人生で大切なことは全てデパ地下で学んだ・・・デパ地下オンリーマンガ 「デパ地下!」 に学ぶマーケティングの極意

デパ地下で 試食しすぎて 出禁かな(デパ地下川柳)
こんにちはJ君です。今回はいつもと一風変わって自己啓発本ぽいタイトルでスタートさせていただきましたが最近は自己啓発本を読むこともありまして、特にとんでもないタイトルのやつが大好物です。最近だと「ラーメン二郎にまなぶ経営学」とかね。完全にラーメン二郎ってキーワードだけで選んでますけど。
いつも皆さんの人生に1ミリも役に立たないマンガばかりご紹介している当サイトですが、今回は読むだけでデパ地下ビジネスの秘密がわかる・・・かもしれないちょっと賢くなれるマンガをご紹介したいと思います。その名も「デパ地下!」。その名の通りデパ地下限定グルメマンガです。
まずマンガのご紹介をする前に軽くデパ地下についておさらいしておきましょう。昨今のデパ地下ブームを語るための重要キーワードとして「中食」という言葉があります。中食とは、外食と内食(家で料理を作って食べる)の中間で、お店で売っているお惣菜などを買って家で食べる形態のことです。不況の煽りで外食が減り、その分中食へシフトしているという話はよくニュースで聞きますね。
そしてその中食であるお惣菜がめっちゃ売られてる中食キングダム状態なのがご存知デパ地下です。そもそもなぜデパートの地下フロアに食品売り場が多く集まるのでしょうか?そのための理由はいくつかあるようです。
・水回りやガス、電気などの厨房設備が上階より低コストで設置できる
・地下鉄駅や地下駐車場からダイレクトに集客できる
・食品売場に集めた客を上層階へ誘う「噴水効果」が期待できる
(ことごとくwikipediaより)
なるほど噴水効果!勉強になりますね。要するにメントスコーラみたいなもんでしょうか。全然違いますかそうですか。とにかくそんな魅惑のグルメスポット、デパ地下に焦点を当てたデパ地下オンリーグルメマンガがこの「デパ地下!」というわけなのです。
超やる気なし
では「デパ地下!」のストーリーをご紹介しましょう。主人公は老舗デパート伊勢崎屋の社員、山本勇太(30)です。勇太は広告宣伝部に所属していましたが、ある日伊勢崎屋立浜店のデパ地下主任に異動になります。
佃煮屋さんが困ってます
本社広告宣伝部という花形部署からの都落ちということでテンション下がりまくりの超やる気がない勇太ですが、デパ地下の主任ですから現場を取り仕切らなければいけません。部下からも上司からもプレッシャーかけられまくり、出店している店舗からのお悩み相談もガンガン舞い込んできます。実際、老舗の佃煮屋さんが売れ行き不振で今にも撤退しようかと悩んでいました。
謎のグルメ老人
そんな勇太に救世主が現れます。以前からデパ地下の試食コーナーに頻繁に出没する謎の老人。なんと、この老人が2回以上試食した商品は必ずデパートで行列のできる大ヒットになるという・・・なんともすごいグルメ嗅覚を持った老人なのです。
勇太はこの救世主、美川老人を尾行して接触。実は超豪邸に住む謎のグルメ道楽老人だったのです。豪邸に入れてもらった勇太は美川老人お手製のチャーハンをごちそうになり意気投合。その後は事あるごとに美川老人によるプロのコンサルタント顔負けのアドバイスを貰うことでデパ地下の問題をガンガン解決していく・・・そんなマンガです。
ちなみにその美川老人のチャーハンの作り方ですが・・・
玉子が先
次に冷ご飯投入
鍋肌に濃口醤油を回し入れます
なぜか本編から脱線する勢いで異様に詳しく解説されておりますのでチャーハン作りのご参考にどうぞ。
ところで、先ほどの佃煮が売れなくて困っているデパ地下のお店、佃平ですが、相も変わらず困っています。
すげーイマイチ顔
こんな感じで、お客さんもイマイチのリアクションです。それはもう全力でイマイチ顔。この世に佃煮が好きな人間なんてもはやいないんじゃないかというほどの・・・それはまあ言いすぎですけど、ここで美川老人の的を射すぎたアドバイスが炸裂!
確かにそうですな
「ご飯がなくてなんの佃煮じゃ!」
というわけで、佃煮をホカホカご飯に乗せて試食させるようにしたところ・・・
急にバカ売れすぎ
これがバカ売れ!!お前ら佃煮に対して態度変わりすぎだろ・・・。
さあ今すぐ全国の佃煮屋さんはご飯に乗せて試食させるべし!!
その次のエピソードは夏の商戦で張り切る勇太が、うなぎフェアをやってうなぎの焼ける匂いでデパ地下に集客しようというアイデアを出します。勇太の作戦は見事当たり上々の客の入りだったのですが、ここで問題が発生します。
うなぎスメル充満
デパートの化粧品売り場ってだいたい1階にありますよね。その1階の化粧品売り場がうなぎの匂いで充満してしまい1階の責任者から大クレームに。香水とか化粧品の香りが一気にうなぎスメルに・・・これではシャネルのNo.5がうなぎのNo.5になってしまいます。売上への影響は甚大でしょう。
せっかく好評だったうなぎフェアを即刻中止にせざるを得ない勇太・・・しかしここで老人のアドバイスが炸裂するのです!
その発想はなかった
「中がだめなら外で焼けばいいんじゃ!」
まさに逆転の発想。ていうか、うなぎを外で焼くって、それはもうすでにデパ地下じゃないんじゃ・・・
本当に焼いてる・・・
しかし本当にうなぎを外で焼きはじめました。外でうなぎを焼いているデパートなんて前代未聞ですね。しかしここからが老人のアドバイスのすごいところです。
おあずけ商法
なんと、外で焼いたうなぎをそのまま外で売らずにデパ地下に移動させます。なるほど・・・うなぎの香ばしい匂いを嗅がせるだけ嗅がせておいて、デパ地下にお客さんを誘導するというおあずけ作戦です。これはあざとい、あざとすぎる!!
また、次のお悩みは肉売り場から。ブランド牛である但馬牛の売れ行きが芳しくなくて困っておりました。
但馬牛食べたことない
そこで老人からのアドバイスは音を利用せよというものでした。肉のジュージュー焼ける音が食欲をそそるというわけです。
五感を利用すべし!
うなぎは嗅覚、肉は聴覚、つまり人間の持つ五感をフル活用して商品を売ろうという金言ですね。最終的にはセブンセンシズに目覚めて黄金聖闘士に・・・というマンガではもちろんありません。
人感センサーを利用
ラジカセにステーキを焼くを音を仕込み、人感センサーで但馬牛の売り場に人が通る度にジュージュー。
このシステムの導入の結果・・・
公害レベル
但馬牛がバカ売れというわけです。ていうかさすがにジュージューうるさすぎだろ。真夏のセミじゃないんだから・・・。
デパ地下マーケティング以外にも美川老人がドヤ顔で料理のマメ知識を披露しており、悔しいけどこれが中々勉強になります。例えば、カレーライスの黄金分割比の話。
カレーの黄金分割比
カレーの盛り付けはライス5に対してルーが3という5:3が最強なのだそうですよ。皆さん知ってました?
どうでもいい気もするけど
この通り、いろんな比率のカレーの盛り付けを並べてみるとどれが一番うまそうでしょうか?
並べてみると一目瞭然!右から2番目の皿が一番うまそうですよね。この後の展開の都合上異論は認めません!
まあ確かに
この一番うまそうなやつが実は5:3の黄金分割になってるんじゃよ!(ドヤァ)
ちなみに、コロッケも一番うまそうな形をしてるやつはちゃんと縦横が5:3の黄金分割になってます。
黄金比率のたわら型
それだけじゃありません!目玉焼きだって、一番うまそうに見えるのは5:3の黄金分割で焼けてる時なんです!!
人工的すぎる
ていうか目玉焼きこんなうまいこと焼けないだろ・・・
というわけでデパ地下限定グルメマンガ「デパ地下!」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?
結果として正体不明の美川老人がいろいろ凄すぎて、ジジイ無双状態。主人公はそれに乗っかっただけの棚ぼたラッキーボーイに過ぎないマンガではあるのですが、読むだけでデパ地下のマーケティング戦略からカレーの盛りつけまでいろいろ勉強になってしまうマンガでもあるのです。
このマンガに書いてあることはデパ地下に限らずいろいろ応用できると思うんですよね。もしかしたらJ君の本も表紙からうなぎの匂いがしたり、本をめくる度にジュージュー音がするようにしたり、やる気のないページとやる気のあるページを5:3で黄金分割すればもっと売れるのかも!早速出版社に相談してみようと思います!!
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出典)「デパ地下!」 原作:東史郎/漫画:藤みき生/日本文芸社 Amazonで見る
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