史上最凶の実写版 台湾版北斗の拳 part1
こんばんは、ゲド戦記レビューのお時間です。
・・・まあウソなんですけど。今回は台湾実写版の北斗の拳をご紹介しようと思うのです。以前当サイトでは、ハリウッド版、韓国版などの実写版北斗の拳を取り上げてまいりましたが、この台湾実写版だけはレビューすることについて躊躇していたため今までご紹介できずにおりました。
なにゆえにそれほどにレビューをためらっていたのか?・・・それは、ズバリこの台湾実写版北斗の拳がもはや北斗の拳と呼ぶにはあまりにかけ離れたブツに仕上がっているためなのであります。あまりにもオリジナルなストーリー、そして自由すぎる設定・・・もうこれは「ゲド戦記実写版です」とかいってもバレないんじゃないか?(バレます)それほどに酷い北斗の拳がこの台湾実写版です。韓国版をはるかに凌ぐ史上最凶の北斗の拳をとくと御覧くださいませ。
北斗之拳です
台湾実写版北斗の拳のタイトルはズバリ「北斗之拳」。もう言い訳できないほどにそのまんまのタイトルです。タイトルのロゴも何かいい感じにパクってますよね。これだけ見ればまさか中身がアレだとは夢にも思わないはずです。
今究極のバトルが・・・
さて、オープニングのシーンはいきなり荒野での闘いのシーンから始まります。一人はもちろん
ケンシロ・・・ウ?
我らがケンシロウ・・・って。この主人公のまあなんて貧相な事。完全に現地の兄ちゃんですよね。服もユ○クロとかで売っている感じです。でもまあそれはいいです。問題はその対戦相手。
白いタキシードの人
こいつね。
タキシードを着た大木凡人みたいな人。何を隠そう、この人がこの台湾実写版北斗の拳に出てくる悪の頭領。名前は不明ですが南斗の将です。ヒロイン、ユリアに惚れるシーンがあるのでシンかと思いきや、南斗鳳凰拳などサウザーっぽい拳を使うシーンもあります。とにかくいろいろ混ざった南斗最強の男なのですが、だからといって白いタキシードを着ている理由はサッパリ分かりません。
ビーム発射!
しばらく拳での二人の闘いが続いた後、いきなり天空に向かってレーザービームみたいなのを放つ南斗の男。そのレーザービームの威力で崖から突き落とされるケンシロウ。いきなり北斗の拳の設定を大幅に逸脱しています。もしかしたらこの映画、実はドラゴンボールなのかもしれません。
中華風神様登場
南斗の男の必殺ビームにより闘いに敗れたケンシロウは、崖下に落ちてかろうじて一命を取り留めました。そして、なぜか夢の中で呼びかける神様みたいな人が登場。たぶん「お前に北斗神拳を授けよう」みたいなことを言ってるっぽいです。
かろうじて生きてました
ケンシロウが目を覚ますと、そこにはなぜか・・・自由の女神が。
なぜ自由の女神?
欧米か!
・・・いやあるいはお台場なのかもしれませんけどとにかく、目の前に自由の女神がありました。そして自由の女神から不思議なパワーを貰い、北斗神拳を身につけるケンシロウ。
北斗神拳ゲット中・・・
体にはなぜか七つの傷が現れ、天空には北斗七星がキラーン。
申し訳程度に北斗七星
・・・ええと。どうやらはじめっから原作は完全にシカトする方向のようですね。全く、何からなにまでオリジナルストーリーです。
場面変わってその頃、世の中は南斗の軍団によって地獄さながらの様相でした。大人達は虐殺され、子供達は南斗のゲリラ隊により次々と奴隷同然に拉致されていきます。いわゆる「ペド戦記」です。そんな中、南斗に必死の抵抗を見せる少女がいました。その少女こそ北斗の拳のキーパーソン、リンです。
リン・・・濃いなあ
はい残念。萌えません。
ちょっとお顔がエキゾチックすぎる感じでアレなのですが紛れもなくリンです。正確にいうと、作品中では中華風に玲玲(リンリン)と呼ばれていますけど。それはともかく、南斗に襲われそうになるリンを復活したてのケンシロウが助けます。
原作にもあったシーン
そしてケンシロウがしゃべれないリンをツボを押してしゃべれるようにする原作でも有名なシーン。
すごい顔です
放送コードギリギリの表情です。
ところで、もう一人の少年キャラ、バットの方ですがもちろん本作品にも出てきます。本作品ではバットは、金持ちの家にピンポンダッシュを仕掛けるようなワンパク少年でした。
なぜかメガネ君が一緒
・・・っていうか、何この普通の住宅街。ちっとも世紀末っぽくないんですけど。あと、なぜか一緒にいるガリ勉君みたいな子も世紀末の世を生き抜けるか大変心配な感じです。
バットがお金持ちの家のインターホンを連打していると、その家のお嬢様に見つかってしまいました。そのお嬢様こそ「北斗の拳」永遠のヒロイン、ユリアでした。
普通のユリア
はい微妙。
永遠のヒロインっていうか、完全に一般女子ですね。住宅街でピンポンダッシュする悪ガキに、お金持ちの家のお嬢様・・・。もしかしたらこの映画、実はサザエさんなのかもしれません。
青い衣装は北斗の証です
その後、バットと悪ガキ一味達が元気にテコンドーの練習に励んでいる途中、南斗の軍団に襲われます。そこをケンシロウに助けられることでケンシロウとバットが出会うのですが、北斗神拳を身につけたケンシロウは衣装がパワーアップしていました。もしかしてコスパで買ったんでしょうか?しかもやけに青いです。
後ろに気になる物体が
倒したはずのケンシロウが北斗神拳を身につけて復活したと聞き、南斗のボスは怒り爆発。ケンシロウを倒すために刺客を呼び寄せます。
とにかく後ろが気になります
・・・それはいいんですが、後ろに置いてある癒し系のぬいぐるみは何なんでしょうか?むしろそっちが気になります。偶然だと思いますがちょっとダディクールにも似ていますね。
分かり易すぎな偽物
その南斗のボスが放った刺客は、なんと偽ケンシロウでした。原作でいうとジャギみたいな位置づけでしょうか?実際のところは、ケンシロウのコスプレに強盗みたいなマスクをかぶっただけのハゲオヤジです。
北斗七星点
ケンシロウと偽ケンシロウのバトルでは遂に北斗神拳の奥義が炸裂。この映画では必殺技のテロップがちゃんと表示される親切設計になっています。さらに、5秒後に死ぬ場合はちゃんとカウントダウンまでされます。
カウントダウン開始・・・
5秒前・・・
はじめは何ともないが・・・
4秒前・・・
そして1秒前になると・・・
キター!
まわりに青いビリビリが表示されます。フィルム直書きでしょうか?こんなワイルドな表現、他の映画では見たことありません。
そして爆発。恐るべし北斗神拳。デジタルカウント付きなのはさすがに想定外でした。そんな感じで、完全復活を遂げたケンシロウはその後、ユリアともデキちゃったりしてノリノリです。しかも原作にはない禁断の「ヤッちゃってる」シーンまででてきます。見たくなかった・・・北斗の拳のこんなシーン。
やっちゃいました!
そしてケンシロウは再び南斗のボスとの直接対決。北斗神拳を身につけたケンシロウはひと味違います。
一応北斗神拳ぽいです
おお、すごい。まるで千手観音のようですね。その一方で南斗のボスもすごいワザを繰り出してきます。
これ何てミュージカル?
なんと分身の術。分身するだけならまだしも、このマイケル・ジャクソンみたいな無駄なポージングは何なんでしょうか。南斗の奥義は奥が深い・・・。
ライフルと動物
で、結局は南斗のボスにライフルを突きつけられて殺されそうになるケンシロウ。しかしユリアが人質になることでケンシロウを救います。っていうか結局ライフルで決着て。分身する意味全然ありませんね。
チックショー!
ユリアを奪われ、失意のどん底のケンシロウ。自分のふがいなさに滝に向かって八つ当たり。あまりにかっこわるすぎるヒーローです。
傷心期間が終了し、ユリアを取り戻すために再び南斗の牙城に挑むケンシロウ。しかし南斗の刺客達はさらにパワーアップしていました。第一の刺客は、巨人男。たぶん原作ではハート様に相当するキャラです。
有り得ないデカさ
それにしてもデカすぎます。
ビルよりデカいんですけど。推定身長100メートルぐらいありそうです。よくマンガで誇張表現として悪役をデカく描いたりしますけど、この場合、比較対象がビルですからね。やりすぎ。アホか。
でもすごく弱い
しかし、でかいわりには弱すぎる巨人男。北斗神拳奥義「北斗柔破斬」により巨人男を瞬殺。ちなみに「北斗柔破斬」はジャンプして巨人の髪をチョンチョンと触るだけの技でした。
その次の刺客は南斗スクーター軍団です。
南斗スクーター軍団
予算の都合でしょうか?南斗の軍団がバイクではなくスクーターに乗って登場。軍団っていうか茨城あたりのヤンキーっぽい感じですが、スクーターとはいえナメてはいけません。数がハンパじゃありませんでした。
チームワークはいいです
無数の数のスクーターに囲まれるケンシロウ。完全に質より量の状態です。
でもすごく弱い
しかし北斗神拳によって一瞬にして全滅。本当に見かけ倒しの南斗スクーター軍団でした。
お次に待ちかまえていたのは、南斗テコンドー軍団。
南斗テコンドー軍団
なんで南斗でテコンドーなのかよく分からないのですが、これまた数がハンパじゃありません。しかし、やはりケンシロウは強かった。
蹴散らされます
北斗神拳奥義「北斗百裂拳」
やはりすごく弱い
例によって瞬殺です。一分かかっていません。
そんなこんなで個性溢れる南斗の刺客達をクリアーしたケンシロウは、遂に南斗のボスと3度目の対戦。今度こそ最終決戦です。
南斗のボスは、いきなりすごい奥義を繰り出してきます。なんと、手から謎の目くらまし光線が!
ウルトラマンみたいです
キラーン!
かなりまぶしそう
「うおっ、まぶしっ!」
セコい技です
そのスキに殴る。
キラーン!
「うおっ、まぶしっ!」
そのスキに殴る。
この「南斗MUSASHI拳」(参考)で早くも大ピンチに陥るケンシロウ。南斗のボスの技のバリエーションは呆れるほどに豊富ですね。しかし、やられっぱなしではありません。今のケンシロウには怒りのパワーがついているのです。
服がなんかおかしい・・・
「うおおお!!」
なんか、なんか、服がすごく切り貼りっぽくなってるのですが気のせいでしょうか!?
コレのためか-!
ビリビリビリッ!
豪快に破れるケンシロウの服。完璧な破れっぷりです。でもどう見てもフィルム直書きですね。非常に斬新な描写です。
キラキラです
さらにケンシロウの体が北斗七星風にキラキラ光ったり
なぜかジョジョ立ち
ついには分身したりし始めます。だんだん北斗神拳も何でもありモードになってきました。
遂に決着
そして、必殺「北斗有情拳」が炸裂。グダグダですが見事南斗のボスを倒しケンシロウは勝利したのでした。めでたしめでたし。
というわけで、完全オリジナルストーリーでお送りした台湾実写版北斗の拳ですが、いかがだったでしょうか?正直、これに比べれば韓国版などまだまだ全然ちゃんと北斗の拳していることがお分かりいただけるかと思います。
ところで、何か忘れていることはありませんか?そう、テキストのタイトルがpart1となっていますよね?なんと、好評(?)につき本作品、続編が存在するのです。その名も「北斗新拳」。
part2ではさらにオリジナルストーリーに拍車がかかり、もう誰にも予想のできない北斗の拳ワールドが広がっています。巨人女や女忍者なども登場してそれはもう大変なことになっていますよ!お楽しみに!
次回、巨人女が大暴れです
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参考) レビュー → ■
関連テキスト) ハリウッド版北斗の拳 韓国版北斗の拳 台湾版ドラゴンボール
参考リンク) 実写版いろいろ