「かんかん橋をわたって」選ばれし最強の10組の嫁と姑!壮大なスケールで描かれる嫁姑バトルマンガ

選ばれし最強の10組の嫁と姑!壮大なスケールで描かれる嫁姑バトルマンガ「かんかん橋を渡って」

「嫁とは虐めぬいて鍛えるものです。ククク・・・」
全国の嫁もしくは姑、またはそれ以外の皆様こんにちは。女同士の闘いをテーマにした作品は世の中にいろいろありますが、やはり代表格は嫁姑の闘いではないでしょうか。そう、嫁と姑は古より伝えられし絶対的な対立関係。天使と悪魔、水と油、船越と松居などと同レベルで、決して分かりあうことがなく、争う宿命にあるのです。

今回は、幾多ある嫁姑マンガの中でも、超異色の作品「かんかん橋をわたって」をご紹介したいと思います。何が異色かって、嫁姑マンガとしてはスケールが壮大すぎるのです。規模感的には聖闘士星矢や北斗の拳に匹敵するといっても過言ではない、そんな作品です。


ではこの「かんかん橋をわたって」のヤバすぎるポイントをご紹介してまいりましょう。

■単行本の表紙がやばい

まあ、普通の表紙

第1巻の表紙はこんな感じ。本作の主人公・渋沢萌とそのバックに見えるのが「かんかん橋」です。一見すると実に爽やかな雰囲気で、これだけだと嫁姑マンガであることすらわかりません。これが9巻になると・・・

変わりすぎ

なんか干からびちゃってます。もちろん表紙を飾っているのは主人公・渋沢萌です。彼女の身に一体何があったのか。そして、最終巻では・・・

意味が分からなすぎて怖い

こんな感じになっておりまして、もはや一体何がなんだか・・・右は主人公として、左半分のグレイタイプみたいなのはなんなんでしょうか?というのはこれからご説明していきます。

■スケールが壮大でヤバイ

魏・呉・蜀 的な

「かんかん橋をわたって」の舞台は、川東(かわっと)・川南(かわなみ)・山背(やませ)という3つの地域に分かれており、主人公・渋沢萌は川南で育ち、結婚して川東の家に嫁いだのです。ストーリーの中で、随所にこの川東・川南・山背という3つの土地が織りなす因縁みたいなものが描かれていきます。

まあ、嫁姑版の三国志みたいもんですね(言い過ぎ)。

■主人公の姑の陰湿さがヤバイ

いい義母さんに見えるが・・・

萌が嫁いだ川東の家で、萌と対立する宿敵が姑の不二子です。
この通り、一見すると優しくて上品そうな義母です。実際、結婚して約二年間、何不自由なく生活していたはずだったのですが、次第にその本性を表し始めます。

ご飯も炊けないダメな嫁!

渋沢家に嫁いでからずっと、炊飯器でご飯を上手く炊くことができなかった萌。毎回パサパサに炊き上げてしまい、小姑にもチクリと言われる毎日でしたが、川南育ちだから川東の水に慣れてないのかしら?みたいな曖昧な理由で自分を納得させていました。しかしある日、萌は見てしまったのです・・・

こんなイジメある?

義母・不二子が、夜な夜な炊飯器の中の水をタオルで吸い取っていたことを!!
そう、義母は萌の味方をするふりをして、実は裏で回りから料理下手な妻に見られるよう陥れていたのです。なんという地味かつ陰湿なイジメ!レベル高けえ!!

だんだん顔が・・・

そして、その後明らかになった事実も衝撃でした。実は義母・不二子は地元で「川東いちのおこんじょう(意地悪)」というあだ名がついている筋金入りの意地悪女だったのです。

ば、化物!

不二子はそれ以降もありとあらゆる嫌がらせを萌に仕掛けます。こんなのとひとつ屋根の下で闘わなければならないなんて・・・なんという生地獄!!

■嫁姑ランキングがすごい

誰が付けてるのかは不明

本作品のウリというか、画期的なシステムとなっているのが「嫁姑番付」の存在です。いわゆる嫁いびりランキングで、川東内の嫁姑の関係性がヤバイ順にランキングされているのです。そのランキングで萌はなんと4位!全然嬉しくないランキングですね。

上位ランカー達

第3位の美津井麗子は、寝たきりの義父の介護を誰にも手伝ってもらえず1人でやっています。しかも姑は奇行癖があり、近所の鉄塔によじ登り、美津井さんのお気に入りの服を括り付けてしまうため、美津井さんの着られる服がどんどん無くなっていくという・・・イジメの内容が異次元過ぎます。さすが3位!

なんだこれ・・・

第5位の権藤木(ごんどぎ)さやかは、川東の嫁達のデータベース的存在。常に街で情報収集をしており、嫁姑番付のランキングも彼女に聞けば即答できるほどの事情通なのですが、彼女もかなり悲惨です。姑によって、部屋や寝床を廊下の隅に追いやられ、日々の生活を廊下で送っています。夫はおろか、二人の子供とも引き離され、ほとんど会話することもできません。そしてマザコンの旦那は、嫁をフォローすることはなく、完全放置という・・・。

嫁なのに廊下に住んでます

第7位の那村鮎は、姑が通称「山背のまむし」といわれる恐ろしい老婆で、街の人達とトラブルを起こしまくり。そのフォローに鮎が奔走するという境遇です。
ちょっとでも白い歯を見せると姑に今私を見て笑っただろう、などと因縁をつけられるため常にマスクを付けているのです。そんな理由でマスク付ける人っている?

とにかく厄介な婆

そんな中、萌も不二子と闘う中でメンタルが鍛えられていき、次第に苦しんでいる川東の嫁達を取りまとめるリーダ的存在となり、団結して姑に対抗する力を持つようになります。そしてまだ見ぬランキング上位の嫁達と出会うべく嫁探しの旅に出るのです。なんかドラクエみたいですね。

■嫁の逆襲がすごい

悲惨嫁の相談役に

姑にいじめられている嫁たちを集めては、姑対策をコンサルティングする萌。その手法をいくつかご紹介しましょう。自分の作った料理に一切口をつけず、三角コーナーに捨ててしまう姑への対策案として考え出されたのが「リサイクル料理」

高度な心理戦

ハンバーグを三角コーナーに捨てられたら、翌日の夕食はミートソース。ポテトサラダを捨てられたら、翌日の夕食はポテトコロッケかポテトスープ。アサリの酒蒸しを捨てられたら、翌日の夕食は深川丼・・・これを繰り返していくうちに、相手は夕食に残飯を出されているのではないか?と錯覚するようになり、夕食を三角コーナーに捨てなくなるのです。ものすごい高度な心理戦ですよね。

すごくネガティブな解決案

逆転の発想で、嫁と姑が仲直りするためにダンナを共通の敵にするというのも実に効果的です。敵にされた方はたまったもんじゃありませんけど。

メンタル強くなってる

萌は萌で、収納されていた冬服に湿気をあてられカビだらけにさせられる嫌がらせを不二子に受けていたのですが、対抗して、不二子のタンスの防虫剤を抜き取り、虫食いだらけにするという手法で対抗。まさに泥沼の対決!

■ラスボスが超すごい

ぱっと見は上品で優しそうだが・・・

萌をリーダーとする嫁連合が着実に力をつけていく中、ついにランキング第一位の姑が登場します。町の人々に「ご新造さま」と呼ばれ、川東で絶対的権力をもつ最強の姑、それが市毛財閥の女当主、市毛トキ子!

川東の町はご新造様率いる市毛家の絶大な財力によって発展を遂げており、誰も逆らえないのです。

怒ると額にヒビが・・・

パッと見は優しく上品そうなトキ子ですが、一度彼女の逆鱗に触れると、恐ろしいことが起こります。例えばトキ子に逆らった一族は、翌日ブルドーザーなどの重機を派遣され、お屋敷取り潰し、一家離散となってしまいました。

命名センスがヤバイ

さらに、トキ子は川東の町で生まれる男の子全員の名付け親になろうとしており、子供を身ごもった家の子に勝手に命名し、数々の子育てグッズを送りつけます。しかもその命名のセンスが絶望的にヤバく、馬五郎とか牛ノ助とか熊彦とか兎々吉など全部動物にちなんだものなのです。

難産祈願なんてはじめて見た・・・

妊娠した萌は、このトキ子の命名に逆らったため、徹底的な嫌がらせを受けることになります。町の薬局では粉ミルクや育児グッズを一切売ってもらえなくなり、更にはトキ子から直接「難産祈願」のお守りが送りつけられ・・・。やっと子供を産んだと思ったら、その産婦人科にもトキ子の息がかかっており、生まれたての赤ん坊をトキ子によって連れ去られてしまったのです。

廃人寸前の萌

それでこうなっちゃったわけです・・・
その後、立ち直った萌は、嫁連合と共に市毛家のお屋敷に乗り込んで壮絶なバトルを繰り広げるわけですが、そこでトキ子の本当の姿があらわに・・・

お面か!!

ギャー!!

■話はそんなに単純じゃない


全ては計画通り

ラスボスがご新造様(トキ子)で、スケールが壮大なのはわかった、でも当初の萌と不二子のバトルはどうなのよ?と思うかもしれませんが、不二子は常にこの作品におけるキーパーソンです。実は、不二子はトキ子と古くからの因縁があり、いつかトキ子をぶっ潰してやりたいと思っていたのです。そのため、萌をトキ子に対抗できるほどのメンタルに鍛え上げるためイジメ続けてたというわけなのです。そう、全ては川東いちのおこんじょうと呼ばれる姑・不二子の描いたシナリオ通りだったというわけです・・・。

所詮手のひらを上・・・

というわけで、内容が濃すぎて全然紹介しきれてないのですが、昼ドラをも遥かに超える壮大なスケールの嫁姑マンガ「かんかん橋をわたって」をご紹介してみました。普通の嫁姑マンガじゃ物足りない!大河ドラマ並の超ド級の嫁姑マンガを読んでみたい!!というあなたにはまさしくピッタリの作品です。そんな奇特な人がいるのか分かりませんが・・・。

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出典)
「かんかん橋をわたって」 草野誼/ぶんか社

Kindle Unlimitedでも読めます

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