井之頭五郎に学ぶ、丁寧で上質な暮らし・・・孤独のグルメ特別編 「パリのアルジェリア料理」
ウイ、シルブプレ!
こんにちはJ君です。突然ですが皆さん、上質な暮らししてますか?最近丁寧な暮らしとか、上質な暮らしが注目されているみたいです。どういう暮らしかっていうとこういうのです。仕事前に旧山手通りをランニング。そのままカフェでモーニングしつつ、代官山の蔦屋で洋書に目を通し、帰って熱いシャワーで汗を流す、そんな若手起業家。出社前からこれですよ。相当上質ですよね?とりあえずJ君の朝とは正反対です。出社ギリギリまで寝てますし。
しかし僕らが信奉する起業家といえばやっぱり井之頭のゴローちゃんです。実はゴローちゃん、最近の一連の行動からすっかり僕らの仲間(オッサン)であるかのように錯覚していましたが、そこはヤンエグ。実は相当上質な暮らしをしていることが判明しました。なんと今回の舞台はパリ。何もかもが一味違う孤独のグルメ特別編をお送りします。
今回の「孤独のグルメ」パリ特別編は5月12日発売の週刊SPA!に掲載されています。ちなみに「このマンガ 恐るべし…!!」のイラストを描いてくださった清野とおる先生の新感覚グルメレポマンガ「ゴハンスキー」も連載されてますよー(宣伝)。
念のために「孤独のグルメ」を簡単に作品をご説明しておきますと、輸入雑貨屋社長の独身貴族のゴローちゃんこと、井之頭五郎が、定食屋とか居酒屋とかの庶民的なお店で飯を食べつつ、「味なしスパゲティくんが実は大好き!」とか言ったりするハードボイルドなグルメ作品です。全然説明になってない気がするので、詳しくはこちらやこちらをお読みください。
さて、今回はパリ出張のゴローちゃんです。雑貨輸入商ですからオサレの最先端であるパリぐらい当然行くでしょうね。日本を発つ直前に、クライアントの娘さん(女子大生)にエッフェル塔の写真を頼まれるゴローちゃんです。
美人すぎて二度見した!
OH!マドモアゼル!!
孤独のグルメ原作史上最強のカワイコちゃんが登場ですよ。なんすかこの日本人ばなれした可愛さ。トリンドルですか。いきなり上質な女子大生が登場しましたが、全くもっていつもどおりのゴローちゃん。さすが丁寧な暮らしをしているだけのことはあります。
そして舞台はパリへ。トリンドルの依頼で撮影を終えた後は、パリの街をゆったり歩くゴローちゃん。腹が減ったと同時に、唐突に以前の馴染みの店を思い出します。
小雪と意気地なしゴロー
そう実は、ゴローちゃんにとってパリは馴染みの街なんです。孤独のグルメ単行本「第5話 群馬県高崎市の焼きまんじゅう」でゴローちゃんがパリに住んでた頃の回想シーンが登場します。ゴローちゃんが当時付き合ってた若手女優の「小雪(さゆき)」の逆プロポーズをやんわり断った挙句、革ジャンを着る着ないの痴話喧嘩から破局へ向かうというゴローちゃんのダメな部分が全開しているエピソードです。
まるで自分の庭のよう
それにしてもパリの街が自然と馴染む男、ゴロー。意識の高さはゼロです。本当の上質な男とはこういう男のことを言うのではないでしょうか。なかなか狙ってできるもんではありません。
パリにもアルジェリア
たどり着いた馴染みの店はパリのアフリカ街にある「アルジェリア食堂」。うーむ、パリにアフリカ街ってあるんだ。ありきたりなフレンチレストランやカフェに行かないところがおのぼりさんではない、本気のパリ通ぶりを感じさせます。ここで、ゴローちゃんが華麗に注文です。
ブじゃなくてヴなのがオシャレ
「シルヴプレ」
一切不自然さのないフランス語で店員を呼ぶゴローちゃん。すげえ…カッコよすぎて惚れる。まあ、その後「あの、えーと」って思いっきり日本人っぽさが出てますけど、ジモティーなフランス人を前に一切ビビってないのがそもそもスゴい。ところでシルヴプレってなに?汁なし担々麺みたいなもん?(シルしか合ってない)
酔っぱらいではありません
「ウイ」
この受け答えの自然さね。ゴローちゃんを侮ってた。誰に見栄をはることもなく自然に出ちゃうフランス語。上質すぎるだろ…。ちなみにJ君が「ウィ」って言う時は新橋で酔っ払ってる時か、スタン・ハンセンのモノマネをしてる時だけです。これは全然上質じゃない。
エキゾチックなメニュー
さて今回のゴローちゃんも日本にいる時と同じ、「先客が頼んでるものを真似する」メソッドでこのようなオーダーとなりました。クスクスとかケバブとか、気取ったところが全くない庶民メシです。しかし、フランスに来てちょっとおセンチになったのか…
小雪と書いてさゆきと読みます
「小雪が大絶賛だったな」
大きなお世話なような
「そういえば小雪、この店で浮いてたよなあ」
女優の元カノを思い出しまくるゴローちゃん。ペルー料理の時もそうでしたけど、なにげに未練タラタラです。それなら別れなきゃよかったのに…上質な彼女を丁寧に扱わなかった報いでしょうか。
さて今回も謎のソフトドリンクに手を出してみるゴローちゃん。チェリオメロン→インカコーラときて今回のドリンクの結果は…?
ひねくれたコーラ?ドクペ?
ひねくれたコーラ味!
「ウマイんだかマズイんだか判断しがたい」ってことはつまりマズいってことですよね?今回も失敗だったみたいです。酒の飲めない男の苦悩は続きます。
余裕あり過ぎのセリフ
「世界のどこに行ってもこういう店が分相応な男なんですよ」
パリのオッサンたちが集まる食堂でまったり語るゴローちゃん。いつも日本で言ってるセリフと同じように聞こえますが、これがパリになると相当レベル高いセリフになります。普通の日本人だったら、パリに来たらテンション上がって「ウェーーーィ」とか言いながら写メとか撮りまくってTwitterにアップしかねないのですが、一周回ってこの余裕ですよ。ほぼ地元民レベルです。
ヤッホーて、子供か。
最後はサフランライスを頼んで「やっほーっ飯だ飯だ!!」と無邪気に喜ぶゴローちゃん。パリでもやはり飯を食うわけですか…。
というわけで、今回のゴローちゃんはただのオッサンかと思われかけていたのに、恐るべきスペックの高さを魅せつけてくれました。これは惚れ直す人も多そうです。そういえば今回はいつものオヤジギャグも完全封印しています。これぞまさに特別編…丁寧で上質な孤独のグルメの回でした。
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出典)「孤独のグルメ」 扶桑社/久住昌之/谷口ジロー
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