I LOVE 郵政!切手で難事件を解決する究極の特殊スキル刑事「キッテデカ」レビュー

I LOVE 郵政!切手で難事件を解決する究極の特殊スキル刑事「キッテデカ」レビュー






やぁみんな!切手収集やってる?郵趣ってる!?
このEメールだのLINEだの言ってる時代に何をトチ狂ったことを言ってるんだと思った皆さん…そいつは早計です。たしかに郵趣家こと切手収集家は減少の一途をたどっているそうですが、切手収集はJ君のような意識高い系かつコルステロールも高い系の高等遊民にとって最高の趣味なのですよ。運動神経悪いから身体動かさなくていい趣味サイコー。なんか頭良さそうに見えるし、もしかしたら将来高値で売れるかもしれないし!まあ実際の所、切手集めてないんですけど。

それはともかく、切手を見るだけであらゆる難事件を解決するという信じられない能力を持つスゴ腕刑事がいるのはご存知でしょうか。その名も「キッテデカ」。先日タカとユージの「あぶない刑事」が10年ぶりに復活するというニュースがありましたが、「キッテデカ」の方が考えようによってはもっとアブない刑事です!


話は戻りますが、J君は今でこそ切手集め(郵趣活動)をしてませんが、小学生のころ…つまり1970年代中盤、まだガンプラブーム・ファミコンブームが起こる前、地元でかなりの切手マニアとしてブイブイいわせてました。大手町にあった郵政博物館「ていぱーく」に行って切手ファン専門誌「スタンプクラブ」を買ってみたり、「ドラえもん」の単行本9巻でスネ夫が「月に雁」の切手は一万八千円のプレミアムが付くんだ!とか何とか言うセリフに衝撃を受け、家にあった爺さん所有の「月に雁」を切手商に持ちこんでこっそり売ろうとしたら500円だと言われたりしたのもいい思い出です。


伝説のプレミア切手 月に雁

で、「キッテデカ」ですが作画:寺沢大介先生・原案:高橋遠州先生ということで、「ミスター味っ子」「将太の寿司」「喰いタン」の寺沢先生が本作を描いておられたのです。食い物以外のマンガもやってたんですね、寺沢先生。


上司の前で堂々と切手を整理


刑事の仕事に興味ゼロ

「キッテデカ」の主人公、前島郵雅(まえじまゆうが)は、警視庁特捜室の刑事のくせに仕事そっちのけで趣味の切手集めに没頭する切手マニア。それ以外はグーダラしているという、典型的な美味しんぼの山岡さんフォーマットなキャラクターです。しかも…


なんという積極性

「ヒソカさん!!僕と結婚してください!!」
本作品のヒロインで同僚の新人刑事、宮園密香(みやぞのひそか)にいきなりプロポーズするという。どんだけ女たらしなんだ!ど思いきや全然違いました。結婚すると名前が「前島ヒソカ」になり、日本郵便事業の創設者「前島密」と同じ名前で切手仲間にウケる!という理由だったのです。


最低過ぎます

…なんという切手クズッっぷり。切手以外のことは本当に何も考えていません。


10シートも買うのか…

さらに、事件の捜査に行くフリをして郵便局で記念切手を購入するなど、サボり方も地味ながら徹底しています。このように切手の事は熟知してるが、人としては相当ダメ男であるかのように思われる前島郵雅ですが、ひとたび切手がが絡む事件が発生すると恐るべき能力を発揮します。


証拠品に手紙があれば100%解決

切手と証言の矛盾を突いて殺人犯を特定したり…


全然違いがわからん

切手を見ただけで冤罪を証明したり…


デキる男の顔になってる

切手を見ただけで偽造文書かどうかを見破ったり…


外国の郵便事情にも精通してます

消印の微妙な違いで国際的詐欺事件を解明したり…
とにかく大活躍です。スゴいですよね。スゴ腕過ぎます。それ以上に切手や郵便が絡む事件が都合よく発生しまくるところがまたスゴいです。

もちろん事件の解明にあたり、前島優雅による詳細な切手ウンチクが毎回披露されるわけですが、これがなんともマニアック。


確かにすごい知識だけど…

切手を印刷する際に異物が付着した状態で刷られてしまったものを「定常変種」と呼び、切手マニアの間で重宝されるそうです。俗にいうエラー切手の一種ですね。興味のない人には心底どうでも良い知識ですが、これが事件解決の鍵になるというのなら話は違いますよね。

そして…さらにめんどくさいのが、ストーリの途中に強引に割り込んでくる切手の微妙な違いを当てるクイズ形式のミニコーナー

クイズその1
「野口英世切手のタイプIとタイプIIの違い」


分かるかな?

解答


微妙すぎる…

…いや、解答を見せられても全然わからん。

クイズその2
「北斎の富士切手の通常版と5枚シート版の見分け方」


解説してくれてるけど…

解答


よく気づくなこんなの

違うかもしれないけどスゲーどうでもいい!!


切手の裏糊はスイーツ

さらには、切手の裏に塗られているノリの味の違いにまで言及。国産の切手の裏糊はほんのり甘く、海外製の切手の裏糊は塩っぱいらしいです。切手グルメとでもいいますか…ここまでマニアックだともはや病気ですね。

というわけで、切手マニアなら大満足、切手マニアでなければ意味不明。刑事マンガもとうとうここまで来たか!という感じの特殊スキル刑事マンガ「キッテデカ」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?当サイトでは今までも「占い刑事」「胸キュン刑事」「大相撲刑事」などの刑事マンガをご紹介してきましたが、刑事マンガ業界ヤバいですね。これからも特殊スキル刑事マンガのカテゴリーから目が離せません。



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出典) 
「キッテデカ」 寺沢 大介/高橋 遠州/小学館

【告知】日刊サイゾーで「ザオリク的マンガ読み」という連載をはじめました!

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