君は、まだ本当のガンダムを知らない・・・「『ガンダム』を創った男たち。」レビュー

君は、まだ本当のガンダムを知らない・・・「『ガンダム』を創った男たち。」レビュー

セイラの乳頭はピンク色ッ!!!
こんにちはJ君です。国内ロボットアニメの最高峰といわれて久しい「機動戦士ガンダム」シリーズ、そのガンダムの動きが最近あわただしいですね。「機動戦士ガンダム」がTVシリーズ放送開始からまもなく40周年を迎えるということで、「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」として複数の新作が企画されていたり、2020年に18mの実物大ガンダムを実際に動かす「ガンダムGLOBAL CHALLENGE」プロジェクトなども始まっています。

J君のように、いわゆるファーストガンダムである「機動戦士ガンダム」のアニメ放送やガンプラブームをリアルタイムで経験している世代にとってはなんとも感慨深い最近の動向ですが、1980年代を席巻したガンダムブームの裏側については意外と深く考えたことがありませんでした。屈辱のアニメ打ち切りから熱狂のガンプラブーム、そして映画版の大ヒットまで・・・その裏で何が起こっていたのか?その一部始終を克明に記録しているマンガがありました。その名も「『ガンダム』を創った男たち。」という作品。この作品を読んでいない君は・・・まだ本当のガンダムを知らないのかもしれない。


「『ガンダム』を創った男たち。」はガンダムの総監督・富野ヨシユキを中心としてガンダムがいかにしてブームを作り上げたのかを、どこまで本当でどこまでフィクションなのかよくわからない感じで描かれています。富野カントクってこんなにエキセントリックな人だったのか・・・まずは主要な登場人物を紹介していきましょう。

■富野ヨシユキ

すげー怖い

スキンヘッドにサングラスのコワモテなルックスがトレードマークの本作の主人公。ガンダムのコンセプトを着想し、アニメ「機動戦士ガンダム」の総監督を務める。性格は超エキセントリック

■安彦ヨシカズ

イケメンすぎる

貴公子っぽいルックスがトレードマーク。宇宙戦艦ヤマトの制作でその名を轟かせた天才アニメーター。ガンダムに出てくる登場キャラクターたちは彼によって生み出された。

■大河原クニオ

尋常じゃないモミアゲ

町工場のおっさんのようなルックスで登場するメカニックデザイナー。ガンダムのモビルスーツなどメカニックのデザインは彼が手がけている。富野カントクの出して来た超ダサいザクのデザインをもとに超カッコよくデザインし直したエピソードは天才的。

皆さんもご存知の「ガンつく王」なキーマン3名(すべて仮名)に加えて、ガンダム出演の声優、映画会社のスタッフ、スポンサーとなるおもちゃ会社の社長たちを巻き込んだ一大スペクタクルとなるわけです。

しかし、最初からいきなり衝撃的。富野カントクがガンダムの主人公アムロの声優を務める古谷トオルをぶん殴るシーンから始まります。

本気すぎるパンチ

実は、星飛雄馬の役からアムロの役へと脱皮しきれていなかった古谷トオルに対する、愛のムチなのでした。そしてこれをきっかけにして・・・

「殴ったね・・・」
かのガンダムの名セリフが生まれたのです(ホントかどうか知らんけど)。
しかし、こんなものではまだ納得いかない富野カントクはさらに・・・

後遺症が残るレベル

よりハードな一発で古谷の潜在能力を引き出します。

あの名セリフはこうして生まれた・・・

そう、かの有名なガンダムのセリフ「二度もぶった!親父にもぶたれたことないのにッ!」誕生の瞬間です。(ホントかどうか知らんけど)

この通り、富野カントクは自分の作品への妥協なき姿勢のため、時には出演者を本気で殴りつけることもあるのです。そうかと思えば・・・

言い逃れできないレベルのセクハラ

こんなセクハラも日常茶飯事。客観的に見てだいぶヤバイ人ですが、なにしろ天才だから仕方ないのかもしれません。あ、ちなみにあくまで架空のアニメ監督・富野ヨシユキの話ですよ。念の為。

そんな天才・富野ヨシユキがガンダムを構想し、もうひとりの天才であり旧友・安彦ヨシカズに声をかけます。視聴者の10年先をいくような発想に、最初は難色を示していた安彦ですが・・・

カッケェ

「だったら時代をよ・・・十年進めようじゃねぇか、オレたちの手で」
カントク、カッコいいぜ・・・こんな熱いこと言われたらやってやろうじゃねえかって気持ちになりますよね。

キレイな富野監督

やられ役がカッコいいのがガンダムの画期的なところ

大河原クニオによるカッコいいザクのデザインも決定し、こうしてガンダムのプロジェクトが始まることになったのです。

絶望的な視聴率

アニメの歴史を塗り替えるべく、大人も楽しめるような壮大な世界観で始まったアニメ「機動戦士ガンダム」ですが、現在の評価とは裏腹にアニメ開始当初の評判が芳しくなかったことは有名な話です。初回の視聴率は3%。非常に厳しい船出でした。

やたらアニメに詳しい医者

更に二回目以降の視聴率はもっと下がり、7回目には1.9%。安彦氏が過労により倒れるなどの不幸が続き、ガンダムのアニメは早々に打ち切りが決定してしまったのです。

変わり果てた姿

ガンダムの打ち切りが決まった富野カントクの落ち込みようはそれはもうひどいものでした。歌舞伎町のクラブでやけ酒のあと、チンピラとケンカになり、警察のご厄介になってしまったカントクは老人のように老け込んでいました

・・・すべてが終わったかに思えたガンダムですが、終わっていなかったのです。アニメ誌「アニメック」には大量のガンダムの感想ハガキが届いおり、ダンボールで山積み状態。ガンダムの本当のファン達は、実は視聴率には現れないところに大量に潜んでいたのです。その「アニメック」でガンダムの打ち切りを大々的に特集したため、ガンダムファンが一斉に立ち上がったのです。

ネットがない時代でこの凄さ

打ち切りが決まってから、TV局には抗議のハガキが殺到・・・

AKBよりすごい

ガンダムを終わらせないためにグッズを買い支えるファンたち・・・
ついにテレビ局が動き、打ち切りからわずか39日後に再放送が決定したのです。ネットがない時代にこれだけのスピード感で事が起こるって、相当な影響力だったことが想像されますよね。

すげー強気

その後は、再び富野カントクにもすっかり精気が蘇り、打ち切られた部分のカットを入れ直した映画化に向けて、超強気の交渉が始まります。

抱き合わせ商法でよく買ったもんです

その後、社会現象となった空前のガンプラブームや・・・

哀戦士とか、めぐりあい宇宙(そら)とか

劇場版・機動戦士ガンダム三部作の大ヒットなどは、みなさんもご存知のとおりです。

というわけで、この辺の大ブームに至るまでの裏話が事細かに描かれているマンガなのですが、何しろこのマンガに出てくる富野カントクのキャラがアレすぎてどこまでが本当のことなのか、本当にあんなにセクハラしまくりだったのかは分かりませんが、リアルタイムでガンダムブームを体験した人であれば、読んでおいて損はない作品です。

ちなみに本作を読んで一番ビックリしたガンダム豆知識は・・・

その情報いる?

「セイラの乳頭の色はピンクだってことだッ!!!」
です。いやー、知らなかった。・・・ていうか、そんなこと考えたこともなかった。セイラさんが・・・そうかぁ。

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出典)「『ガンダム』を創った男たち。」  大和田秀樹 / 矢立肇 / 富野由悠季 / KADOKAWA