別冊コロコロコミック「塾師べんちゃん」 (後編)

偏差値10からの東大受験 (後編)

前編より続く

「塾師べんちゃん」・・・どんな優秀な学校の先生や塾講師もさじを投げる落ちこぼれ生徒達を、べんちゃんの主催する私塾「極学塾」にて独自の勉強法で超優秀生徒に育て上げてしまうプロフェッショナル。前回はそんなところまでご紹介しました。

そして、そのべんちゃんの独自の勉強ノウハウが詰まっているのが「極学の書」という巻物なのです。

 3000年も前の物にしては小ぎれいです

極学の書とは、中国三千年の昔から伝わる勉強の仕方を伝えた巻物。中国には、かつて東大受験の数千倍も難しいと言われる役人の試験があり、合格した者達は皆この巻物を使って勉強していた。その1つがべんちゃんの家に家宝として伝えられていた・・・べんちゃんは学校も行かずに極学の書だけで勉強し、東大法学部クラスの学力を手に入れたのだ!むう・・スゴイ。

そしてべんちゃんは、日本史の常識を覆すような重大発言もします。

「おそらく、聖徳太子はこの極学の書で学んだのじゃないでしょうか?」

べんちゃんそれは言い過ぎだ!

そんな歴史教科書問題を再燃させるような爆弾発言はともかく、極学の書のスゴさは分かって頂けたと思います。その極学の書を使った独自の勉強法をいくつかご紹介しましょう。

1.間抜きの術

記念すべき最初のどアホウ・・いや依頼人は、小学校6年生にもなって掛け算の九九が全く覚えられず、そのくせ名門私立中学を受験したいと言っているとんでもなく図々しいお子様。そりゃあ先生にも見放されます。J君だって問い詰めたくなります。「何勘違いしてんだボケ、受験ナメんなよ!」と。

ところが、べんちゃんは違いました。「明日の朝までに九九を全部覚えさせてやる!」と。一体どうしようというのか・・・?早速九九の表を広げるべんちゃん。そしていきなり表をカッターで半分破り捨てます。「これぞ間抜きの術!」

 九九の表を切りまくり

・・・別に気が狂ったわけではありません。説明するとこういう事です。

「2×3と3×2は同じ、4×2は2×4と同じ、4×3は3×4と同じ・・だからこの表の半分しか覚えなくていいんだ!」

なるほど、確かにそうかも。しかし驚くのはこれからです。べんちゃんはさらに表を3分の1まで切り捨ててしまいます。・・・別に気が狂ったわけではありません。説明するとこういう事です。

「7×4を覚えておけば7×5は覚えなくてもいい。7×4に7を足すだけだからだ!」

そんなこんなで表をどんどん切り捨て、覚える部分を4分の1にしてしまいます。スゲエ!これならラクして覚えられるよね!

 これだけ覚えれば九九はバッチリ

ちなみにJ君は九九ぐらいちゃんと全部暗記した方が将来のためだと思いました。

2.限学の業

次のエピソードは、家庭教師までつけて毎日2時間も勉強しているのに、テストで30点以上取ったことがないというお子様、J君だったらそうそうに手を引きたい厄介な物件です。しかし、ここでもべんちゃんのナイスコンサルティングが炸裂します。まずべんちゃんの教育方針は従来の既成概念をブチ壊すところから始まります。

まず勉強部屋を拝見。広々として、立派な椅子のあるいかにも勉強しやすそうな部屋です。ここでべんちゃん節が炸裂。


「こりゃすげえや!これじゃあいくら勉強しても30点以上は無理だよ!」

いきなりべんちゃん全否定。まるで、フォアグラよりアンキモの方がウマイとか抜かす山岡さんクラスのブッ飛び発言。カッコイイです。

・・・別に気が狂ったわけではありません。説明するとこういう事です。

「ものを考えたり勉強したりするには自分の体に一番あった広さがあるんだよ。それ以上広くなると気が落ち着かなくなるんだ」

なーるほどね!思わず納得です。だからといって30点しかとれないのもどうかと思いますが。何をするかと思えば、トイレで勉強をはじめました。どうやらトイレぐらいの大きさが一番落ち着くとの結論です。しかも勉強時間は毎日20分だけ。これだけでイイというのです。確かに広さは気になりませんが、臭いは・・・?と言うツッコミをしてはいけません。

 家族には迷惑極まりない・・

なんと効果はテキメンでした。トイレで勉強をはじめたとたんすぐに30点オーバー。調子に乗った少年は「これなら1時間勉強やれば100点とれるぞ」と発言。そこでべんちゃん、

「だめだ!絶対1日20分以上勉強してはダメだ!」 

またも全否定。そう、大切なのは決められた時間に集中してやること、すなわちこれが「限学の業」なのでした。そしてべんちゃんの言う通りにやり、見事100点を取ったのでした。すげえなあ。

 言いつけは守りましょう

ちなみにJ君はべんちゃんの影響を受けて子供の頃トイレで勉強をやったら親に叩き出されました

3.得賞の術

ストーリーも後半になってくると、だんだんガキどももワガママになってきて、ドラえもんに頼み事するのび太状態です。なんと、「極学の書を使ってお年玉をゲットしたい」と言って来るガキが登場。依頼人の少年には、唯一ドケチなおじいちゃんがいて、いかにしてドケチじじいからお年玉をゲットするか・・・。このバカチンが!極学の書は学問の書。そんなやましいことのために使えるはずがありません

「極学の書・その二十七、特賞の術!!

できんのかよ!

 悪用はやめましょう

・・・別に気が狂ったわけではありません。説明するとこういう事です。まず少年はおじいさんに毎晩のように電話をして、コミュニケーションを図ります。ドケチなのではじめは当然突っぱねますが、老人は基本的に寂しがり屋。毎日電話を貰ううちに、孫からの電話が無意識に恋しくなり、ついには正月にお年玉を渡しに来るという人の良心をつく作戦です。ちなみにそのドケチおじいちゃんは・・

 ほぼオレオレ詐欺

ムチャクチャ貧乏そうなんですけど・・・

こんな貧乏じいさんから金を巻き上げようなんて、君達は鬼か?

結局、このストーリーは少年がおじいちゃんにさえ元気なら、それが僕のお年玉さ!みたいなちょっとイイ話でオチが付きます。危なく一人の少年を犯罪に走らせるところでした・・・。ちなみにJ君はもうすぐ甥っ子にお年玉をあげる立場になるのですが、絶対に逃げ切ろうと思っています。

読めばたちどころに賢くなるこの「塾師べんちゃん」。受験生だけでなくビジネスマン必携の書じゃないか?なんて思う今日この頃ですが、いかがでしたか?

J君も子供の頃にべんちゃんに巡り会い、そして極学塾で勉強できていたら・・・・テストの点で親に怒られて公●式に入ったり、進●ゼミに入らなくても良かったのかもしれません。

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引用)
「塾師べんちゃん」 ビッグ錠/小学館/マイナビ出版

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