実写版ドカベン レビュー

もっと頑張った方がいいドカベン


日本の夏・・・実写版の夏。

そんなわけで最近すっかり実写版づいているJ君ですこんにちは。

「ドカベン」・・・皆様もご存じの日本を代表する野球マンガですね。今回は「実写版ドカベン」をご紹介したいと思います。実写版ドカベンは1977年に上映された映画作品なのですが、若干の設定の違いはあるものの、ほぼ連載初期のドカベンに忠実なストーリーとなっています。

ドカベソではありません


今や「プロ野球編」が始まり、さらにはドカベンの有名キャラだけを集めて新球団を設立するという、今の球界再編問題を予見したかのような「スーパースターズ編」までに進化を遂げているドカベン。その原点となる由緒正しき初期ストーリーを再現したこの「実写版」。いわゆるファーストガンダムならぬファーストドカベンというやつです。生粋のドカベンファンならば、本作品は襟を正し、正座して、明訓高校のユニフォームを着ながら閲覧するのが正しい姿勢といえましょう。

早速ご紹介していきましょう。オープニングは書店のシーン。なにやらいきなり悪い予感がします。

やる気のないオープニング

「大人気のドカベンですね?」

いきなりコミックスの宣伝からスタートです、映画版としてのアイデンティティを崩壊させる豪快な出だし。監督、やる気あるんでしょうか・・・。そして、その横を高下駄で駆け抜ける一人の青年が・・・・周りの子供達が口々に叫びます。

この小太りが・・・まさか

「あー!ドカベンだ!」

「ドカベンがんばれよー!」

そう・・・今、まさに実写版ドカベンが登場です。

ただの小太り

あれ?普通の小太りですけど?

J君が軽いショックと混乱を招いている間にすさかずオープニングテーマが流れます。

♪気はやさしーくて、ちーからもち

♪がんばれがんばれドカベン、やーまだたーろうー

オーラがありません

ホントね、全然頑張りが足りないよ、ドカベン。頑張れ頑張れ、もっと頑張れよ!主役としてのオーラが全く出てないよ!

こっちのドカベンは別の意味でオーラが出てるのに!(負のオーラ)

・・・そんなわけで、誰も知らない一般の小太りの人がこの実写版ドカベンなわけですが、いつまでもショックを受けていてもはじまりません。人間、諦めが肝心です

さてところ変わって、舞台となる明訓高校のシーンです。ここではもう一人のドカベンの有名キャラクター岩鬼が登場します。原作のイメージ通り、学校内で他の生徒相手に理不尽に大暴れの岩鬼。

完璧です

うん、似てる!

というか、学生服で木の枝をくわえていれば大抵の人が似るような気がしますが。それにしてもなかなかの完成度です。これだけ完璧なコスプレでも、有明方面ではきっと不人気なんでしょうけど。

そして有名な「ドカベン」のワンシーン。転校生でとして入学してきた、ドカベン山田太郎と岩鬼の対面シーンです。早弁する岩鬼。その弁当の中身は・・・・うわあ。

魚がすごすぎ

鯛が丸々一匹おかしらつき。一歩間違えるととてつもなく生臭そうな弁当ではありますが、それにしてもゴージャス。

枝はくわえたままです

くわえた枝をものともせずに弁当を消費する岩鬼。フードファイターもビックリのスーパーテクニックです。

対するドカベン、山田太郎の方は・・・

白すぎる・・・

サンマに巨大なたくわんが埋まっているだけの質素な弁当。しかしここからドカベン伝説が始まるのです。まずは一般の生徒との弁当の比較。お分かりでしょうか?もはや比べるべくもありませんね。もはや弁当の域を超え別次元の何かになっています。

次に岩鬼との弁当の比較。巨大な岩鬼の弁当をさらに一回り以上上回るドカベン。コレをあの質素なおかずで食べようと言うのですから、恐るべき米消費量と言えましょう。まあ、当サイトは別に弁当レビューサイトではないのでどうでもいいんですけど。

その他のドカベン重要キャラとして、殿馬がいます。殿馬をやっているのはなんと、名脇役、故・川谷拓三氏です。

殿馬らしく、足でピアノを弾いたり

白鳥の湖風に空を飛び回ったりと大活躍しますが、

おっさんやん・・

いかんせん、全く高校生には見えません

さて、弱小の柔道部を救けるために柔道部に入部することになったドカベンと岩鬼、県大会をめざして練習する岩鬼に問題が発生しました。県大会の強豪、花園高校の柔道部主将、影丸に挑発された岩鬼は、公園での柔道対決を要求。影丸に必殺「バックドロップ」をくらいKOされてしまいます。

・・いやいやいやいや、バックドロップってプロレス技なんですけど。

そして、ついに県大会で花園高校と対決する明訓高校柔道部。熱い柔道対決シーンです。ドカベンはドカベンで、柔道なのに相手をロード・ウォリアーズのようにリフトアップしたり、相変わらず柔道とプロレスの境界線があいまいです。

柔道ではありません

そして、極めつけは影丸と岩鬼の因縁の再対決です。再び岩鬼にバックドロップを仕掛けようとする影丸に対し、研究に研究を重ねた岩鬼はなんと、「バックドロップ返し」で逆転勝利。その衝撃のバックドロップ返しのシーンをご覧下さい。

キン肉マンみたい

なんか超人オリンピックみたいになってますね。へのつっぱりはいらんですよ。

そんなこんなで柔道編が終了。ドカベンはついに念願の野球部に参加。岩鬼や殿馬もドカベンの後を追うように野球部に入部します。そこに登場した明訓高校野球部監督はなんと・・・・水島新司御大その人でした。

酔拳?

「おらー、いぐぞ!」

いきなり酔いどれモードで酒をあおりながら千本ノックをはじめる水島先生。甲子園一直線かと思いきや、一気に雰囲気が社会人草野球のようになってしまいました。

こんな監督嫌です

そして、ドカベンが水島先生の千本ノックを受け、ついに野球編が本格的に始まるのかと思った、その時!

「かくして明訓高校野球部は高校球児達の夢、甲子園球場目指して、突撃を開始したのである」

ドカベン 完

ぶった切りのオチ

・・・そこで終わりかよ!

日本で唯一の実写版ドカベンは、なんと本格的柔道映画だったのでした。(本日のトリビア)

・・というわけで肝心の野球編に突入する前にストーリーがぶった切られるという超画期的かつ、ドカベンファンを唖然とさせること請け合いの実写版ドカベン。いかがだったでしょうか?J君にとっては愉快極まりないコメディ映画でした。なかなかオススメです。

それにしても現在、ドカベンの中の人はどこで何をやっているのでしょうか、だれかJ君に教えてください。

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参考) レビュー →    

出典)「ドカベン」 東映/水島新司/秋田書店

参考リンク) 実写版いろいろ

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