復讐のベースボール「あばれ!隼」 後編
喝ですよこれは、喝ッ!
こんにちはJ君です。今の日本の風潮はワールドカップ一色ですね。街に出れば至るところに鳥のマークの入った青シャツを着た若者が闊歩している気がする今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
そんな中、なぜか野球マンガをレビューしているという空気の読めなさに我ながらビックリです。悔しいので本テキストはワールドカップよりスーパーカップを愛する人達に捧げたいと思います。世間のアゲインストの風の中、復讐のベースボール「あばれ!隼」後編レビューです。
さて、前編では甲子園の決勝で野球の天才児、柳生学園の柳生重吾の打球を受け死んでしまった兄・隼太郎の敵を討つため、弟の隼次郎がボクシングから飛竜学園野球部に転向。ボクシングのアッパーをヒントにアンダースローの魔球「ハヤブサ・パイルボール」を編み出したところまでご紹介いたしました。
宿敵・柳生重吾(危険人物)
そして、次郎にとってのはじめてのデビュー戦で、武骨館高校なる野球部を迎えます。
武骨館高校
・・・うん、物騒な感じですね。
グラサン、眼帯、腹巻きは当たり前。どう考えても野球をするには支障がありそうなカッコです。そうです、武骨館高校は野球の実力はサッパリですが、相手の選手を暴力で叩きつぶす暴力野球が信条。暴力野球が信条て、スポーツマンシップのかけらもありません。しかも審判までもビビってしまい注意できない有様。
暴力野球が信条
ウエスタンラリアートかよ!(左下)
露骨な投手潰し
さらに武骨館のひび割れバット作戦(これも超卑怯)でレギュラーのピッチャーがまでがやられてしまった飛竜学園。ついに隼次郎のデビューです。
怒り爆発
さすがにパイルボールに全く手のでない武骨館。しかし、武骨館にパイルボールの欠点を見抜かれイチャモンをつけられてしまいます。なんと、パイルボールはあまりにも凄い回転がかかっているため、一緒に土くれを飛ばしているので反則とのこと。土くれよりもウエスタンラリアートの方があからさまに反則のような気がするのですがそれはそれ、無敵と思われたパイルボールの思わぬ欠点が露呈されてしまいました。
思わぬ弱点が
武骨館にはなんとか一点差で勝利したものの、土くれを飛ばさないようにフォームを改造する必要がありました。そこで次郎は早速、出ると負けなガリ勉集団「マイコン学園」との試合を抜け出し、パイルボールの特訓です。
何故に太鼓?
海辺でパイルボールを投げて、砂が和太鼓にあたって音がしなければOKという、一見合理的なようでものすごく無駄っぽい特訓をしていました。特に和太鼓を準備するあたりがものすごく無駄に手間がかかっている感じです。
しかし、投球時に左足で砂をブロックすることで土くれを飛ばさないフォームを完成。急いでマイコン学園との試合に戻ります。すると、なんと飛竜学園はマイコン学園に5対0でリードされ大苦戦中。楽勝と思われていた相手に一体どうしたことでしょうか?そのマイコン学園の秘密強さの秘密はこれでした。
時代はコンピューターです
そう、これこそマイコン学園が持ち込んだ野球用コンピューター「ベーブルースII」です。野球のコンピューターがベーブルースIIて、「最新技術といえばNASA」的ないかにもジャリ向け脊髄反射発想がナイスです。
ヒョロォ~
それはともかくこのベーブルースIIのおかげで、バッターボックスに立っている擬音が「ヒョロォ~」のヒョロヒョロガリ勉ボーイでもいとも簡単にヒットを打てるのです。すごいですね。なんだか昔懐かしいブルーワーカーの宣伝を思い出します。
まさにIT野球
ベーブルースIIには飛竜学園の投手の弱点や打者の苦手なコースなどのデータが完璧に入力されており、ヘルメットへ確実な指示が飛ぶというすごい仕組みです。まさにIT野球の先駆け。プロ野球でも是非採用すべき。楽天とかで。
そんなIT軍団に為す術がない飛竜学園。しかし、次郎の登場で流れが変わります。そう、隼次郎のパイルボールのデータはまだコンピューターに入力されていないかったのです。
打てっこない
しかも時速160キロのパイルボールはベーブルースIIを持ってしても計測不可でした。まさにコンピューターが通用しない魔球。っていうか160キロも出てるんだ・・・アンダースローなのに。
さらにもう一人データにない男がいました。パイルボールを捕球できるというだけの理由でレギュラーになった元不良、ケンカ竜。こいつのバッティングもコンピューターの計算外でした。
ビリヤードかよ
「ケンカ十段、空手五段の鋼鉄拳突きだー!」
これは確かに予測不能です。ケンカ十段とかいう根拠のない自慢は余計ですが、普通にバットを振れないケンカ竜は、正拳突きの要領でホームランを量産。こっちの方がどう考えてもバットに当てるのが難しそうですが、野球マンガの世界は理屈では割り切れません。
コンピューター爆発
結局、予測をはるかに超えた威力のパイルボールが計算しきれず、とうとう爆発してしまうベーブルースII。計算できないと爆発するコンピューターというのもいかがな物かと思うのですが、ベーブルースIIなきマイコン学園はただのガリ勉集団です。飛竜学園の逆転勝利となったのでした。しかし、壊れる寸前にベーブルースIIがパイルボールはバントで打つとホームランになるという致命的弱点を発見していました。これが後々次郎達を苦しめることになるのです。
ついに、地区大会の決勝に進んだ飛竜学園。今までもめっぽう濃い相手ばかりと対戦してきた飛竜学園ですが、今度の相手はさらにハンパじゃありませんでした。その名も、大仏高校。この大仏高校のすごいところは、エースで四番の網田法念の投げる「念仏投法」。その投げ方がとにかくすごい。
念仏投法
「喝ッ!」
なんと、サンデーモーニングの大沢親分(参考)みたいな掛け声ともに繰り出されるボールが鉛玉のように重く、打っても1メートルと飛ばないのです。
参考のために、念仏投法の投げ方をもう少し詳しく紹介しておきましょう(なんの参考か分かりませんが)。まずボールに怨念を込めるために念仏を唱えます。
質実剛健て
「完全無欠・質実剛健・七転び八起き・・・」
「喝ッ!」
よく聞いてみると「質実剛健」とか念仏と全然関係ないような気がするんですが、とにかく念を込めて繰り出されたボールは擬音からして重い感じの激重ボールになります。
ゴオンゴオン
飛びません
個人的には「喝ッ!」っていいながらボールを投げるとあんまり力が入らないような気がするんですけど、野球マンガの世界は理屈では割り切れません。
それにしてもこの大仏高校のキャラの立ち方は尋常ではりません。まず、ユニフォームがなぜか毛皮のようにケバ立っています。こんなの着て暑くないんでしょうか?
テキトーなメンバー名
また、メンバーについてはエースの網田法念以外は、「なぜベストを尽くさないのか?」と思わず説教してしまいたくなるほどにテキトーにつけられています。「石仏」とか「墓」とか・・・名字なのか名前なのかすら触れられていません。
なんとか念仏投法を破り、全国大会に進出した飛竜学園。しかし、全国大会ではすでにパイルボールの「バントでホームランになる」という燃えプロのバグ(参考)みたいな致命的弱点が広まっており通用しません。そこで、新しい魔球の開発に取りかかることになりました。今度はボクシングのダブルフックの要領で繰り出される新魔球。その名も「ハヤブサ・ダブルハリケーン」
打てるわけねーだろ
・・・ここまで来るとすごすぎて誰も打てる気がしないのですが、それ以前にその投げ方は反則じゃないんでしょうか?明らかに野球の投球フォームではなくなっています。
「ハヤブサダブルハリケーン」をひっさげついに全国大会の準々決勝に進んだ飛竜学園。しかし準々決勝の相手に相応しいとんでもないチームでした。その名も、バテレン学園。
なぜかマント
まずこのマントが標準装備されたユニフォームがどう考えても高野連に怒られそうなのですが動きにくくないんでしょうか?謎です。そして、バテレン学園のエースピッチャー天草死郎の投法がまたエライことになっています。
妖術投法
「エロイムエッサイム われは蘇り!!」
なんと天草死郎は投げる前に相手に妖術をかけて幻覚でバットを振れなくするという「妖術使い」だったのでした。こんなの打てるわけありません。っていうか、お前等もっとちゃんと野球やれよ・・・。
野球のセリフとは思えません
絶体絶命、恐るべき妖術投法相手に飛竜学園はどう立ち向かうのか・・・というところでお時間が来てしまいました。正確にいうと、コミックスが3巻までしか手に入らなかったのでここまでしかレビューできませんでした。「あばれ!隼」は全巻セットで6万円だそうです。何このプレミア?J君にはとても無理。
というわけで「あばれ!隼」中途半端レビューでしたがいかがだったでしょうか?その後もブリーフ一丁で闘うプラモデル学園やらボールが2つに割れる魔球やら、手が何本にも見える柳生重吾のカゲロウ打法など狂った展開満載ですので、気になる方は是非ともこちらのサイトをチェックくださいませ。
では、この後は魔球や秘打とは無縁のワールドカップでお楽しみください。
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参考) レビュー → あばれ隼レビュー(froth~コーラの泡~様) amazon → ■
出典) 「あばれ!隼」 古沢一誠/峰岸とおる/小学館