「惑星をつぐ者」打ち切りマンガ界不朽の名作はどんな作品だったのか?

打ち切りマンガ界不朽の名作!「惑星をつぐ者」(ほしをつぐもの)とはどんな作品?

惑星と書いて「ほし」と読む!
こんにちはJ君です。いやー、暑いですね。僕らオールドエイジは子供の頃には気温が30度を超えると「日射病に気をつけろ!」なんて大人に言われたもんですよ。サンバイザーとかかぶったりして。でも冷静に考えるとあれ、頭頂部はそのまんま日光直撃だからあんまり意味ないよね。で、最近は「日射病」なんてほぼ死語で「熱中症」とか「熱射病」とか、もっとヤバめの言葉が普通に使われるようになりました。地震に豪雨にスーパー猛暑、一体日本はどうなっちゃうんでしょう。

ところで、熱射病で思い出したマンガがあります。地球人が異星人に奴隷のようこき使われて、水を与えられず干からびて死んでしまう、そんなシーンが出てくるマンガ。「惑星をつぐ者」という作品なのです。この作品、打ち切りマンガ界の超名作と呼ばれています。超名作なのに打ち切リマンガ・・・なんかとっても矛盾しているのが逆に気になりますね。はたして一体どんな作品だったのでしょうか。


「惑星(ほし)をつぐ者」は週刊少年ジャンプ誌上で1995年に連載された作品で作者は戸田尚伸先生。単行本1巻分としてちょうどエエ感じの9話でものの見事に打ち切られています。しかし、終了後に作品の評価が急上昇し、打ち切り界の名作伝説の打ち切りマンガジャンプ屈指の完成度を誇る打ち切りマンガ、などと呼ばれるようになります。そこまでいうなら、もっと連載中に高評価してやれよって気もするのですが・・・そこは名作のジレンマとでもいうのでしょうか。とにかくご紹介しましょう。

設定は近未来、我々の済む銀河系とは別の銀河の物語。宇宙には様々な異星人が存在し、それぞれの存亡を賭けて宇宙に進出しており、人類種もその一種だった。しかし、他の異星人に比べて肉体の弱い人類はこの宇宙で滅亡しつつあった・・・。みたいな話です。

うーん地味だぜ

つまるところSF作品ですね。SFと言ってもスーパーファミコンじゃなくって、サイエンスフィクションの方のSFです。とても懐古感あふれるこの響き。1995年の時点でも既にかなり渋いコンセプトだったんじゃないでしょうか。当時の週刊少年ジャンプ掲載作品としてはかなりチャレンジングな存在だったことは間違いありません。

人類ピンチな話

灼熱の星、ダウロスでは人類の100分の一の量の水で活動でき、熱や紫外線にも強いバルカル族が支配をしていました。水やボディスーツなしでは活動できない人類は、奴隷のように働かされ、バルカル族に歯向かえば水を取り上げられあっという間に干からびてしまうのでした。

主人公の初登場シーン

そんな星で行き倒れになっていた謎の男。他の人類同様、熱射病で死ぬ寸前になっていましたが、親切な男・マットに助けられ、息を吹き返します。

いわゆるおたずね者です

この死にかけていた男こそが、主人公のバラダット・ナイブス、実は他の人類が持たない改造された肉体と特殊能力により、一つの星を滅ぼすほどの攻撃力をもつ、おたずね者の賞金首だったのです。

魔改造済

こんな感じで銃で撃っても、謎のパワーで銃弾が真っ二つ。体に傷一つつかないのです。

スタンド持ちです

ナイブスの武器は、あらゆるものを真っ二つにすることができる自在剣(スパイラルナイフ)という能力です。ジョジョで言うところのスタンドみたいなもんですね。

ジャンプ漫画の主人公は強くないとね

こんな感じで、水によって人類を支配していた悪い宇宙人、バルカル族を一瞬でやっつけてしまいます。スタンドでもあり南斗聖拳のようでもあります。とにかく強すぎます。

そこはかとなくジョジョっぽい

こうしてみるといろんなところにジョジョっぽさがあるのですが、果たして影響を受けているかどうかは分かりません。

ジョジョで言うところのDIO的ポジションの人

で、この作品のラスボスが「J(ジェイ)」と呼ばれるこの男。ナイブスに特殊能力を与えた人物であると同時に、賞金首にしてしまった張本人でもあります。人類をパワーアップさせるための魔改造を施すマッドサイエンティストなのですが、ほとんどの人類は・・・

グロい

こんな感じで、凶暴化してなんかキモい化物になってしまうのです。「J(ジェイ)」による唯一の成功例がナイブスなのですが、その他の人類は皆、化物になってしまったため、ナイブスが化け物達を倒さざるをえませんでした。そして、いつの間にか星を滅ぼした賞金首にされてしまったというわけです。

・・・ていう、地味だけどなかなか作り込まれた凝ったストーリーになっておりまして、この辺が名作とよばれる所以なのでしょう。

ラスボスもバケモノ級の強さ

最終的にはこのディオ・・・じゃなかったジェイが自らにも魔改造を施して、ラストバトルをすることになります。

YOSHIKIっぽくない?そうでもない?

その他に、いかにもキーパーソン面で登場して、ナイブスのことを助けてくれる宇宙海賊・スピッドロウというキャラも途中ででてきます。ただ、打ち切りの影響か、あんまり活躍しませんでしたが、ちょっとYOSHIKI様っぽいところがおもしろポイントです。

ラストシーンも地味目に・・・

というわけで、打ち切り界の名作と呼ばれる「惑星をつぐ者」をご紹介してみました。このレビューでは正直どこが名作なのか全然伝わってないと思いますが、まあ読んでみれば分かると思います。ジャンプ系バトルマンガのわりに、地味でマジメな雰囲気の作品なのでツッコミどころが少ないのですが、強いていえばJ君が、めっちゃ苦労して探してプレミア価格3000円の単行本を入手したのに、その後にシレっと電子書籍化されて486円のお手軽価格で読めるようになっているところでしょうか。廃盤になっていた名作がお手頃価格で読める。いやー、いい時代になったもんだ。

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出典)「惑星をつぐ者」  戸田尚伸 / 集英社 / ビーグリー

惑星をつぐ者

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