ガンプラ人助けマンガ「ディオラマ大作戦」前編

ディオラマ ちょっといい話。
かつてここまで泣けるガンプラマンガがあっただろうか・・・?こんにちはJ君です。皆様は「ディオラマ」という物をご存知でしょうか?ディオラマとは、プラモデルと風景を組み合わせてアニメの1シーンや映画の1シーンなどを再現する情景模型と呼ばれるもので、かなり高度なスキルが必要な趣味であるといえます。
そんなディオラマを使って人を感動させたり、困っている人を助けることができるとしたら・・・そんな奇跡としか思えないコンセプトのマンガが存在するのです。それが本日ご紹介する「ディオラマ大作戦」です。
この「ディオラマ大作戦」は当サイトで語るまでもなく、知る人ぞ知る伝説のマンガとして知れ渡っており、すでにご存知の方も多いかもしれません。もちろん伝説になるには当然理由があります。凡百のガンプラマンガとは、ディオラマにかけるその崇高なる精神が根本的に違います。
ディオラマとは心で作るものである。そう、本作品ではディオラマを、そしてガンプラを通して人間の心の温もりとかそういったものを伝えようとしているのです。一見するとガンプラマンガのようですが、実際にはNHK教育の道徳番組に近い内容だと思っていただいて差し支えありません。ガンプラなんか飾りです。偉い人にはそれがわからんのです。
さて早速ご紹介してまいりましょう。
気弱な主人公、みのる
プラモ屋にディスプレイされたディオラマに見とれる少年、百山みのる。この作品の主人公です。いかにも気の弱そうないじめられっ子風の風貌が幾多の熱血プラモマンガとは一線を画しているといえます。
斬新なサンバイザー
こちらはみのるにディオラマの世界を薦めつつ談笑するプラモ屋のマスター。珍しいセンターラインの入ったサンバイザーがイカしています。どうやらプラモ狂四郎以来、プラモ屋のオヤジといえばサンバイザー着用が必須になっているようです。太陽にあたったらなにかまずい事情でもあるんでしょうか?よく分かりません。
そこに現れる天才高校生モデラー天堂明。みのるが見とれているディオラマを作った張本人でもあります。
スター気取り
天才モデラー天堂は子供達にサインをねだられるほどのヒーローぶり。しかもなんか取り巻きみたいのまでついています。そう、この時代、少年達の間では金でも暴力でもなくプラモが上手い奴こそ時の権力者。ディオラマを制するものは日本を制す。そんな勢いを感じさせるひとコマです。
しかし、この天堂一味が超嫌なヤローでした。憧れの天堂にディオラマコンクールへ出品することを相談しようとするみのる。しかし、みのるがディオラマ初体験なのと、予算が1,500円しかないことを知ると取り巻き達が容赦なく罵倒をはじめます。
容赦ない罵倒
「ぎゃーっはっは、おまえなーっ、全国大会に千五百円でやる気かよ!!」
さらに、「万引きしそうな目つきをしている」などと、徹底的にみのるを陵辱。なんだこのいじめマンガは。プラモマンガとしては第1話目からかつてないほどテンションが低いです。こんなのでこの先大丈夫なんでしょうか?しかし、傷心のみのるに救いの天使が・・・!プラモ屋の看板娘、麻衣子ちゃんでした。
娘もカブってます
・・・て、おまえもサンバイザーかよ!
親子そろってサンバイザー。恐るべしプラモ屋の掟。それにしてもセンターライン入りのサンバイザーなんて今まで見たことないんですが、どこに行けば買えるんでしょうか?そこまで行くとむしろ帽子でいいんじゃないでしょうか・・・?まあ、それはともかくとして、酷い仕打ちをすた天堂一味に怒りを覚えたプラモ屋の娘、麻衣子はみのるにザクのプラモをプレゼントしてあげます。そしてディオラマコンテストでやつらの鼻をあかしてやれと熱いエールを送ります。いじめられっ子みのる、女子の後押しを受けてもう後には退けません。というか何故ガンダムじゃなくてザクなんでしょうか・・・?
夜、みのるは自宅でザクを組み立てながら思考を巡らします。そして、昼間のプラモ屋のマスターの言葉を思い出します。ポワポワポワーン。。。。
スピリチュアルメッセージ
「技術的なことじゃない、つくる人の心さ・・・」
プラモ屋のマスターからの江原啓之ばりのスピリチュアルメッセージを受け取ったみのるは、ディオラマに心を込めることを誓うのでした。
さっそく、翌日からアクティブに活動するみのる。公園でディオラマ用の小石あつめから開始です。しかし、そこに嫌なヤツらが現れました。そう、天堂一味です。
相変わらず酷いです
金がないので必死で小石を拾うみのるを散々にバカにする天堂達。貧乏だとディオラマを作ることすら許されないのでしょうか?なんという荒んだ時代でしょう。さらに天堂達は、プラモ屋の娘麻衣子ちゃんにプラモを貰ったことまでバカにします。
ちょっと上手い
「ディオラマのテーマは”ぼくと麻衣子の愛のディオラマ”とでもするんだな」
うん、ちょっと上手い・・・いや、酷すぎます。極限まで陵辱されまくったみのるの怒りはマックスへ。でも気が弱いのでその場では特に何もしません。
自己啓発モード
散々バカにされ、ディオラマスピリットに火がついたみのるは、麻衣子ちゃんの自己啓発メッセージを思い出しながら熱くモデリング。そして・・・ついに何かに開眼したみのる。
そ、そうなの?
「ザクだって人間の心を持ってるんだ!」
かなりスピリチュアルな方向に目覚めてしまったみたいでちょっと心配です。
そして遂にディオラマコンテスト当日。まずは優勝候補、天堂のディオラマが公開されます。
優等生的ですね
「哀・戦士誕生」
タイトルの付け方がベタ過ぎて個人的にはどうかと思うのですが、その完成度にどっと沸く観衆。やはり天堂が優勝なのか?ディオラマはやはり心でなく金なのか・・・?そんな中、みのるの作品がひっそりと公開されました。テーマは「傷心」。
見てる方が傷心です
そこにはボロボロになったザクが。当然のように天堂達はバカにしはじめます。
名誉毀損レベル
「あっはっは、いじめられたのがそんなにこたえたのかね?」
しかし、みのるの目はまだ死んでいなかった。こいつはまだ何かをやる気だ・・・。なんとみのるは「傷心」のディオラマをグルっと180度回転させたのです。すると・・・
回ります
「ディオラマのうしろにもなんかあるぜ!!」
後ろになんかいる!
「あっあっ」
そう、みのるのディオラマには、まわり舞台の仕掛けがしてあったのです。
こ、これは・・・
「そして・・・・出会い」 ドーン!
心のディオラマ
そこには子犬をかわいがるザクのパイロットの姿があったのです。「傷心・・・そして出会い」そう・・・テーマは心の絆なんだ!
なぜかこっちもイイ感じに
手の込んだみのるのスピリチュアルな演出にみんな大感動。さすがの天堂もこれには度肝を抜かれました。そして、コンテストの結果は天堂がグランプリ、みのるはモデラー特別賞を受賞。ディオラマは決して金じゃない、心なんだ!ということが見事に証明された瞬間でした。心っていうか主に子犬のおかげだと思いますが。
というわけで、心で語るディオラママンガ「ディオラマ大作戦」いかがだったでしょうか?後編ではさらに号泣確実のディオラマ大感動ドラマをご紹介します。ご期待ください!
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