数千万の家がサクッと売れる「痛快!!マイホーム」に学ぶセールスの極意
女を口説くように家を売れ!
こんにちは、J君です。人生において最も高い買い物といえば、やはりマイホームではないかと思うのです。 なにせ数千万円から数億円になる買い物です。サラリーマンにとってはそれはもう人生をかけた一大イベントに違いありません。
そんな、人生を左右する買い物であるマイホームですから売る方だって相当大変なのは言うまでもありません。そんな中、まるで女性を口説くかのごとくサクっとマイホームを売ってしまう男がいました。今回ご紹介するのはそんな凄腕営業マンが主人公の画期的な不動産マンガ「痛快!!マイホーム」です。
「痛快!!マイホーム」の作者は、「サーキットの狼」で有名な池沢さとし(池沢早人師)先生が2001年から2002年にかけてコミックバンチに連載していた作品ですが、まず何よりもタイトルのインパクトが凄いです。主にフォント的な意味で。
全然痛快じゃない表紙
どうですか、この痛快というよりも豪快なフォントのタイトル。マイホームというよりはどっちかというと「マグロ!ご期待ください!!」みたいなタイトルの方が似合いそうですよね。一見、不動産セールスを取り扱ったマンガということで、地味なビジネスマンガを想像するかと思いますがこの豪快なタイトル通り、内容もそうとうなブッ飛びぶりです。
趣味の悪すぎるスーツ
この錦鯉柄のスーツと鯉のぼり風デザインのネクタイをまとった男が主人公の一国一城(いっこくいちじょう)です。名前も凄ければスーツも凄い。この時点ですでに非実在青少年ならぬ非実在セールスマンといって過言ではありません。
フリータをやっていた一国一城。家賃を滞納するわ、アパートに連日女を連れ込んで隣人をノイローゼにするわでついに大家がブチ切れ、アパートを追い出されてしまいます。かなり最悪な若者ですね。そんなこんなで街をブラブラしていると、たまたま一国一城が高校時代に教育実習でお世話になった小雪先生と住宅販売展示場で再開します。なんと、小雪先生は教師を辞めて、今は住宅販売の営業マンとしてバリバリやっていたのでした。なんか結構無理のあるような設定の気もするのですがそこは気にせず進めます。
そんな小雪先生の仕事っぷりを見学することになった一国一城、はじめは黙って小雪先生の営業トークを見ていたのですが・・・和室とリビングがバリアフリーになっているのを見て、レーシングカーのおもちゃで走りまわります。
サーキットの狼テイスト
「四輪ドリフトだーっ!」
思いっきり邪魔してますね。しかもさりげなくサーキットの狼テイストになっているあたりさすが池沢先生です。 その後、試しにセールスをやらせてくれと申し出る一国一城。その意気込みが凄い。
無茶な説得力
「これだけのでっけえ家を売ろうってんだ、オンナの百人や千人ッ口説くぐらいのパワーが必要だぜ!!」
やはりここでもオンナに例えてきました。なるほど住宅販売はナンパ1000回分ぐらいのパワーが必要なんですね。最近の草食系男子とかには到底無理そうな感じです。そして一国一城の注目のセールストーク。
孫をダシにするのは上手いですね
「バリアフリーだとお孫さんが遊びに来て駆け回ってもケガしないんですヨ」
お年寄りのための設備であるバリアフリーのまさかの新解釈によって、老夫婦に家を売ってしまいます。おじいちゃんおばあちゃんは、お孫さんに弱いですからね。それにしても試しにセールスしてみたら家一棟売っちゃいました。まるで甘栗むいちゃいました感覚。恐るべき一国一城のセールスの才能が開花したのです。
歯の浮くようなトークです
「家が主人公じゃないんですッ ここに住むお二人がヒーローでヒロインなんです!」
ちょっと何言ってるんだか分からない・・・
「ただ家や土地を売るんじゃないッボクたちの目的はドキドキ感のある真心のサービス、ソコにあるんだ!」
その後もまさにスピードワゴンもビックリの歯の浮くようなセールストークでバカスカ家を売りまくる一国一城。そ、そんなに簡単に売れちゃうもんなんですかねマイホームって・・・。
そんなリアル住宅セールスマンが激怒しそうな展開のマンガなのですが、さすがに不動産マンガらしく、不動産っぽい知識もちゃんとマンガに散りばめられております。
それは知りませんでした
たとえば「掘り出し」「激安」「破格」「早い者勝ち」不動産の広告では不当な使用禁止用語だったり・・・。
勉強になります
徒歩6分とかかれている物件は実際には10分かかると思った方がいいとか。徒歩1分は80mと決められており、坂道や信号待ちなどは含まれてないため、実際には1~2割り増しになるそうです。 等々・・・こういった専門知識はマイホームを買おうとしている人にはきっと役に立ったりすることでしょう。ちなみに、この作品至高の名言もご紹介しておきましょう。
なんという独自理論
「俺、家を創るってお客さんとのSEXだと思うんです!」
ドドーン!そうだったのか・・・その発想は無さすぎました。凄いぜ一国一城。言うに事欠いて言ってることがムチャクチャだぜ!
さらに作品のクライマックスは、池沢先生の趣味が入りまくりのフェラーリに一生を捧げた「フェラーリオーナーのための家」の提案で、ライバルのトップセールスマン、三樹京一と壮絶な住宅プレゼンバトル。そして出てきたのは渡辺篤史の建もの探訪もビックリのフェラーリハウスでした。
さすがフェラーリマニア
ガラス張りの中庭がフェラーリのガレージになっており、リビングやダイニングからはもちろん、お風呂に入っている時もフェラーリを眺め続けることができます。
そこまでするか
寝室のベッドの横の床もガラス張りになっており、寝室からもフェラーリを眺めることができます。
消防署なみの設備
しかも、万が一のためにガレージに滑り降りるバーまで設置。こんなの消防署でしか見たことない設備です。
完全に変態ですね
究極なのは、特殊な車を隠すためのボードが電動で自由自在に動き、あえて隠されたフェラーリの車体の一部だけをチラ見することができるという変態チックな設備をご用意!パンモロよりもパンチラがいいというチラリズムの心理と一緒ですね。
そんなワケでマイホームに対するあなたの人生観を180度変えてしまうかもしれない作品「痛快!!マイホーム」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?マイホームを検討している人はもちろん、この不況時代に住宅販売で頑張っているセールスマンにとっても大いなるヒントが隠されているかもしれません。とりあえず「家を売るにはオンナの百人や千人ッ口説くぐらいのパワーが必要」 「家を創るのはお客さんとのSEX」あたりの名言はおさえておきたいところですね。
第2部はあるのか・・・?
ちなみに本作品、コミックスで2巻まで刊行されており、ラストは「第1部完」となって華麗に終了しているのですが、いまだに第2部が始まる気配がありません。最近マイホームに興味の出てきたJ君としては第二部スタートを熱望しているんですが、もう諦めた方がいいんでしょうか・・・。
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出典) 「痛快!!マイホーム」 新潮社/池沢さとし
参考) Amazon → ■ レビュー) ■ ■ ■
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