ゴローの俳句センスの無さが際立つ!?孤独のグルメ新作 「有楽町ガード下の韓国料理」

井之頭五郎 「そろそろ反撃してもいいですか?」
こんにちはJ君です。6月3日発売の週刊SPA!に約10ヶ月ぶりの「孤独のグルメ」の新作が掲載されました。しかも次週のSPA!でも新作が掲載され、ドラマ版のシーズン4も約1年ぶりに7月9日からスタートするという・・・今年全く音沙汰がなかった孤独のグルメ界隈がまさにゴロー・イズ・バックという状況になっております。
さらに単行本2巻もそろそろではないかという噂もあり興奮が抑えきれない状況ではありますが、まずは今回の新作「有楽町ガード下の韓国料理」からご紹介しなくてははじまりません。ていうか10ヶ月待たせたあげく、ガード下からのリスタートって・・・さすがゴローちゃん。わかってるとしか言いようがありません!
念のため「孤独のグルメ」原作をご存じない方のために簡単に作品をご説明しておきますと、輸入雑貨屋社長の独身貴族のゴローちゃんこと、井之頭五郎が、定食屋とか居酒屋とかの庶民的なお店で飯を食べたり、時には大学の学食に侵入して「赤ハネの一撃でワイシャツ撃沈だ」とか言ったりするハードボイルドなグルメ作品です。全然説明になってない気がするので、詳しくはこちらやこちらをお読みください。
さて今回の舞台は日本のゴッサムシティこと有楽町のガード下です。行ったことない人にはあまりイメージが湧かないかもしれませんが、銀座にほど近い東京の超一等地にあるとは思えないほどのそれはもう見事なガード下です。そんな場所でダークナイトもとい井之頭五郎はどんな闘いを強いられるのか・・・。
下戸ゴローのブルース
「ランチあれど飲み屋は飲み屋だ」「下戸には落ち着かない」
・・・さっそく闘っていました。ガード下といえば飲み屋、いかにランチタイムといえど、周りに飲んでいる客がいる以上、下戸であるゴローちゃんには落ち着かない雰囲気のようです。それにしても毎度ながら原作の久住先生はこういう下戸の微妙な心理がどうして分かるんだろうと不思議に思います。「ふらっとQUSUMI」では毎回ベロベロにビール飲んでるほど飲兵衛のはずなのに・・・。
季節はまだ冬。雨も本降りになってきて傘も持っていないというところで、自然と行動範囲がアーケード街に限定されてきました。そこで過去の記憶をたどり、有楽町から新橋に行けばうまいナポリタンがあると思い出すゴローちゃん。そういえば「めしばな刑事タチバナ」の新刊でもナポリタンについて熱く語っていました。どうやら日本の中年男性はみんなナポリタン好きということで確定な模様です。
まさかのタだけ省略
「うん、ナポリン ナポリン」
ターゲットの新橋ナポリタンに向かって一直線のゴローちゃん。完全にルンルン気分ですね。でもゴローちゃん、ナポリタンは普通そういう略し方しないから!ナポリンだと別の商品になるから!!
完全にナポリタンハイ状態になったゴローちゃんがここでナポリタンで一句詠みます。
俳句を読むほどゴキゲン
「新橋へ ガード下ゆき ナポリタン」
・・・どうも平凡すぎたようなのでさらに一句ひねります。
マジで才能ない
「新橋や 傘の忘れし ナポリタン ハハこりゃダメだ才能なし」
ゴローちゃん・・・ほんっと才能ないな!
修羅の国か
そんなこんなで俳句を詠みながらアーケード街を歩いていると、お店のシャッター降りまくりの寂しすぎるアーケード・・・その名もインターナショナルアーケードにたどり着きます。全く無意識に歩いて、こんなサザンクロスシティみたいなところに迷いこむなんて、さすがゴローちゃん。持ってる男は違いますね。
焼かない韓国料理・・・いいね!
そこでやっていた数少ないお店、鉄板がない焼かない韓国料理のお店を発見!(実食レポはこちら)さっきまであれだけナポリンナポリン言って俳句まで詠んでいたのに完全に気が変わって韓国料理モードになっています。
それにしても「焼かない韓国料理」とは実にそそる響きですね。日本で韓国料理っていうとどうしても焼肉とか最近はサムギョプサルとかがメインでそれ以外はおまけっていうイメージがありますよね。インド料理だったらカレー、イタリア料理ならパスタかピザ、フランス料理だったらフレンチフルコース・・・そんな型にはまったメニューじゃつまらんのです。あえて焼肉なしでじっくり韓国家庭料理を食べられる店、いいじゃないですか!
さて、その韓国料理屋のメニュー。カルビうどんや冷麺などの麺物にビビンバ、チャーシュー丼などのご飯物ラインナップをセットで組み合わせる模様。予想通りゴローちゃん、悩みます。
TK世代か
「カルビうどん ウィズ ミニビビンバ」
で、でたー!セット物だとなんにでもウィズをつける人!「安室奈美恵 with スーパーモンキーズ」とか「H Jungle with t」とか・・・とにかく90年代的センスです。小室サウンド全盛期に生きたJ君にはよく分かります。
チャーシュー丼て韓国料理?
そして散々迷った挙句にゴローちゃんが勝負に出たメニューは10番の「韓国冷麺+ミニチャーシュー丼」しかしここで!店員さんの思わぬ返しが!!
だってメニューにあるし
「寒いのに冷麺・・・」「え・・・はい う・・・しくじったか」
熟考に熟考を重ねて繰り出した勝負の一手にあっさりツッコまれてガックシのゴローちゃん。
・・・でもですよ、ゴローちゃんをフォローするわけではないですけど、そもそも寒いのわかっていてメニューに冷麺セット2つも載せてるのはお店の方ですよ!選べるようにしておいてツッコむなんてどんな高度なオフサイドトラップだよ!!百戦錬磨のゴローちゃんでもさすがにそれは引っ掛かるというものです。ザックジャパンも冷麺トラップには要注意ですね!
前菜がいいんですよね
で、出てきた前菜がこういうの。まさに焼かない韓国料理の醍醐味ですね。
シャリシャリ感すごい
「庶民的韓国 こういう店は貴重です」
やはり、ゴローちゃんも韓国料理=焼肉の風潮にはやや辟易としていたのかもしれません。これからは韓国料理は家庭料理の時代。うおォン人間火力発電所だった時代のギラギラしたゴローちゃんとは違う一皮むけた大人の魅力を醸しだしていますね。
緻密すぎて写真のよう
そしてメインの冷麺ウィズチャーシュー丼が登場。相変わらず写真のように緻密な谷口ジロー先生の画が臨場感ありまくりです。一言でいうと、ウマそうすぎる。
冷麺はスープが主役だとか
スープが主役の絶妙なコシの冷麺を食べた後は・・・
他は温泉卵のせる式とか?
生卵かける式(他にどんな方式があるんだ)チャーシュー丼へ移行。この後のゴローちゃんの顔芸に注目!
この顔芸は反則だろ
「わおお」
目がやばいよゴローちゃん!美味すぎて顔の長さが変わるほどのチャーシュー丼をかっこんで、締めのセリフです!
肉を焼かなくてもいいんですよ
「どれも濃すぎず辛すぎず いや実にちょうどいい韓国スムニダ」
ゴローちゃんのにわかコリアンギャグきたー!前回の「麺と混ぜて・・・お召し上がり・・・とうだい・・・と」もなかなか波紋を残すクオリティのギャグでしたがこれもなかなか意味が分かりません。
そして最後の最後で今回3発目の俳句をねじ込んで来ました。
もういいって
「ナポリタン 新橋 遠くなりにけり」
ゴローちゃん、俳句の才能ないんだからもうやめたほうがいいよ・・・
というわけで有楽町のガード下から再起を誓う、井之頭五郎の魂の俳句をご覧いただきました。それにしても結局出てこなかった新橋のナポリタン、一体どんなナポリタンだったんでしょうか・・・ともあれ次回の孤独のグルメ新作も超楽しみですね!!
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出典)「孤独のグルメ」 扶桑社/久住昌之/谷口ジロー
Amazonで見る Kindle版 週刊SPA! 2014 年 06/10 号
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