強姦魔はジェントルマン!? 人情派レイプマンガ『THE レイプマン』

良い子は絶対真似しちゃダメだし、大人もダメ!!

みなさんは『THE レイプマン』というマンガをご存知でしょうか? 読んだことはないけど、タイトルだけは知っている人も結構いるんじゃないでしょうか? 何しろタイトルのインパクトがすごいです。これほどまでにシンプルに犯罪に直結しているタイトルって、なかなかないですよね。

僕は幼少期にコンビニのマンガ雑誌コーナーで、このタイトルを見かけ「ヤバい、これは絶対読んじゃいけないやつだ、たぶん一生読むことはないだろう」と子ども心に誓ったものです。それ以来というもの、ずっと『THE レイプマン』『実験人形ダミー・オスカー』だけは決して読まないようにしてきました。まあ今、読んでるんだけど。

ですけどね、読んでつくづく、食わず嫌いは良くないって思いました。レイプマンは紳士なだけじゃなく、人情深く、そしてプロ意識がすごいのです。もしかしたら僕のように食わず嫌いをしている人もいるかもしれないので、今回はこの禁断のマンガ『THE レイプマン』をご紹介してみます。

『THE レイプマン』は文字通り、女をレイプするマンガです。どうやっても弁解の余地がない非道な作品に思えますが、そこにはレイプマンなりの正義があるのです。主人公は岩崎圭介、表の顔は真面目で温和そうな女子校の教師ですが、裏の顔は強姦屋という、今の時代でいうとギャップ萌えを狙ったような設定です……萌えはしないか。そんなレイプマンこと圭介は、表の顔が不動産屋のおっちゃん・原岡仁介を相棒に、原岡が受けたレイプの依頼を、凄腕で次々とこなしていくのです。


本業は教師

つまり、人に依頼され、高額な料金でレイプを引き受けるのですが、気に入らない仕事であれば、時には断ることもある……いわば仕置人のレイプ版です。広い意味では『ゴルゴ13』や『シティーハンター』と同業と言えなくもないでしょう。

■バラエティに飛んだレイプ依頼

実際のところ、どんなレイプ依頼があるというのでしょうか? もちろん、ワケありな依頼ばかりです。

色仕掛けで結婚を迫り、数々の男たちを破産させた女結婚詐欺師への「報復レイプ」。

自分につきまとうストーカー女と手を切るための「縁切りレイプ」。

会社から盗んだ機密情報のマイクロカプセルを処女膜再生手術で体内に隠し持つ女の膣内から、機密情報を奪い返す依頼などなど……レイプマンだからこそ可能な依頼もあります。っていうか、なんちゅう依頼だ。


悪い女がターゲット

このように、悪い女を懲らしめるケースが多いのですが、レイプが人助けになることもあります。そんなこと、あり得るのかって? あり得……るんです。

■レイプで人助け

たとえば、レイプシーンの演技が下手で悩んでいる女優。本人が知らない間に監督がレイプ依頼。女優は、なんと撮影の合間にスタジオでレイプされてしまいます。しかし……その後の演技は別人のようにリアルになり、見事に演技力が開花しました。

過去にレイプをされた経験が原因で対人恐怖症になってしまった生花の家元。見かねた親族がレイプ依頼。目には目を、レイプにはレイプを、というショック療法。レイプマンの人情味あふれるレイプで、対人恐怖症を克服したのでした。

スランプでアイデアが浮かばなくなったファッションデザイナーが、レイプを機にインスピレーションを得て、レイプをモチーフとしたファッションでスランプを脱出する、なんて話もあります。


必殺技もあります

その他にも、レイプマンの持つ『トライアングル』『∞(ヨコハチ)無限』『M36』『三浅一深』『スクリュードライバー』などといった神業テクの虜になり、2回目以降、自らレイプ依頼をしてくるケースもあります。いわゆるレイプのリピーターですね。

このようにレイプが人助けになることがあるのです。まあ、本人に許可なく依頼している時点で完全に犯罪者ですけど。

■レイプの依頼もインターナショナル化

「いよいよレイプ市場も国際化してきよったがな」という、相棒・原岡のセリフにもある通り、レイプマンへの依頼は日本からだけではありません。ニューヨークに派遣されて現地の女ダンサー相手に一仕事こなすこともあります。レイプマン・ニューヨークへ行く、って感じです。

もっとすごいのは、某王国の皇太子からの依頼。テクニックが小学生並みのため、ちっとも夜の相手をしてくれない妻・ダイアン妃に対するレイプ依頼です。ダイアン妃がレイプされている様子を物陰から見守り、レイプマンのテクを盗もうというのです。もう発想が狂ってますね。さすがはパンクロックの国、英国、もとい某王国です。

■見習いたい!? レイプマンのプロ意識

レイプマンはただの強姦屋と思うなかれ、プロ意識の塊なのです。

相手がどんなに抵抗しようと、「断っておくが俺はプロだ、一度お前を狙ったらどんなことをしても強姦(や)る」というセリフとともに、電光石火のスピードでレイプをこなします。

また、レイプマンの仕事はあくまでレイプ。ちょっとでもターゲットにその気があると、「俺は和姦マンじゃない!」とかいって断ることもあります。

さらに、依頼先に向かう途中で車にはねられ、全身骨折で入院させられてしまっても、病院を抜け出し、無事ターゲットをレイプ。依頼を完遂するのです。この鉄の意志、まさにプロの鑑。いや、見習っちゃダメだけど。

■本当はいい人、レイプマン

本作品は、人情系レイプ劇画の最高傑作と呼ばれています。そもそも人情系レイプ劇画が他にあるのかよって気がしますが、とにかく人情に脆い。依頼主の悲惨な境遇を聞いて、いてもたってもいられずレイプ依頼を引き受けてしまうのです。


中途半端な思いやり

そして、実際にレイプするときは「騒ぐな! ケガはさせたくない!」と、相手を気遣う一面も。さらに、作品後半に判明しますが、実はレイプマンは稼いだ金を養老院に全額寄付していたのです。なんていう人格者! レイプはするけど、とっても人格者なのです。

■このマンガでしかありえないレイプ名言の数々

レイプシーンばっかりのこのマンガでしかあり得ない数々のレイプ名言もすごいです。

「こっちの迷いが正しいか、依頼人の言い分が正しいかレイプでハッキリさせよう!」

「あんなヤツの依頼を受けちゃ、レイプ道がすたるってもんだよ!!」

「この際レイプ料の値上げしようや このままいったら慈善レイプでっせ」

「東京にはプロのレイプマンって商売があるそうだな、ないものはないニューヨークだが、そいつだけはまだない」


あるわけねーだろ

「慈善レイプ」だの「レイプ道」だのといったキーワードを見ているうちに「レイプ」という言葉がゲシュタルト崩壊を起こしてしまうのですが、くれぐれもみなさんは真似などしないように。まあ、読めば真似なんか絶対できないことが、すぐにわかると思いますけどね。

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引用)
『THE レイプマン』
みやわき心太郎 / 愛崎けい子 / ゴマブックス / リイド社

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