孤独のグルメ新作レビュー 裏切りの静岡おでん編

孤独のグルメ新作レビュー 裏切りの静岡おでん編











「粉」にこだわる男・・・井之頭五郎

こんにちは、J君です。6月2日発売のSPAに孤独のグルメの新作が掲載されました。以前ご紹介した特別編ではいきなり主人公の井之頭五郎が入院しているというシチュエーションで、病院食グルメの世界が淡々と語られるという異色の中の異色、まさに特別編という趣でした。



さて今回の新作の舞台は静岡、そしてメインテーマは「静岡おでん」という正統派B級グルメです。しかしそこは我らがゴローちゃん。事はすんなりと進まず実にドラマティックな方向へ。果たしてゴローちゃんと静岡おでんの間に何があったのか?


不定期連載



ところで、今回のSPAの表紙にはなんと「不定期連載」の文字が・・・。やはり前回の特別編が大好評だったということでしょうか、掲載誌がPANJAの時代から本格的にSPAに引き継がれ、事実上「孤独のグルメ セカンドシーズン」が始まったと考えてよいかも知れませんね。「孤独のグルメ」ファンとしては実にうれしいところです。ただ個人的にはSPA読者ではないのでSPA不定期連載されても見逃してしまう確率が高いのが残念。ジャンプでたまに「ハンターハンター」が掲載されるのとはわけが違います。



念のため「孤独のグルメ」をご存じない方のために簡単に作品をご説明しておきますと、輸入雑貨屋社長の独身貴族のゴローちゃんこと、井之頭五郎が、定食屋に入って「持ち帰り!そういうのもあるのか」とか、ちょっとなに言ってんだか分からないセリフを言い放ったりする作品。全然説明になってない気がするので、詳しくはこちらこちらをお読みください。





なんという弱々しい顔



「上着着てくりゃよかった」

今回は静岡にゴローちゃんが上陸するシーンからはじまりますが、静岡が予想以上に寒く、薄着で来てしまった事を嘆くゴローちゃん。





なめちゃいけません



「静岡をなめてたか」

・・・何をどうなめてたのかよく分かりませんが、あいかわらずドジっ子独身貴族ですね。萌えます。





美味そうですね



そんなプチへこみ状態の中、とにかく何か食べてあったまりたいということで見つけたのがおでん屋ばかりの横町。そこで静岡は静岡おでんと黒はんぺんが有名ということを思い出します。





ダシ粉がポイント



「かつお節みたいなダシ粉をかけて食べるんだ」

どうやら静岡おでんというのはダシ粉をかけるのが特徴のようですね。たしかに粉がかかっているようです。そういえば富士宮焼きそばでもダシ粉がかかってますね。しかし、この粉に対する先入観があとで大いなる悲劇を生むのでした。





おでんハート



「すっかりおでん心に火がついちまった」

おでんマイハートファイアーということで、さっそくおでん屋へ飛び込みたいところですが、酒が飲めないゴローちゃん。居酒屋に入るのをためらっています。別に飲めないからって遠慮することないのに・・・乙女みたいですね。そんな中





なさけない後ろ姿



一軒のお店から地元の子連れファミリーらしき客がでてきました。それにすさかず反応するゴローちゃん。そう、子供も入れるおでん屋なら、自分も行けるかも!そういう発想であえなく店が決定しました。





ほふう



「ほふう」

よっぽどホッとしたのでしょうか、ちょっと喘ぎにも似たエロチックな声を発するゴローちゃん。ちなみになぜか今回はやたら喘ぎ声がフィーチャーされています。静岡という土地に中年男に喘ぎ声を発させるなにかがあるのでしょうか・・・?



ようやっと見つけた意中の店で、静岡おでんを注文するゴローちゃん。しかし微妙な反応



なんか違う



「うちのは汁おでんっていうんだけどいいですか」





粉はないっぽい



「あの、ダシ粉のかかった?」 「いや」





やばい・・・



「うちのはね 汁がカラシになってるの食べてみて」

ダシ粉については完全スルーされてます。どうやら・・・ゴローちゃんやっちまったのか!?さらに悲劇は続きます。





暗雲立ちこめてます



「あと黒はんぺんありますか」

「ウチは焼き海苔黒はんぺんですが」

どうやら・・・完全にやっちまったくさいです。何をやっちまったか分からない方のためにゴローちゃんがご説明します。





余計なことすんな



「俺は普通の静岡おでん、普通の黒はんぺんが食べたかったのに」

「あるんだよな、こういう余計なことする店」

ゴローちゃんが静岡で入ったのは、残念ながらこういう余計なことする店だった模様です。確かに・・・その土地の名物が食べれると思って入った店で、微妙に違うものがでてきたら残念ですね。その気持ちは分かります。博多に行ってラーメン屋に入ったら醤油ラーメンがでてくるような感じですかね。そして、絶望感に浸りながらゴローちゃんが一言。





粉ジャンキー



「粉 かけたかったな」

ものすごい粉に対する執着っぷりですね。気持ちは分かりますが、あんまり「粉」「粉」言ってると危ない人に思われるのでほどほどにしておいたほうがいいと思います・・・。






旅情ですか・・・



「こんなしくじりもまた旅情なり・・・」

粋な言いまわしでなんとか平静を保とうとするゴローちゃん。なんで静岡まで来て普通のおでん食ってんだろう俺は的な敗北感がにじみ出ていますが、実際のメニューが出てきて状況は一変しました。





裏切りの汁おでん



おほう



「おほう これは・・・なかなかよい!」





ふはあ



「ふはあ くー」

ゴローちゃん、食べるほどにセクシーな喘ぎ声連発。そう。残念かと思われた汁おでん、実は相当美味かったのです。






焼き海苔黒はんぺん



さらに期待を裏切るかに思われた焼き海苔黒はんぺんも相当うまいことが判明。さっきまで死人のようだったゴローちゃんに俄然生気が蘇ってきます





おかわりまでしてる



「逆にイイ店に当たったかもしれんぞ、ひょっとしたら」

もう完全に店の評価が逆転してしまいました。やはり独り飯はこのぐらいポジティブであるべし、ですね。しかし、もはやノリノリで食欲が止まらないゴローちゃんは追加注文で、遂にあの禁忌を犯してしまいます。






イモ頼みすぎ



「あちゃあまたしくじったぁ イモだらけになってしまったぞ」

なんと、きぬかずき、網焼きコロッケ、むかごというイモメニュー三品が登場。イモ頼みすぎ。この人、過去にも何度となく同じ事をやってます。









「豚肉ととん汁でぶたがダブってしまった」









「おでんとうずらと卵焼き・・・卵が重なったな」





全く反省無し



・・・しかも、この期に及んでさらにマグロブツとマグロの串焼きを頼もうとしているゴローちゃん。完全に常習犯ですね。むしろ持ちネタなのかもしれません。常に食材をダブらせる芸風を持つ男、井之頭五郎。なかなかやろうと思ってもできるもんじゃありませんね。





開き直り



「ごちそう食って反省してる馬鹿もなし、だ」

食材ダブりに対して完全に開き直ったこの発言。確かに全く正論なんですけど、それならはじめから言わなきゃいいじゃん。イモだらけとか。





さっきと別人のよう



そんなわけで、結果的には大満足の静岡独りグルメだったゴローちゃん。店を出て渋くハードボイルドに決めてくれます。冒頭の寒さで震えていた弱々しい男と同一人物だとはとても思えません。空腹が満たされると男をこうも変えてしまうのですね。そして最後にまたしても名言を決めてくれます。





やはり名言で決めます



「名物にとらわれなくてもいいじゃないか、自分がおいしけりゃ」

背中でグルメを語る男、井之頭五郎。今回もカッコよく決まりましたね。まあ、一番名物にとらわれていたのは他ならぬゴローちゃんだった気がしますけど、そういうツッコミはしない方向で。





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出典) 「孤独のグルメ」 扶桑社/久住昌之/谷口ジロー

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