勢いが命のグルメマンガ スーパーくいしん坊 part3
洗濯機でラーメン・・・そういうのもあるのか!
(ないです)こんにちはJ君です。いきなり孤独のグルメ風のイントロではじめてみましたけど、それとは全然関係なくレビューするのは「スーパーくいしん坊」の第三弾です。ハニカミ王子ならぬハミ腹王子ことスーパーくいしん坊の香介がまだまだやりますよ。
本日は食の基本である衛生観念という部分に特にスポットライトを当てて取り上げてみたいと思うのですが皆様心の準備はできてますでしょうか?え、何の準備かって?もちろん食欲が無くなることについての心の準備ですよ!お食事中の方はくれぐれもご遠慮下さい。(グルメマンガなのに)
そういえば、余談ですが、このスーパーくいしん坊はオリジナルのKCコミックス版の他に文庫版や新書版などさまざまなバージョンが復刻されているのですが、あまりに有り得ないので検閲でも入ったのでしょうか・・・復刻版ではいくつかアレな話がカットされているようです。今晩のレシピはスーパーくいしん坊で紹介されていた「火の玉チャーハン」にしようかしら!なんて思って本を買おうとしている奥様は要注意ですよ。いないと思うけど。
さて、最初にご紹介するのは日本人ならみんな大好きなラーメンです。スーパーくいしん坊流のあっと驚くラーメン調理法が登場しますよ。日本のラーメン業界に激震が走るほどの画期的な調理法です。とくと御覧あれ。
マイペースのオヤジ
プロ野球場のスタジアムの外にラーメン屋台がありました。しかし、このラーメン屋、味はよいのに今ひとつ評判がよくありません。オヤジの手際が悪く異様にラーメンが出てくるのが遅いのです。プロ野球の試合が終わって、大量に客が押しかけているにもかかわらず、のんびりラーメンを作るオヤジ。全く客をさばけず、客がイライラして帰ってしまう始末。その客の中に、スーパーくいしん坊こと香介もいたのでした。
「これくらいのラーメンなら二十分ぐらいで五十杯は作れなきゃ」
「おじさん努力がたりないのよ」
例によって、自分は中華料理を作った経験などないくせに、ラーメン屋のオヤジに知ったような口きく香介。パリス・ヒルトン並の傲慢発言、態度だけはセレブ級ですね。もちろんこの場合のセレブとは「でっかいセレブ(通称デブ)」のことです。・・・というわけで、その大口がたたって、香介は翌日、球場前で二十分で五十杯ラーメンを作る実演をさせられるハメになりました。さっそく、自宅でラーメン作りに励む香介。
勢いだけの男
「二十分で五十ぱい分なんてとてもムリだ・・・」
やっぱり・・・。相変わらず根拠のない勢いだけの言動が先攻する香介。この性格だと大人になったらきっとヒドイ目にあう気がします。・・・しかし、洗濯の手伝いをしている時にふとあるアイディアを閃く香介。まさか・・・。
これは・・・
ま・さ・か!
マジで!?
麺を洗濯機に!
(ノ∀`) アチャー
たしかに、これなら50杯だろうとラーメンを茹でることはできるのかもしれません。しかしそれ以前に、それ以前に何かが違うと思わないのでしょうか!?例えば・・・衛生面とか。
しかも香介は麺を茹でるだけでなく、スープの方でもちゃんとスピードアップ対策を考えていました。麺がお湯に浸っているだけのドンブリに海苔を投げ入れると・・・
スープの素です
なんと海苔からスープが溶け出す仕組みが!な、なんという(勢いだけの)工夫!そしてもちろんお客さん達はお約束で、
ほんとかよ・・・
「うめーっ!」
ほんとにウマイのかよ・・・。お前らどんだけ信者なんだ。というか目の前で麺が入った洗濯機が回ってるのに・・・J君だったらその光景を見ただけでも気分が悪くなりそうです・・・。
さて、全米が泣いた洗濯機ラーメンのお次にご紹介するのは、「寿司のハープ切り」です。ハープ切りといわれてもさっぱり意味が分からないと思いますので、これからこの究極の寿司作りの詳細をご紹介いたします。ただし、くれぐれもお食事前の方はこの先読まないことをお薦めします。(グルメマンガなのに)
どんだけー?
話は香介のオヤジの絶叫からはじまります。
なんでも町内会の運動会で毎年出される「スシ弁当」。今年は運動会が雨天中止になると思い、町内会長が寿司屋に100人分のスシ弁当の仕込をキャンセルしたのでした。しかし、当日になって晴れてしまい、運動会は決行することに。大勢の子供たちがスシ弁当を楽しみにしています。町内会長大ピンチ。・・・ということでキッチン食いしん坊のオーナー、香介のオヤジにスシ弁当の相談しに来たのでした。というか洋食屋に寿司の相談をする意味が分からない。
確かに正論だが・・・
ところが・・・意味はありました。不可能を可能にする男、「スーパーくいしん坊」の香介がその話を横で聞いていたのです。うん、狙ったとおりの展開ですね。
というわけで、例によって寿司を握ったこともないくせに自信たっぷりに100人分の寿司を用意すると大見得を切った香介、しかし運動会が始まっても一向に姿を現しません。焦る町内会長と、香介の親父。
なにやら大仰な展開に
そこに、香介を乗せた一台の軽トラが突っ込んできました。そしてなにやら準備を開始。
シャリです
大量のシャリを板で押し付け・・・
イカです
巨大なイカを乗せ、そしてこれは・・・
え、これは?
これは・・・ハープ?まさかっ!ハープの弦で寿司を切るというのかっ・・・!
切ってるよ・・・
(ノ∀`) アチャー
さて、今度は、ハープを横にして・・・・
暴走は止まりません
できちゃいました・・・
さあイカのニギリのできあがりー!!
その発想は無いわー。ハープて。なんでそんなレアな物で寿司を切ろうという発想ができるのでしょうか・・・。たしかに、これなら大量の寿司を切り分けることができるのかもしれません。しかしそれ以前に、それ以前に何かが違うと思わないのでしょうか!?例えば・・・衛生面とか。
さらに香介のナイスアイディアが光ります。なんと、大量の寿司を配るのではなく、スシ障害物競走を開催。競争に参加して勝手に寿司を持っていけというシステムを導入したのです。炎天下にさらされる寿司・・・傷まないのでしょうか。
子供大喜び
当然、寿司障害物競走は大盛況。そしてその結果・・・
すごい修羅場ですね。
なんと、香介はこのハープでの寿司切りの発想のヒントをゆでたまごカッターから得たのでした。いや確かに似てなくはないけど・・・、そんなことよりも寿司を切るためにレアな楽器であるハープをわざわざ探してくるという行程がウザ過ぎます。
確かに似てるけど・・・
あと、寿司を切るという用途の為にハープを貸し出した奴がよくいたなとか、それはハープという楽器に対する冒涜ではないのかとか、色々なことを考えてしまうわけですが、それもビッグ錠ワールドでは無意味なことです。ハープで寿司が切れるんだからしょうがないのです。っていうか実際には試してないと思うけど。
というわけで、今回は、まさにグルメ界の産業革命。ラーメンと寿司の画期的な大量生産の仕組みを、ほんのちょっと衛生面での不安を抱えつつもご紹介してみました。最近中国あたりの食品とか衛生面でいろいろアレだったりしてますけども、皆さんには是非ともマネしないで頂きたいです。くれぐれも洗濯機は衣類の洗濯に、ハープは演奏に使ってください。J君からのお願いです。
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出典) 「スーパーくいしん坊」 講談社/ビッグ錠/牛次郎