AIとBLは似ているようで全然違う?AIがよく分かる「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」レビュー
「OK、Google、BLについてどう思う?」「まったくわかりません」
こんにちは、J君です。本日はちょっとマジメな「AI(人工知能)」についての本を頂いたのでご紹介したいと思います。ご紹介する本は「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」という名の通り、はじめての人でもとにかく分かりやすい、というのがウリです。
J君もAIについては言葉こそよく聞きますが、正直あんまり良く分かってない方だと思いますので、今回はこの本がどのぐらい分かりやすいのか、AIとBLの違いを中心にご紹介してみたいと思います。(なんでBLなのかは後述)
「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」の著者は、大西可奈子さん。実は、この方、当サイトと同じ時期からある老舗テキストサイト「カフェオレ・ライター」の管理人、マルコさんの妹さんでもあります。
「カフェオレ・ライター」といえば、「テニスの王子様」やボーイズラブ(BL)にツッコミを入れたりすることでおなじみの、女子に大人気のサイト(ここ重要)です。来場者の女子率が9割(ここすごく重要)のカフェオレ・ライターのイベントで、テニプリやBLについて関西弁で軽快にツッコミを入れる妹(可奈子さん)の姿を見ていましたので、「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」という本を頂いたときには、「ほう、ずいぶん変わったタイトルのBLだな・・・」と思って読んでみたら、ガチのAI本でビックリしました。
そんな可奈子さんの肩書は、国立研究開発法人情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センター研究員。・・・端的にいうと博士!!AI博士です。BL博士じゃありません!!
なんていうハイスペック女子!!「俺の妹が博士号のわけがない」みたいなタイトルのラノベかと思ったら現実かよ!ていうか、イベントでBL、BL言っていても博士ってなれるのかよ・・・などとツッコミはつきないのですが、今回AIなのにあえてBLを引き合いに出した意味がお分かりでしょうか。(そっちのほうが面白いから)
そんなわけで、AIとBLの違いをまとめておきますと・・・
◆ 受けたら返すのがAI、受けたり攻めたりするのがBL
◆ アレクサなのがAI、荒れたり腐ってたりしているのがBL
◆ ディープラーニングなのがAI、ディープスロートなのがBL
あたりでしょうか。まあ、こういう大喜利的なものはTwitterでやるとして、本の紹介に移りたいと思います。(とっととやれ)
■文字が見やすい
「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」のどこが良いかというと、まずね、文字が見やすいです。適度な大きさの文字サイズと行間。これ初心者向けの本としてはとても大事ですよね。自分、文字が小さいと読んでる内に寝ちゃう病なので、字は読みやすければ読みやすいほどいいと思ってます。
見やすいねー、そだねー
■画を使った解説が分かりやすい
また、画を使った解説が分かりやすいのも特徴です。これも大事。たとえ挿絵があったとしても、小難しいフローチャートとか表みたいなやつだと、結局は挫折してしまいますが、本書の挿絵はこんな感じです。
わかりやすいねー、そだねー
ね、こういうテイストなら大丈夫そうですよね?
パンで説明
こんな感じで、AIのメカニズムもパンを使って解説。うーん、フレンドリー!
確かにパンを使った解説は身近で分かりやすいです。
クラスタの説明
「クラスタ」とか「機械学習」のような、ちょっと難しそうな概念も、パンで説明すればこんなに分かりやすいです。
お腹へってきた・・・
・・・ていうか、パン多いな!パン好きか!!
■専門用語が少ない
いわゆるIT系の専門書に比べて、いわゆる横文字、専門用語がかなり少ない感じがします。初心者向けをうたっているので、たぶんその辺かなり気を使って書かれているんだろうなーというのが分かります。
なあに?って語りかけてきます
それでいて、ディープラーニングとかバイアスとか、クラスタリングとか、ニューラルネットワークとか・・・知ってるとなんとなくモテそうなカッチョいいキーワードはしっかりと、それこそディープに解説されています。表現が易しいから、内容が薄いかというとそんなことはなく、実はかなり本格的。とても詳しくて濃い本です。
この本の最初の方に書かれていることで興味深かったのが、AIとAIじゃないものの違い。ロボットと対話するような、世間でいかにもAIっぽく紹介されているものが意外とAIが使われてなくて、迷惑メール判定やら文字の予測変換やら、すごく身近なところでAIが使われているというのは驚きです。
AIかどうか見分けるポイントとしては、コンピューターが人が事前に教えた以上のことを、自分で考えて、未知のものに対応できることなんだそうです。
そういう意味でいうと、究極のAIっていうのは、このマンガに出てくるようなシーンかもしれません。
文庫版ゴルゴ13の78巻より
ゴルゴ13の文庫本78巻に収録されている「人工知能AIの誤算」というタイトルのエピソード。99.9%不可能と思われたミッションを唯一可能にする方法、AIが出した答えは・・・
AIの予想をも超えるのがゴルゴクオリティ
ゴルゴ13に依頼すること!!
これぞまさに未知への対応といえるでしょう。いやー、実に優秀なAIですね。
■AIで変わる将来の仕事
本書の後半は、仕事がAIによってどういう風に変わっていくか、その将来像について業種別に考察されています。コールセンターや料理のレシピ研究家、そして農家まで、AIによって劇的に変わる業種がたくさんありそうです。
そういえば「AIの遺伝子」というマンガは、人間と人工知能をもったヒューマノイドが普通に共存する近未来を描いた作品ですが・・・
AI(アイ)の遺伝子 1巻より
近所のラーメン屋の大将が実はヒューマノイドなんて時代がいつか来るのかもしれません。人工知能に「アブラマシマシ」とか頼んだらやってくれるんだろうか?「カラダニワルイデス」とか言われて拒否られそうだけど・・・。
というわけで、AIについて、これ以上ないぐらいわかり易く解説した「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」をご紹介しました。これからの世の中、AIの知識は知っておいて損になることは絶対ありません。どうせなら本書のような、とっつきやすくて挫折しにくい本で知識を得ておくのがいいんじゃないかと思います。あと、今更ですが、BLはあんまり関係ありませんでした。
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出典)
「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」 大西 可奈子/マイナビ出版
「ゴルゴ13 (Volume78) 人工知能AIの誤算」 さいとう・たかを/リイド社
「AIの遺伝子」 1巻 山田胡瓜/秋田書店