだとジジ臭いピザになっちゃう可能性がありますので注意したいものです。


大人のおやつ

「大人のおやつになるぞ ピザ」
大人のおやつ・・・なんか夜のおやつ うなぎパイっぽい表現ですが、なんとなく分かります。大人なんだからガキ臭いスナック菓子なんか食べるよりピザをおやつにしようぜってことなんでしょうね。ちなみにこのセリフの対義語として名言「ソースの味って男のコだよな」がありますが、これも初期のセリフは違っていてこんな感じになっておりました。


妄想広がりまくり

「ピザにミートボールは出っぱりすぎじゃないか?」
「シーフードもいいなアサリか そこにナスをぶつける」

ピザをたっぷりと堪能して賢者モードに入ったゴローちゃん。余裕が出てきたのか、今度は独自のトッピングの組み合わせを頭でシミュレーションしはじめます。いわゆる妄想トッピングです。ミートボールの3D具合に疑問を持ったり、ナスをぶつけたりと実に自由気まま。そんなトッピングシミュレーションがゴローちゃんの空腹感を刺激したのか・・・


まだ食うのかよ

「もう一枚いっちゃおうかな Mなら入るだろう」
でた!追加オーダー予告。コバラベリー発言が完全に過去のものとなっております。この時点でゴローちゃんの満腹中枢は完全に機能停止している模様ですね。


チリコンカンみたいだな

「イカコンセロリねえ そうきましたか」
さらに他のお客さんのトッピングも気になりだしたようです。常連さんがピザにイカとコーンとセロリをトッピングしたことを受けての発言。「そうきましたか」ってオヤジが将棋指してるみたいな物言いですけど。それにしてもピザにセロリってアリなんですかね・・・?


今回は追加なし

しかし、妄想トッピングが思わぬ副作用をもたらしました。だんだんピザが腹の中で膨れて結局追加オーダーを断念。うん、そのぐらいにしといた方が健康のためだよ。むしろ普段からそうするべき。

というわけで今回はゴローちゃんがオトナのピザの楽しみ方を提案してくれました。タバスコとコーラでガンガン責めた後はトッピングで妄想すればピザタイムを小一時間楽しめる上、食べ過ぎも回避できるっていうわけですね。実に合理的。皆さんも今晩あたり早速、オトナのおやつにピザはいかがでしょうか?トッピングはもちろん・・・イカコンセロリで。



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出典) 「孤独のグルメ」 扶桑社/久住昌之/谷口ジロー

参考)  Amazon →  Kindle版 
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