北斗の拳みたいだけど北斗の拳じゃない!禁断の「北斗の拳 激似マンガ」の世界

北斗の拳みたいだけど北斗の拳じゃない!禁断の「北斗の拳 激似マンガ」の世界

原哲夫先生、武論尊先生、ゴメンナサイ。超ゴメンナサイ。
こんにちはJ君です!4/24に発売した新刊「このマンガ 恐るべし…!!」ですが、Twitterをかぶりつきで見ていると、たまに買ってくれてる人がいらっしゃるので嬉しい限りです。少なくとも5冊は売れている!ありがとうございます!さて、本日語りたいテーマはとある事情により「このマンガ 恐るべし…!!」で紹介できなかった内容になります。そのテーマとはズバリ「北斗の拳マンガ」です。

皆さん、「北斗の拳」は当然ご存知ですよね?では「北斗の拳マンガ」はご存じでしょうか?え、北斗の拳がマンガなのは当たり前だろうって?いえいえ、そうではありません。「北斗の拳マンガ」は北斗の拳にあらず!「北斗の拳」をどこかしらパクって…もとい影響を受けているマンガ全般のことであり、「北斗の拳」とは何ら関係がないのです!(ひでえ)


「北斗の拳マンガ」について言葉で語っても中々イメージが湧かないと思います。男と男が拳で語ってはじめて分かり合えるように、北斗の拳マンガも実際の作品で語らなければ分かり合えないことでしょう。というわけで早速ですが、代表的な北斗の拳マンガをご紹介してまいりましょう。

■THE BOMBER(ボンバー)


わざわざ書きおろしです

北斗の拳マンガといえばこの作品を取り上げなくてははじまりません。通称「エロ劇画版北斗の拳」と呼ばれている作品です。あくまでベースはエロ劇画でありながら、無理やり北斗の拳の要素を入れるとこうなる!という北斗の拳マンガの教科書のような作品です。(悪い意味で)


カミングカミング


滾ってきた!

主人公はケンシロウならぬ「ジンロウ」。闘いで消耗した体は女とエッチをすれば回復!しかもエッチすればするほど強くなるという特異体質です。さすがエロ劇画。設定が無理やりです。


おなじみの肩パット付き革ジャン

バーン!はい、ひと目でわかる北斗の拳スタイル。ケンシロウ的要素をまったく隠そうともしていないところが清々しいですね。

闘い方も北斗の拳に酷似しています。たとえば、北斗の拳に出てきたデブ巨漢悪党のハート様を黒人風にアレンジしたような敵が出てきます。


ハート様のアレンジ版

秘孔みたいなものを突くとこのように


たひけてー

風船みたいに膨らんで破裂してしまいます。北斗の拳と違うところは、膨らみ方がキュートなところですかね。(全然キュートじゃないか)

さて、北斗の拳マンガのラスボスといえばラオウみたいな奴を期待している人も多いと思いますが、実際はこんなヤツでした。


微妙なラスボス

ちょっとイメージが違いましたね。普通にキモメンです。しかしこの男の持つ必殺技はラオウのそれに匹敵するといって過言ではありません。


もちろん処女限定


なんだよこの技

このように…処女の生気を吸い取ってババアにしてしまうという恐るべき技を持っています。妖怪か!キモメンでさらに必殺技もキモいという。さすが、生粋のエロ劇画です。

ちなみにこのキモいラスボスの名前ですが…


ラドウは苗字でした

ラドウ(羅堂)といいます!名前だけはちゃんとラオウ意識してました。中途半端!!

■カラテ黙示録

「フルコン空手版北斗の拳」といえばこの「カラテ黙示録」です。こちらもいろんな意味で北斗の拳マンガを代表する作品です。まず単行本一巻の表紙がこれ。


硬派な空手マンガです

どう見ても熱血空手マンガって感じで、タイトルに嘘偽りないですね。ではここで、単行本三巻の裏表紙を見てみましょう。


もはやケンシロウそのもの

あれっ?…どうみてもケ●シロウです。
どちらも同じ主人公なのですがこの変貌ぶり。果たして彼に一体何があったのか…。


ヤンチャな兄ちゃんが主人公

「カラテ黙示録」の主人公は鬼門大介。兄の鬼門京太郎は日本を代表する空手の達人ですが、弟の大介は不良少年です。高校の番長との決闘で左目を潰し、少年院に入れられてしまった大介。


ここまで北斗の拳的要素なし

少年院でもガンの飛ばし合い、ケンカ三昧の日々を送ります。ここまで、ストーリー的にも画的にも北斗の拳と無関係のマンガであることはお分かりいただけると思います。


アーサー・ソロモン

しかし、大介の兄、京太郎が空手の世界大会決勝で、アメリカの空手チャンピオン、アーサー・ソロモンに卑怯な手を使われて破れ、非業の死を遂げてしまったため、大介は空手の道に進み、アーサー・ソロモンに復讐を誓うのです。


なんか主人公の画が変わってきた…

打倒アーサー・ソロモンを誓って空手を極める大介、空手のレベルアップにともなってルックスがどんどんケンシロウ化していきます。

さて、この作品のラスボスであり、主人公の兄を殺した敵である男、アーサー・ソロモンですが、作品の最後の方ではこのように…


ラオウとケンシロウ(ではありません)

どう見てもラオウですね。もちろん主人公も完全にケンシロウ化してます。つまりこの時点ですでに別のマンガとなっています。もしかして作者も別人に入れ替わってるのかと思うほどです。

やはり当時、北斗の拳が大ヒットしたために、大人の事情により北斗の拳の要素を取り入れざるを得なかったのでしょうか。それにしても主人公もラスボスも変貌ぶりが酷いです。

あと、このマンガ、ありえないほど敵(外人)の巨大化が著しいです。こういう部分も北斗の拳の影響を受けてるのでしょうか。このぐらい違います。


6メートルぐらいあるだろ…

デカっ!
かぼちゃワインもビックリの体格差!いくら空手を極めると体格差は関係なくなると言ってもこの体格差はないだろ…


もはや空手じゃない

闘ってるシーンとかこんなですよ。もはや格闘技のマンガというよりファンタジーです。進撃の巨人とか七つの大罪とかそっち系。


セリフ読みづらすぎ

このカラテ黙示録は後半の登場キャラが外人ばっかりで、セリフがカタカナだらけで異様に読みづらかったり、主人公がケンシロウ化したと思ったら、最後は額に星のマークが浮き出てきてさらに別人になったりと、ツッコミどころが豊富すぎます。

■スターロード


画は似てないけど…

通称「田舎の北斗の拳」がこのスターロードです。といってもこの作品は、北斗の拳マンガの中でもかなりマイナーで知ってる人はほとんどいないでしょう。このスターロードの特徴は、画自体はそんなに北斗の拳に似てないのですが、各要素で北斗の拳の影響を受けまくり。しかも、世紀末な設定でありながらそこはかとなく漂うほのぼの感というか、田舎臭さがたまりません。


オッス、オラ…

ドラゴンボールの悟空みたいなセリフまわしとカイジみたいな顎を備えたこの男がこのマンガの主人公です。主人公が必殺技を使うと悪党がこんな風に…


あべし的な


ひでぶ的な

北斗の拳の1.5割増ぐらいのキモさでやられます。主人公の道中をお伴する親友キャラもいまして、それが南斗水鳥拳のレイっぽい技の使い手です。


雑な感じがまたオツです

そして、期待のラスボス。つまりラオウ的な立ち位置のキャラですけども、北斗の拳マンガのはしくれですのでもちろん出てきます。ただね…


ヒゲ剃れよ

なんていうか、田舎臭いんですよね。まあ、そこがこのマンガの味なんですけど。


性格良さそうなラスボス

この縮尺が無茶苦茶な感じもちゃんとラオウしてますよね!でもなんか憎めない感じなんですよ。


ラスボスっぽいシーン

でもそこはラスボス。主人公との闘いなんか北斗の拳そのものじゃないですか!なんかありえないところからパンチが飛び出してますけど、この手のマンガでそこを突っ込んでもしょうがないですよね!


西郷さんか

結局、主人公にやられちゃったラスボス。なんと九州弁ですよ!眉毛もこち亀の両さんみたいに繋がってるし、ほのぼのすぎる!この洗練されてなさ、たまらんバイ

とまあ、J君の持ってる主要な北斗の拳マンガをご紹介してみたのですが、実は当サイトでは過去にも北斗の拳リスペクト的なアレをご紹介しています。いい機会なのでついでにここで紹介しておきましょう。

■ファミコマンドー竜


知る人ぞ知るファミ漫

ファミ漫界の北斗の拳といえば、この作品「ファミコマンドー竜」です。


ひと目で分かるあの姿

もちろん主人公は例の紐…じゃなかった例の革ジャンを着込んでいます。そして一子相伝(?)の必殺技はこちら。


爆裂ファミコン!

敵に向かってファミコン本体をブン投げるという荒技です。ファミコンマンガなのにファミコン愛を全く感じないこの必殺技、さすが世紀末ファミコン伝説!

「ファミコマンドー竜」は過去に当サイトでレビューしているので詳しくはこちらでご覧ください。

■ファックアイ


これはひどい表紙

こちらも当サイトで以前紹介済みの作品です。三人の美女泥棒姉妹が夜な夜な少年の童貞を奪いに現れるという、キャッツアイとは似ているようで全く似ていない設定のマンガですが、そのライバルキャラとして登場したのがこの男…


洗濯屋ケンちゃん的な

北斗のケンちゃんです。股間のあたりからなんか変なものが出てますが気にしない方向でお願いします。(気になるか)

過去の「ファックアイ」のレビューはこちらからご覧ください。

というわけで北斗の拳をリスペクトしたりオマージュしたりパクったりしている北斗の拳マンガの世界をご紹介しました。ちなみに最初に紹介した「THE BOMBER」は希少本すぎて、J君が5年ぐらい探し続けても手に入らず、諦めていたのですが、B級マンガレビュー界の大先輩、DATゾイドさんが「2冊持ってるからあげる」といってくれたのでレビューにこぎつけることができました。こっちが5年も探し続けて見つけられなかった「THE BOMBER」を2冊も所有してるとか…この人どんだけズブズブのB級マンガコレクターなんだよと思いました。

そんなDATゾイドさんもゲストに来てくれる「このマンガ 恐るべし・・・!!」出版記念のマンガトークイベント6/7(日)17:00から代々木上原のイベントスペースでやりますので、変なマンガを目の当たりにしたい方は是非とも来てくださいねー!!(詳細はこちら

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出典)
THE BOMBER 狩谷ゆきひで/東京三世社
カラテ黙示録 鷹匠政彦/落合あたる/徳間書店
スターロード まつい智/講談社
ファミコマンドー竜 安田タツ夫/ダイナミックプロ/大陸書房/太田出版
ファックアイ 沢木あかね/ぶんか社

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