世界最狂の実写版 台湾版北斗の拳 part2
こんなの、北斗の拳じゃないんだからねっ!
こんにちは、J君です。なんで冒頭がツンデレ風になっているのかさすがに自分でも意味が分かりませんが、前回ご紹介した台湾実写版北斗の拳「北斗之拳」は非常に多くの反響を頂き、北斗の拳という作品の持つ影響力を改めて思い知らされた次第です。
そして今回はその続編「北斗新拳」をご紹介させて頂くわけですが、はっきり言ってこれは酷いです。前作も確かに酷かったですが、続編は紛れもなく世界一酷い北斗の拳であると太鼓判を押せます。そんな史上最凶の台湾実写版北斗の拳「北斗新拳」を早速ご紹介してまいりますが、皆さんどうか今回のテキストを読んで「北斗の拳」を嫌いにならないでください。それだけが心配です。
さて、前作「北斗之拳」も十分に原作無視の傾向があったわけですが、今回はその続編だけあって、さらにグーンとパワーアップして原作からかけ離れております。むしろ、ケンシロウのコスプレをした人が出てくる別の映画と思って頂いた方がいろいろと諦めがつくかもしれません。
話は前作「北斗之拳」の続きという設定で始まります。前回ケンシロウによって倒された南斗の将。その恋人なのか妹なのかは日本語字幕がないのでよく分かりませんが、南斗の将の亡骸の前で泣き叫ぶ一人の女がいました。
まさに女豹です
この若いジャガー横田みたいな女が本作品前半のキーとなるキャラです。キーとなるというか、いきなり巨大化して街を襲います。
でかすぎるよ・・・
しかもいきなり山よりでかいサイズ。オーバーザマウンテンですよ。前作ではビルよりでかい巨人男が出てきましたが、今度は山よりでかい巨人女とは・・・。何でそんなにでかくなれるのか?その原理等の説明はもちろん一切ありません。
北斗ビーム発射!
暴れ回る巨人女に対し、指からビームを出して反撃するケンシロウ。前作で北斗神拳奥義を極めたためか、何のためらいもなくビームで攻撃です。命名「北斗ビーム」。・・・先行きが不安ですね。
北斗ビーム炸裂
グワァー!
北斗ビームが目に直撃した巨人女は通常サイズに戻り一時退却です。でかくなった意味全然無し。すさまじい巨人女の見かけ倒しっぷりです。いや、北斗ビーム凄すぎるのかもしれませんが・・・。
左は台湾式モヒカン男
そこへ突然、ケンシロウと巨大ジャガー横田の戦いぶりを高みの見物していた男がいきなり乱入してきます。この男こそ今回の悪の帝王。そう、その名も・・・
字幕がハングルで読めません
・・・ええと、誰だろう?よく分かりません。
ジュディ・オングと紅白の小林幸子を足して2で割ったような、巨大なマントを羽織った台湾の鹿賀丈史みたいなのが登場です。全く原作のキャラに当てはめられません。オリジナル街道爆走中です。
どんなもんじゃーい
恐るべき気合でメンチを切り合うケンシロウと台湾の鹿賀丈史。目がビカビカいってますね。あまりの凄まじいメンチの切り合いに思わず亀田兄ですらベルトを返上してしまいそうな雰囲気です。
ものすごいマント攻撃
ケンシロウと台湾の鹿賀丈史の初バトルは、鹿賀丈史による「南斗ジュディオング拳」により、ケンシロウの敗北。前作同様ケンシロウは瀕死の状態に陥ります。
困った時の神頼み
しかし、北斗七星が夜空に煌めくと、またここで前作同様、謎の中華の神様登場。天空から謎の怪光線でケンシロウのHPがみるみる回復します。そして、三度蘇ったケンシロウは・・・
本物っぽくなりました
また服が新調されてました。3度目の正直でやっと革ジャンを着せてもらえるようになったケンシロウ。まるで出世魚のようですね。
パワーアップして革ジャンを装着してゴキゲンのケンシロウは、前作でひっかけた恋人ユリアとともに突然空中へ飛び上がり、空をラブラブデートです。どうやら北斗神拳を究めし者は空も自在に飛べるようです。雲間をぬって空中を飛ぶ北斗カップル・・・。
雲間を飛びまくります
北斗の拳というよりスーパーマンに近いですね。
握りつぶされる役
ケンシロウがユリアにうつつを抜かしているころ、別の場所では大変なことになっていました。そう、例の山よりでかいジャガー横田が一般人を狙って暴れまくっていたのです。その最初の犠牲者は、なんと痛ましいことにまさにこれから結婚式を挙げようとする花嫁でした。
花嫁もでかすぎ
花嫁を捕らえ、手で握りつぶす巨人女。何て酷い・・・。いや、巨人女も酷いんですけど、屋根と花嫁の縮尺が明らかに酷いことになっています。あらゆる意味で酷いです・・・。
この迷彩服の男が・・・
そして、花嫁衣装を持ってたたずむ男が一人。そう、結婚するはずだった花嫁を巨人女によって殺され、怒りに震える男・・・この男こそ、後にケンシロウと共闘する南斗水鳥拳のレイ!
レイ?
・・・なんじゃないかと思います。たぶん。
レイとはいったものの、見た目は明らかに反政府ゲリラみたいなカッコをしているので正直自信はありません。
完全に人形やん
さらに巨人女はレイと花嫁の友人に襲いかかります。今度は花嫁の友人が捕らえられてしまいました。捕らえられるシーンとかもうなんかメチャクチャ手抜きですけど、今さらこの程度で突っ込んでいてはキリがありません。
南斗吹き矢拳
捕らえられた花嫁の友人を救い出そうと得意の吹き矢で攻撃するレイ。・・・って吹き矢かよ!南斗吹き矢拳?そんなのあったっけ?(ありません)
しかし、吹き矢がチクッと刺さって巨人女はなおさら逆上(そりゃそうだ)。さらに状況は悪化しました。なんとか花嫁の友人を救いたいレイは、巨人女の要求に従うことにします。その要求とは・・・巨人女の仇、ケンシロウとユリアを倒すことでした。
悲惨な運命が待ち受けます
場面変わって、公園でのんきに花に見とれているユリア。そこにいきなり襲いかかる反政府ゲリラ・・・じゃなくてレイ。逃げるユリアの背中に向かっていきなりナイフを投げつけます(ひでえ)。
ゲリラ風レイ
投げナイフが背中に突き刺さって瀕死のユリア。後述しますが今回のユリアはいろんな意味で散々です。まさに悲劇のヒロイン。・・・と、そこにケンシロウがものすごく間の悪いタイミングで現れました。自分の恋人がいきなりナイフで刺されたわけですから、当然ケンシロウは激怒。ケンシロウVSレイ(ゲリラ)の壮絶バトルが始まりました。
完全にオッさんのレイ
・・・と思いきや、あっさりケンシロウに関節技を極められて負けてしまうレイ。どうやらこの男は吹き矢などの飛び道具がないと全然ダメみたいです。
その後、事情を話し和解する二人。恋人をナイフで刺されたというのにケンシロウもずいぶんお人好しですが、どうやらケンシロウのツボ押しにかかれば背中を刺されて瀕死のユリアも一発で治るようです。
バッチリ治療
ピカーン
ホラ治った!って、背中にザックリナイフが刺さってるのにそのツボで治るんでしょうか?
ケンシロウの仲間に頼れる吹き矢使いのレイが加わったことでパワーアップした北斗神拳ご一行。その頃、悪の軍団の方は巨人女(ジャガー横田)と鹿賀丈史が手を組んだと思ったら速攻で仲間割れ。巨人女はあっけなく鹿賀丈史によって殺されてしまいました。どうやら巨人女はもう話の流れ的に用済みのようです。話の都合に合わせてどんな主要キャラでもどんどん消されて行くのがこの台湾実写版北斗の拳シリーズの特徴です。
この辺からかろうじて保たれていたストーリー性は完全に破綻し、誰も理解のできない異次元北斗ワールドに突入してまいります。まあ、最初っから豪快に破綻していたといえばそれまでなんですが、もうJ君にはこれ以上ストーリーの説明が不可能なので、ここから先は個性溢れるキャラクター紹介に変更させて頂きます(レビュー放棄)。
北斗の拳・・・だよね?
刺客その1。謎のおっさん。ビートたけしみたいですが、油断するといきなりダイナマイトを投げつけてくる油断ならない敵です。
家政婦は見た?
刺客その2、謎のオバハン。渡鬼に出てきそうな小市民風のナリでバット達に近づき、いきなりブーメランを投げつける卑怯な敵。なんだかファミコンゲームの敵キャラ紹介みたいになってきました。
ケンシロウVSユリア
刺客その3、ニセユリア。レイにやられたナイフのケガの後遺症に悩まされていたユリアはいつの間にか鹿賀丈史軍に拉致され、ニセユリアに入れ替わってしまいました。
ユリアの仕込み刀
ユリアの仕込み刀がケンシロウを襲う!
北斗の拳に女忍者・・・
突然ケンシロウに助っ人する謎の女忍者。鹿賀丈史軍に捕まったリンとレイを救出するために単独で敵のアジトに侵入を試みます。が、失敗していつの間にかフェイドアウト。最後まで正体不明でした。というか基本的に北斗の拳に忍者が出てくる時点でおかしいと思います。
聖闘士ですか?
刺客その4、手から炎を出す、ゴージャスな鎧を着たおっさん。もしかしたら聖闘士星矢を意識しているのかもしれません。それにしてもこの鎧・・・
かなりカッコ悪い
思わずグッドデザイン賞をあげたくなりますね。
腹話術風殺し屋
刺客その5、殺し屋兄弟。小さい方が肩に乗っかっています。いっこく堂の腹話術みたいですが、小さい方が中途半端な大きさなのでとてもバランスがとても悪そうです。
レイがあっさりリタイヤ
兄弟のチームワークを生かしての特殊攻撃を仕掛けてくるのかと思いきや、合体しているのは最初だけで結局二人別々になって攻撃してきます。何の意味もないコケおどしでした。ちなみにレイはこいつらに刀で刺されて死亡します。
さて、お待たせしました。遂に台湾実写版北斗の拳最強の敵、台湾版鹿賀丈史。この男は前作の南斗の男とは比較にならないスゴい敵でした。
パクリ盛りだくさん
まず、手はじめにライトセイバーを持って登場します。いきなりパクリですね。
魅せられて・・・
さらにトレードマークの巨大マント。ウザイぐらいにひるがえっていますね。マンガに出てくる悪党は決まって背中にどデカいマントを背負ってますが、こうやって使うものだったんですね。(たぶん違う)
ここからが鹿賀丈史の本領発揮です。名付けて「南斗ディナーショー拳」。なんと、鹿賀丈史がケンシロウと戦いながら数秒おきに衣装替えをするという秘奥義です。
衣装替え開始
全体的にディナーショーっぽいド派手衣装なのが特徴です。もしくはマジシャンっぽいといってもいいです。
全部、鹿賀丈史
最終的には全パターンの衣装の鹿賀丈史が分身して襲って来るという、まさに手の打ちようのない最強奥義。台湾映画ではボスが分身するのがお約束なのでしょうか・・・?マタドールやカウボーイのカッコをした鹿賀丈史が一斉に襲ってきてケンシロウ大ピンチ。っていうかはっきりいって意味不明。
突然月食が・・・
さらに悲劇は続きます。月食により上空の北斗七星の輝きが消え始め、ケンシロウが急に苦しみはじめます。
月食で苦しむケンシロウ
・・・って、なにその設定。月食になると弱るケンシロウて。そんなのありましたっけ?(絶対ありません)そんな狼男みたいな設定いらないんですけど・・・。
最大のピンチ
上から振ってきた巨大な箱に押しつぶされそうになるケンシロウ。万事休すか・・・?しかし、そこに再び中華の神様のお助け怪光線が!
月が出てきた!
月が出てきた!今だ!ケンシロウ、パワーアップ!
気合いを溜めて・・・
うおおおお!
新しい怒りの表現
花火ドバー!
気合いが乗って最高潮のケンシロウは全身から花火を吹き出しながら鹿賀丈史に反撃。巨大な箱を鹿賀丈史にブン投げて押しつぶして勝利です。凄いぜ!北斗花火拳・・・。
北斗神拳に関係ない決着
そんな感じで悪の帝王、台湾の鹿賀丈史を倒したケンシロウですが、残念ながらユリアは鹿賀丈史のライトセイバーにより殺されてしまっていました。要するに無駄足。もう全てが酷すぎる。
ユリアは助けられませんでした
というわけで、ストーリーは意味不明、全体的に余すところ無く手抜き、出演者が脈絡もなくバンバン死ぬ、などなどダメ映画に欠かせない要素が全て揃った世界最凶の北斗の拳、台湾実写版北斗の拳をご紹介いたしましたがいかがだったでしょうか?J君的には向こう3年は北斗の拳はお腹一杯です。
確信犯的パンチラ
ちなみに、今回あんまり存在感がなかったリンは単なるパンチラ要員として登場していますので興味のある人向けに置いておきますね。
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参考) レビュー → ■ 「北斗新拳」動画 (情報提供:Arabesque?様)
関連テキスト) ハリウッド版北斗の拳 韓国版北斗の拳 台湾版ドラゴンボール
参考リンク) 実写版いろいろ