迷った時はラーメンハゲに訊け! 「ラーメン発見伝」「らーめん才遊記」芹沢達也の名言からビジネスの極意を学ぶ!

迷った時はラーメンハゲに訊け! 「ラーメン発見伝」「らーめん才遊記」芹沢達也の名言からビジネスの極意を学ぶ!

 

 

皆様はネット界隈で「ラーメンハゲ」の愛称を持つ芹沢達也というキャラクターをご存知でしょうか。「ラーメン発見伝」「らーめん才遊記」という作品で、ものすごくムカつく表情で芯を食った名言を放つキャラクターとしてカルト的な人気を誇ります。

そのため、別に作品の主人公というわけでもないのに芹沢サンのエピソードだけを集めた「ラーメン発見伝の芹沢サン」「らーめん才遊記の芹沢さん」という本まで出てしまっている始末。・・・というわけで本日はこの愛すべきラーハゲ、芹沢サンの名言の数々をご紹介しつつその魅力をご紹介させていただきます。

最初にこの芹沢サンが登場しているシリーズ「ラーメン発見伝」「らーめん才遊記」を簡単にご紹介しておきます。

シリーズの元祖「ラーメン発見伝」の主人公は藤本浩平というさえないサラリーマン。ラーメン屋になって独立するという夢を持つ藤本は、夜な夜な屋台を引いて理想のラーメンを追い求める求道者でもあるのです。そんな藤本に、ただのラーメンマニアじゃん、これだから素人はwとばかりにダメ出しをしまくるのが超人気ラーメン店「らあめん清流房」の店主・芹沢達也だったというわけです。藤本と芹沢は「美味しんぼ」の山岡さんと海原雄山のごとく激しいラーメンバトルを繰り広げ、その中で数々の名言が飛び出します。

そして続編となる「らーめん才遊記」の方は主人公がガラッと変わりまして、汐見ゆとりという女性になります。「らあめん清流房」の店主でありながらフードコンサルティング会社の社長にもなった、芹沢サンの元に入った新入社員が汐見ゆとりでした。汐見は有名料理研究家を母に持ち、味のセンスは天才的なのに、それ以外の社会常識的な部分がまったくダメダメなため、ビジネスのノウハウを叩き込むコーチ役として芹沢サンが登場。超ムカつく表情で次々に名ゼリフを繰り出します。

つまり2作品では、主人公は入れ替わっているのに、芹沢サンはどちらの作品にもキーパーソンとして登場しているのです。芹沢サンが完全に主人公を食った人気キャラであることが分かりますね。
  

■ラーメン店に特化した芹沢名言

 
 
俺のことだ・・・
 
「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ!」
 
芹沢サンといえば一番有名なセリフがコレです。いきなりインパクト抜群のこのムカつく顔。完全に客をバカにしてますね。

背景を説明しますと、芹沢サンの「らあめん清流房」では鮎の煮干しを使っているのが特徴。その鮎の煮干しの味を極限に引き出した「淡口らあめん」こそ芹沢サンの至高のラーメンなわけですが、コレがなぜか不人気メニュー。実際に人気があるのはニンニクと牛脂を効かせまくり、鮎の煮干しの風味がぶっ飛んでしまっている「濃口らあめん」なのです。しかし客はこの濃口らあめんを鮎の煮干しが効いててウマイウマイと食っている・・・つまり味なんか全然分かってなくて、鮎の煮干しを使っているという情報をありがたがってるんだ!というワケです。

いやー、いきなり耳が痛いですね。J君なんかも、ざるそばだけで1000円オーバーする小粋な蕎麦屋なんかで、やっぱり新ソバは香りが違うね!とか偉そうに言いながら食べますけども、全然蕎麦の香りなんか感じてませんからね。正直、富士そばとの違いすら分かってない可能性もあります。

 
 
いいこと言ってるけど顔が・・・
 
「まだプロになる気があるのなら、覚えておけ。厨房だけがラーメン屋のすべてではない!」
 
これも顔がヤバい。完全にヒットマンの目をしてますね。これはつまりこういうことです。いくら贅沢な素材や珍しい食材を使ってうまいラーメンを作れたとしても、コストを度外視したら店のレギュラーメニューとして出せないから意味がないと。お店を成功させたいなら、ただうまいラーメンを出せばいいってものじゃないというわけなんですね。

こんなツラしてますけど芹沢サンは割と苦労人なので、こういうこともビシッと言ってくるのです。

 
 
口が悪いなあ
 
「ラーメンの場合、下手なマスコミの記事よりネットを信用する『情報バカ』が多い」
 
はい、また煽ってますね。今度は「情報バカ」。コレはつまりアレです。ラーメン本とか週刊誌とかテレビとかって、とりあえず取材したところは褒めるじゃないですか。なので本当に美味いかどうかは意外と分からないんですよね。そのため、ラーメンマニアの運営する個人ホームページとか、食○ログみたいなクチコミサイトのほうが、なんかホントのことを書いてあるっぽい、という心理に陥りやすいんですよね。なにしろ俺たち情報バカだから。

 
 
ネット戦略にも長けてます
 

で、その個人ラーメンマニア達を広告塔としてうまく利用してしまおうというのが芹沢サンの戦略なわけです。実にアタマが切れますね。伊達にツルツルにしてないですね。

 
 
ラーメンマニアは見下してナンボ
 
「オマエの言っていることは『マニアの論理』であって『店の論理』ではない。」
 
本作品を通して何度も同じようなセリフが出てくるのですが、単にラーメンを作るのが上手なラーメンマニアがラーメン屋をやって成功するほど甘いもんじゃないってことなんですね。それにしても芹沢サン、ラーメンマニアのことがどんだけ嫌いなんでしょうか。憎しみを感じます。

 
 
顔がホラー
 
「この下町人情ドラマの舞台裏は、実はホラーだってことを教えてやる。」
 
ホラーなのはあんたの顔だろと言いたくなるこのセリフですが、どういうことかといいますと先代から二代目に代替わりした下町の老舗ラーメン店で、以前からいる従業員達が先代のやり方や味を変えたくないなどと難癖をつけて、二代目の言うことを全く聞かず困っていたところに芹沢サンが助太刀します。

一見、先代の伝統を頑なに守ろうとする下町人情を感じさせるストーリーかと思いきや、従業員たちは今までどおりで客が増えない方が仕事が楽だし、新しいやり方を覚えるのがただ面倒くさいという理由で二代目のやり方に反対していた、というホラーみのあるストーリーだったのです。結局芹沢サンのテコ入れにより、サボってるだけの使えない老害従業員は追い出されてしまいました。下町人情って裏を返すと単なる老害だったってこともあるんですね。くわばらくわばら。

ここまではラーメン屋を始めとする飲食店に特化した名ゼリフの数々でしたが、時として普遍的なビジネス名言が飛び出すこともあります。明日から使える芹沢サンの金言を胸に刻みこむべし!!

  

■普遍的に使える芹沢流ビジネス名言

 
 
カスタマーサポートの人なら一度言いたくなるセリフ
 
「お客様は神様などではありません。」

日本人特有のメンタリティ「お客様は神様です」に対する強烈なカウンターとなるこのセリフ。このハゲ・・・なかなか言いよるわ。最近は度を超えたクレーマーの存在が何かと話題になりがちですが、そもそも客は神でもなんでも無い、対価としてサービスを提供しているのだから店と客の関係はフィフティフィフティなのだということです。ちなみに海外のMドナルドの店員さんが、客を神様どころかサンドバック状態でボコ殴りにしているシーンは戦慄します。

 
 
それってナイーヴなのかなあ
 
「いいものなら売れるなどというナイーヴな考え方は捨てろ」
 
これも目の覚めるような一言ですね。芹沢サンはラーメン店はただうまいラーメンを出しているだけでは成功しないという主旨のことを何度も言ってますが、このセリフの時にも前置きとして「あらゆる商品の価値は、品質、サービス、コストパフォマンス、ブランド・・・といった多様な要素の総和で決まる。」みたいなカッチョいいことを言ってます。まさにものづくりジャパンに関わるすべての人に刺さりまくる一言ではないでしょうか。ただのラーメンハゲの粋を超えたビジネス名言と呼べるでしょう。

 
 
クズには親身になるな!
 
「クズに対し親身になったところで、裏切られ不愉快な思いをするだけだ。」
 
このおっさん、ホント口が悪いんですけど、言ってることは芯を食ってるんですよね。
そう、クズは裏切るからクズなんですよ。さすがクズ、だてにクズやってません。もしクズに対して親身になる時は見返りなんか絶対求めないようにしましょうね。(一体何があったんだ・・・)

 
 
涙なんてただの体液!
 
「嘘を演じている内に、自分の嘘に酔ってしまう・・・別によくある話だから気にしなくていい。涙なんて、ただの体液だよ。」
 
涙なんてただの体液・・・J君的には今回イチ心に来た名言かもしれません。みなさん、涙なんかに騙されちゃいけないんですよ。ここぞとばかりに涙をしょっちゅう流すやつは信じなくていい、なぜならそれは汗と同じただの体液だからだ!(本当に一体何があったんだ・・・)

 
 
勲章が呪いになるの怖い・・・
 
「若き日の小さな勲章は、時として大いなる呪いと化します。」
 
いやあ、コレも深いこと言ってますよ。どんな人生経験を積むとこんなセリフがサラッと言えるようになるんでしょうね。若い頃にちょっとした成功体験をしてしまったことで、その成功に囚われすぎたり、実力を過信してしまうがゆえに、その後に全く実力が伸びなくなってしまう、それを「呪い」と言ってるんですね。このハゲたおじさんは。

あのスポーツ選手もそうだったなあ・・・みたいな事例がいくつも思いつきますね。なんとか王子とか言われる人とかね。

  

■芹沢サンの意外な一面が垣間見える脱力系セリフシリーズ
 

現在、「ラーメン発見伝」「らーめん才遊記」に続く新シリーズ「らーめん再遊記」が連載中です。こちらは、ついに万年噛ませ犬役だった芹沢サンが主人公となりました。その内容は、ラーメン業界でカリスマ的地位を築き上げた芹沢サンが、ラーメンへの情熱を失い出し深刻なスランプに・・・そこで一念発起し、カリスマとしての地位を捨て、再びただのラーメンバカに戻るべくチェーン店の一従業員としてゼロからラーメン修行を開始するというもの。

今までバッキバキの目つきで芯を食ったセリフをカマシまくっていた芹沢サンの信じられない枯れた姿や、脱力感あふれる意外なセリフが見どころだったりします。

 
 
最後に行き着くのは普通のラーメン
 
ほんとそう!わかるわー
 
「もう『複雑で奥行きのある味わい』とか『こだわりの高級食材』とか、疲れたよ・・・」
「苦しい、年とともに炭水化物はきつくなる一方だ・・・」
 
いいですか、皆さん。人は老いには勝てないんですよ!ブタ肉と背脂をマシマシにしたり、替え玉を2回も3回もするといった、元気ハツラツな行為は、40歳を超えると途端にできなくなります。健康診断をすれば、血圧、体脂肪、尿酸値みんな悪化しますよ!そういうもんなんです!

だから、皆さん若い頃にどんなハイスペックなラーメンを食べていても、最後はごく普通のラーメンにたどり着くんです。あの芹沢サンですらそうなんですから、皆さんもきっとそうなります。

 
 
上級国民への憧れ
 
「愉快愉快!!俺はさながら上級国民だっ!!」
 
炭水化物は受け付けないが、ビールはまだまだいける芹沢サン。ラーメン界のカリスマと言われた立場なのに、上級国民への憧れを隠さないあたりになんとも言えない哀愁が漂ってますよね。

 
 
該当の映像なかなかやばいシーンです
 
「これは一部で話題だった初代タイガーマスク・・・佐山サトルの特訓映像か・・・」
 
意表を突いて格闘技方面のジャンルに突然口を出し始める芹沢サン。格闘技好きだったんだ・・・社長業をやめてラーメン屋のバイトとしてボロアパートで一人暮らしになり、好きなことを満喫しまくってますね。

 
 
本当にあったマイトガイチャンネル
 
「『マイトガイチャンネル』だと?小林旭までユーチューブを・・・」
 
もはや完全にラーメンと関係ないこのセリフ。以前のシリーズなら絶対に有り得ない脱力系のセリフです。芹沢サン、いくら自由の身だからって、YouTubeにハマりすぎだろ・・・

というわけで、ココ山岡のダイヤモンドのごとくセリフも頭も光り輝く芹沢サンの名言の数々を紹介してみました。もちろんこれはほんの一部です。「ラーメンハゲ 名言」とかでググると、まだまだ名言がたくさん出てきますよ。ラーメン好きなら一度は作品を読んでみることをおすすめします。

ちなみに芹沢サンの名誉のために追記しておきますと、さんざんラーメンハゲだのラーハゲだのとイジってますが、実はラーメンに髪の毛が混入しないよう、意図的に髪を剃っているので、本当はハゲではなく「スキンヘッド」なんです。そこのところ大事なので勘違いしないように!(お前が言うな)

 

■■
出典) 「ラーメン発見伝の芹沢サン」 「らーめん才遊記の芹沢さん」 「らーめん再遊記」 久部緑郎/河合単/小学館

タイトルとURLをコピーしました