「プラレス3四郎」 時代をあまりに先取りしすぎたロボットバトルマンガ、ポロリもあるよ!

時代をあまりに先取りしすぎたロボットバトルマンガ「プラレス3四郎」。ポロリもあるよ!

皆さんは『プラレス3四郎』というマンガをご存知でしょうか。週刊少年チャンピオンで1982年から1985年まで連載されたロボットバトルマンガで、1983年からはアニメにもなりましたので印象に残っている人も多いかもしれません。

当時ガンプラブームの真っ只中、なけなしのお小遣いで近所のプラモ屋で抱き合わせ販売されていたホワイトベースと量産型ザクのガンプラセット購入するほどガンプラにゾッコンだったJ君は、モビルスーツ的なイカついロボではなく、アンドロイド的でツルッとした質感のロボの『プラレス3四郎』にはあまり興味を持てなかったのですが、大人になって改めて読むとやはりコイツはすげえマンガだぜ!と感じたので紹介したい次第です。なんてったって、ポロリもあるしね!!

『プラレス3四郎』は作画・神矢みのる先生、原作・牛次郎先生の作品。主人公・素形3四郎が、プラモの中にパソコンでロボットのように遠隔操作できる機能を組み込み、プラモ同士で実際にプロレスのようなバトルを繰り広げる、その名も「プラレス」の世界を描いた作品。ちなみに同時期のコミックボンボンの人気作「プラモ狂四郎」は自分の作ったプラモを使いプラモシミュレーションというVRの世界でバトルする作品でした。似ているようでコンセプトはだいぶ違うのです。

「プラモ」✕「パソコン」✕「ロボット」✕「プロレス」という当時の少年達の大好きな要素を過積載したようなコンセプトのマンガでこれがヒットしないはずはないというぐらい、夢がモリモリに盛り込まれていました。実際のところはガンプラブームの影に隠れてやや地味な存在だった印象ですが、今だったら再評価できるはず!ポロリもあるしね!

 


ペッパーくんをイケメンにした感じ?

これが主人公・素形3四郎が操る「柔王丸」です。プロレスだっつってるのに、何故か柔道着を着ていたり、そういえば主人公の名前も「姿三四郎」っぽい柔道を意識させるものだったりして「プラモ」✕「パソコン」✕「ロボット」✕「プロレス」に「柔道」までミックスさせてきている欲張り仕様です。まあ要素は盛れるだけ盛ったほうがいいですよね。人気インスタグラマーもTVでそう言ってました。

 


主人公の顔が憑依したりします

こんな感じでリング上でプラレスラー同士の熱い闘いが繰り広げられます。特筆すべきは、プラモだっつってるのに、なんとダメージを受けると血を吐いたりする演出があるところ。生々しいほどにリアルです。実はオイルが漏れたという設定なんですけどね。凝ってますよね。

 


吐血ならぬ吐オイル

バトル物なので、ライバルのその他プラレスラーたちの存在も気になりますよね!?まあ気にならなくても紹介するんですがこんな感じになっています。

 


改造屋の英、顔が犯罪者っぽい

 


ランダムの獅子王が獣人ぽい

ちょいちょい雑なデザインのプラレスラーが混じってるのもご愛嬌です。「ガラクタの留」なんて、ロボットだけでなく名前まで雑な感じで可愛そうですよね。

 


チャラ猪木

プラレスの大会が始まると、解説にあの「アントニー猪本さん」が登場したりして盛り上げてくれます。あの・・・って言ったけど、誰だよ。

 


リアル格闘家の今日子ちゃん

それで、お待ちかねのお色気部門なんですけども、本作のヒロイン「吹雪今日子」ちゃん、柔術の師範代を務めるほどのリアルに強い格闘家の彼女が操る「桜姫」というプラレスラーがいまして・・・

 


桜姫のやられっぷりがマニアに好評

リアルでは勇ましいのにプラレスラー「桜姫」の方は非力で、いつもピンチに陥ってはタッグパートナーの柔王丸に助けてもらうという位置づけです。このやられっぷりが実に見事なために桜姫ファンが非常に多く、未だにフィギュアが大人気だったりするのです。

 


ポロリ作戦

ちなみに作品終盤では桜姫の頭脳プレーぶりが際立ちます。みずからお色気を利用することで敵を倒すなど、何かを悟ったような活躍を見せます。読者ニーズに応えたとも言えますが。

 


実質最強の「エル・ウラカン」

バトルとしては、柔王丸の最大のライバルにして最強のプラレスラー「エル・ウラカン」が出くるあたりでクライマックスを迎え、その後は強さのインフレに歯止めがかからず作品としても、なんでこんな展開に!?みたいな迷走状態になっていきます。

 


典型的な影のボスキャラ

「御前」なる謎の組織の影のボスキャラが空気を読まずに登場し、柔王丸が襲われたり、宇宙空間で戦わされたりと一気にきな臭い雰囲気になったりします。

 


ガンダム意識してる?

途中で柔王丸もテコ入れのために「柔王丸S」なる新コスチュームになり、読者の度肝を抜いてきます。ちょっとガンダムに寄せてきたのでしょうか。

 


スティール・ボール・ランかと思った

最後には、デスレースを思い起こすようなレースバトル物になったりして、文字通りこれぞ迷走という感じで清々しささえ感じさせます。

 


ちゃんとQWERTY配列

『プラレス3四郎』の凄いところは、ちゃんとどういう仕組で動いているかとか、マンガだからと手を抜かず、緻密な設定が考えられているところ。30年以上前の少年マンガとは思えないパソコンマニア、メカマニアの心をくすぐるようなこだわりが随所に見られます。時代をあまりに先取りしすぎた・・・でも今ならその凄さがよく分かる、そんな作品です。

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引用)
『プラレス3四郎』
神矢みのる/牛次郎/秋田書店

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