課長びんびん物語・・・実写版「課長 島耕作」レビュー

課長びんびん物語・・・実写版「課長 島耕作」レビュー










拝啓、島耕作殿。

このたびは社長就任となるそうで誠におめでとうございます。貴殿の夜の営業活動一本で頂点に上り詰める姿はまさにサラリーマン達の憧れそのもの。しかも還暦を過ぎて未だにモテモテ。日本各地でモテモテ。世界規模でもモテモテ。いい加減にしろ!!(怒)



・・・噂では「社長 島耕作」の後には「会長 島耕作」「相談役 島耕作」「国連事務総長 島耕作」などが控えているとかいないとかでシマコー伝説はまだまだ終わらなそう。本日はそんな島耕作シリーズのルーツとなる作品「課長 島耕作」の実写版をご紹介したいと思います。実写版の島耕作を演じていたのはなんと「ディナーショー界の裏帝王」と呼ばれるあのお方だったのです。


そんなわけで本日ご紹介するのは1992年に映画化された実写版「課長 島耕作」です。主人公島耕作を演じるのは田原俊彦。かつては今でいうキムタクに匹敵するほどの人気を誇ったビッグスター、トシちゃんです。どうでもいいですけどトシちゃんの全盛期を知ってるか知らないかで年齢層がはっきり分かりますね。



ちなみに実写版「課長 島耕作」はドラマ版もあって、そちらは宅麻伸が演じていたのですが、J君的には宅麻伸は貫禄がありすぎてむしろ「部長」という感じがしました。やはり課長には中間管理職ならではの「哀愁」が漂っていなければなりません。その点トシちゃんは課長は適役です。なにせ「哀愁でいと」ですから。



で、まずはビデオのパッケージからまずご覧ください。男前なトシちゃんの勇士です。





ダンディーにワル



「ダンディーに、ワル。」

まさにハッとしてGood。「ちょいワル」ブームを先読みしているかのようなキャッチがイカしてます。でも島耕作ってどちらかといえば優等生的で「ワル」のイメージはあまり無いような気がするのですが・・・そうか、女癖の悪さのことを言っているのか!そうかそうか、 そうなれば話は違う。



輝いてる頃のトシちゃん



そんなわけで颯爽と初芝電産に出社するトシちゃん演じる課長・島耕作。





一見デキる男風だが・・・



新製品のポスターの出来上がりをみて「よし、これで行こう!」とばかりにキメる島耕作。さすが宣伝部の課長です。しかし・・・この作品でまともに島耕作が仕事をしている姿はこのシーンが最後でした。





サラリーマンは辛いよ



次のシーンではいきなり社内の派閥闘争に巻き込まれる島耕作。自分の上司に当たる宇佐美専務一派に呼び出され高級中華でディナータイム。そこでは宇佐美専務と副社長の座をめぐって争っている大泉専務の女関係を探ってこいと直々の依頼。





女の事ばかり考えている専務



一方の大泉専務は島耕作にとっての元上司。これまた気に入られている島耕作は、大泉専務にも呼び出されるという両手に花ならぬ両手に専務状態。大泉専務は宇佐美派の思惑を知ってか知らずか、自分のホレ込んでいる銀座のホステス「典子」のお目付け役に島耕作を任命します。



宇佐美専務には大泉専務の女関係を探れと言われ、大泉専務には自分の愛人のお目付け役をしろと言われ・・・どんな仕事でも上司に従わなければならないのがサラリーマンの掟。島耕作、本業そっちのけで夜の銀座でクラブ活動の日々が始まります。





夜は社長クラスの活躍



・・・やってることは課長というよりも特命係長に近い気がしますね。





上司の女だろうとヤル!



で、結局そのホステスとヤッちゃう島耕作。上司の女だろうが余裕で奪う。これでこそダンディにワルな男、島耕作です。・・・っていうか仕事しろよ。





社内不倫もお約束



それ以外にも妻と別居中の島耕作は、社内に不倫相手がいたりして、夜な夜なラブホで大ハッスルしているわけですが、実はこの女がライバル会社のスパイで、島耕作のピロートークで漏れた社内情報がそのままライバルのソラー電気に渡っていたのでした。





結構ダメ社員なのでは?



そして、例のポスターと全くおんなじものを先にソラー電気に出し抜かれて使われてしまうという大失態。島耕作・・・実はかなりのダメ社員のような気がするのですが、こんなのを社長にして大丈夫なのでしょうか?初芝は。「デキる男のラブ&サクセス」とか言ってる場合じゃないよ。





問い詰めてTONIGHT



不倫相手にスパイ活動をされたことを問い詰める島耕作。女に自主退職を迫ります。ていうか、半分はお前のピロートークが原因だろが。さすがダンディにワルな男。なかなか腹黒いですね。





男にまで告られるとは・・・



その他、同期のライバル樫村(トヨエツ)にも会社の会議室で「やらないか」「好きなんだ・・・お前が」と告られるシーンも。ホステスにもモテモテ、専務にモテモテ、同期の男(既婚者)にまでモテモテですよ。お前のモテは天井知らずか



で、いろいろあって最終的に派閥闘争は大泉派が勝利。大泉専務が副社長に昇格します。島耕作も当たらず触らずでめでたしめでたし・・・とはならず、銀座のホステスとヤッちゃったことがバレて京都に飛ばされることになります。実に悲しみ2(TOO)ヤングなラストを迎えてしまいました。繰り返しますが・・・こんな男が将来社長になるとは。いいのか初芝は。



ある意味自業自得





・・・フォローするわけではないのですが、原作ではその後、京都に飛ばされた島耕作が苦労の末に再び這い上がって本社に返り咲き、一気に出世街道を歩むというサクセスストーリーで、課長時代最大の見どころなわけですが、そこが実写化されていないのは残念なところです。ちなみに島耕作は京都でもモテまくりのヤリまくりです。ホントいい加減にしろ!(怒)



というわけで、社長出世記念。島耕作実写版レビューをお送りいたしましたがいかがだったでしょうか?原作マンガではそこまで気にならなかったのですが、こうして部分的に映画で切り出してみると、島耕作って改めて夜の営業活動ばかりだなと思い知らされます。まだ未読の方はもちろんの事、既に読んでいる方も改めて「課長島耕作」を読み返してみてはいかがでしょうか?きっと「仕事しろよ!」とツッコミたくなること山の如しだと思いますよ。







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出典) 「課長 島耕作」 東宝/講談社/TBS/サントリー/ポニーキャニオン/弘兼憲史

参考)  Amazon →  田原俊彦ベストアルバム

参考リンク) 実写版いろいろ

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