30代からの性教育 「ニャロメのおもしろ性教室」前編
ひみつのアッコちゃんが捕まってあんなことも!こんなことも!
こんにちは、J君です。大の大人がいまさら聞けない知識といえば、やっぱり「性」についてではないでしょうか?人に聞くのが恥ずかしい・・・故に間違った性知識を覚えたまま魔法使い、もとい成人になってしまい、そのまま一生気付かないなんて事もあると思われます。
そんないたいけな僕らに朗報。今回は、故・赤塚不二夫先生が残した知られざる名作「ニャロメのおもしろ性教室」 をご紹介しましょう。この作品は青少年がマンガで「性」の知識を学べるように描かれており、もちろん大人にとっても非常に分かりやすいのですが、ひみつのアッコちゃんがおそ松くんやバカボンにセクハラされまくるといったシュールな展開もあり、別の意味でもマニアにはたまらない作品となっています。
実は、「ニャロメのおもしろ~」シリーズは「ニャロメのおもしろ性教室」 以外にも「ニャロメのおもしろ数学教室」「ニャロメのおもしろ宇宙論」等々、多数出版されており、学習マンガでありながら、赤塚キャラのシュールさと随所に散りばめられたギャグで小難しい内容をまるで天才バカボンを読んでるかのように楽しく学べてしまうという、実に画期的な学習本になっています。もちろん「ニャロメのおもしろ性教室」 も基本的にはマジメに性を考える本になっています。ですので・・・
マジメな本です念のため
こんな画がでてきても、セリフはいたってマジメだったりします。
しかし・・・さすがは奇才・赤塚不二夫先生のマンガです。性教育本としては全く想定外のストーリーからはじまります。
このセリフがとんでもないことに
ひみつのアッコちゃんがバカボンとバカボンパパに手品を披露。でもそのタネあかしはアッコちゃんが結婚した人にしか教えないのだそうです。そこでバカボン親子二人そろってバカボンのママに・・・
お前は何を言ってるんだ
「アッコちゃんと結婚したいんだ!」
唖然とするママ
いきなりひみつのアッコちゃんとの結婚を巡って親子ゲンカに。さすがバカボンファミリー。ムチャクチャです。そこへママのツッコミ。
すごいツッコミ
「重婚罪よ!」
もうね、バカボンパパの渾身のボケも凄まじいですが、バカボンのママのツッコミも本気なんだかネタなんだか分からなくて素晴らしいです。
バカボンのママといえばご存知の通り、マンガ界でも随一の良妻賢母なので、どんなに夫(バカボンパパ)の奇行を目の当たりにしても大人の対応です。間違っても夫に向かって「金髪豚野郎」などとは言わないタイプの妻です。むしろバカボンパパのキャラの方が泰葉に近いような・・・まあ泰葉の話はいいか。
そんな流れで、男女とはなにか、結婚とは何かということでニャロメ先生の性教室がスタートします。流れというか・・・すでにムチャクチャになってますけど。
しかし基本的にはマジメな内容。なにしろ、動物のオスとメスがなぜ存在するのか?といったテーマからスタートします。
ミミズレベルから学ぶ
ミミズがどうやって繁殖するかとか恐竜の性交はどうだったとか・・・成人男性にとってはそれこそミミズほどにどうでもよさそうな知識まで学ぶ事ができます。本格的です。
次に皆さん期待の「女の子のからだの秘密」の解説へと入っていくわけです。
ここで赤塚ファミリーの紅一点的存在(バカボンママは人妻なので除く)ひみつのアッコちゃんに白羽の矢が立ちます。なにしろテーマがテーマなので・・・
いいのか!?コレ
ひみつのアッコちゃんのヌードが惜しげもなくさらされます。これはすごい。当時普通にアッコちゃんのアニメを観ていた人にとっては考えられない衝撃シーンではないでしょうか。
指までさしてます
・・・で、左下でさりげなくアッコちゃんの裸をガン見しているハジメちゃんの存在も見逃せませんね。ハジメちゃん、なかなかのマセガキです。
ちなみにこの章では、アッコちゃんセクハラネタはお約束となっており、作品中何度も出てきます。まさに陵辱。
「あれ、はえた?」「ンまあ!」
はじめからそう言えよ
もちろん「あれ」とはカイワレダイコンのタネのことです。アッコちゃんは何で怒ったんでしょうね?
「破れたって何が?」「ホラ、あれが」
じゃあ「あれ」っていうなよ
もちろん「あれ」とはケン玉のケン刺し記録のことです。アッコちゃんは何で怒ったんでしょうね?
「処女膜は破れても手術によってもとどおりにできるんだって!」
「ンまーッ!」
すごいキックです
もちろんこれは・・・フォローのしようがありません。
つまり、思春期の女の子は身体の変化に敏感になっているので、興味本位で聞いたりするのはやめましょう。というお話なのですが、ここまでくるとチビ太は単なるM男なんじゃないかとすら思えてきます。
続きまして、皆さんがあまり興味がないであろう「男の子のからだの秘密」の章です。こちらも冒頭のバカボン親子のやりとりがいきなりスゴい。
勃ってます
「た・・・た 立ってるんだ」
何というツッコミ
「すわってるじゃないかウソツキ!」
ツッコミがそのままボケになっているという超高度なギャグ。高度ですが思春期の息子に対する親のセリフとしてはどうなのかと・・・さらにパパのクレイジーなセリフは続きます。
そんなことで怒るなよ・・・
「わしのもってた三原順子ちゃんの首のすげかえヌード写真集を見たなっ!!」
首のすげかえヌードて。いわゆる今でいうアイコラですね。バカボンのパパもだいぶマニアックです。これはハッピーハッピーもビックリですよ。さて、三原じゅん子のアイコラの件はおいといてこの現象をニャロメ先生がズバリ解説します。
威勢良すぎ
「これを勃起というニャロメ!」
・・・ですね。はい。小学生でも知ってると思いますが、念のためにもう一度。
「これを勃起というニャロメ!」
ニャロメ先生がいうとなんかカッコいい現象のような気がしてきますね。しませんかそうですか。さらにブラブラぶら下がっている2つのアレについては、おフランス帰りのイヤミ氏がエスプリのきいた下ネタで解説します。
フレンチ風下ネタ
「タマタマ精子工場は二十四時間操業ざんす」
・・・この工場の絵が絶妙です。この話の流れではどう考えてもアレにしか見えませんね。
さらに思春期の男の子特有の現象がおそ松くんの体に起こります。
思春期っぽい話ですね
朝起きてみるとパンツの中に白い液体がベットリと・・・。
セリフだけ見てると官能小説かなにかのようですが違います。ここでもズバリ、ニャロメ先生のマジメな解説です。
下の液体が何かシュール
「これを射精というニャロメ!」
また、木登りをしたり鉄棒やスモウをやっている時に刺激されて射精する現象は・・
危ない人っぽいです
「これを遺精(いせい)というニャロメ!」
これは知りませんでした。スモウをとる時は要注意ですね。っていうか、おそ松くんが本当の意味で「お粗末」な感じです。
・・・というわけでオトナが今さら聞けないニャロメ先生の性教室、大変勉強になるわけですが、後編ではさらにディープな性の世界へと皆さんを誘います。「結婚から妊娠まで」さらには「性病」「同性愛」「フェチ」あたりまで・・・ちょっ、赤塚先生・・・そんなの子供向けでやっていいの!?という過激な内容の後編にご期待ください。
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出典) ニャロメのおもしろ性教室 赤塚不二夫/角川文庫/西武タイム
参考) Amazon → ■