「ザ・松田」このマンガがクドい! 細かいことが大嫌いなヒーロー

このマンガがクドい! 細かいことが大嫌いなヒーロー 「ザ・松田」








いんだよ細けえ事は!
こんにちはJ君です。11月ということでそろそろ年末っぽい雰囲気になって来ましたね。12月になると流行語大賞とかレコード大賞とか欽ちゃんの仮装大賞だとかいろいろ一年の総括っぽい発表がされはじめます。え?仮装大賞は年末じゃないって?いんだよ、細けえことは!!

ところで12月になるとマンガ界でも例年「このマンガがすごい!」が発表されるわけですが、なぜか当サイトでレビューしたマンガは「このマンガがすごい!」にことごとく選ばれません。マンガレビューサイトとしては誠に遺憾なことです。そんなわけで当サイトは今年一番クドかったマンガに「このマンガがクドい!大賞」を勝手に贈ることにしました。そしてそのマンガの名は「ザ・松田」です。


「ザ・松田」は別冊漫画ゴラクに連載中の作品です。作者は平松伸二先生ですが、当サイトでは過去にマンガ版モンハンこと「モンスターハンター」をご紹介して色々とアレな反響をいただきました。今回の「ザ・松田」は平松先生の代表作である「ブラックエンジェルズ」の主要キャラ松田鏡二のストーリーで、「ブラックエンジェルズ」のスピンオフ的作品といえます。

ブラックエンジェルズ

「ザ・松田」を語るためにまず「ブラックエンジェルズ」から説明しておきましょう。「ブラックエンジェルズ」は現代版必殺仕置人とも言うべき作品で、主人公の雪藤洋士をはじめとしたブラックエンジェル達が法で裁けぬ外道どもを倒していくダークでありながら実に爽快な作品でした。松田は元々刑事だったのですが、そのあまりのバイオレンスっぷりで刑事を懲戒免職となり、その後ブラックエンジェルに参加し、主要キャラとして活躍します。

松田優作がモデル

松田はブラックエンジェルズ作品中で、恋人に贈るための花を握ったまま、マシンガンの弾丸で頭を撃ちぬかれて立ったまま絶命するという壮絶な死に方をします。

壮絶な死亡シーン

しかし、その後にスーパージャンプに連載された「マーダーライセンス牙&ブラック・エンジェルズ」という作品で死んだと思われていた松田が華麗に復活します。誰もが完璧に死んだと思っていた松田が突然の復活。なにしろ脳天を撃ちぬかれてるんですからどう考えても死んでますよね。それなのに事前の伏線など一切なしで突然復活を遂げるのです。

まさかの復活

確かにマンガでは主要キャラが復活することは珍しくはありません。キン肉マンなら命の玉をもらってサクっと生き返りますし、ドラゴンボールでもシェンロンに頼めば余裕で生き返ります。男塾にいたっては王大人(ワンターレン)が中国四千年の秘術でジャンジャン生き返らせてくれますよね。かなりご都合主義ではありますが、キャラ復活にはファンを納得させるためのそれなりの理由というものがあるわけです。

もちろん松田の死亡シーンは「ブラックエンジェルズ」屈指の名シーンだったわけですから、相当な理由(わけ)がないと読者も納得できないはずです。では果たして松田が生き返った理由とは一体何なのか?それはズバリ・・・

伝説誕生の瞬間

「いんだよ細けえ事は!」
まさかの理由なし!!いやいや、全然細かいことじゃないと思うんですけど。
このマンガ史上稀に見る強引な復活劇で松田というキャラが逆に話題となり、「ザ・松田」としてスピンオフされるに至ったわけなのです。ちなみにネットで見かけるこのAAの元ネタにもなっていると言われています。

で、問題のクドすぎる新作「ザ・松田」ですが、「いんだよ細けえ事は!」がすっかりキメ台詞として定着してしまったようで、作品中の至る所に松田の細かいことが嫌いなシーンが出てきます。しかもかなり無理やりです。

不良高校生にナイフで腹を刺された時には・・・

細かいことか?

「いんだよ細けえ事は!!」
ってことで、全然効いてません。松田さんにかかればナイフの刺し傷なんて蚊に刺された様なものなのです。しかも

ガムテープかよ!

実際ガムテープ貼って治してます。

インチキ教祖に体を捧げてしまい後悔している女性には・・・

セクハラだけどカッコイイ

「いんだよ細けえ事は!!クヨクヨすんじゃねえ あそこは使ったって減るモンじゃねえしよォ!」
その辺の大人が言ったらセクハラで大問題になりそうなセリフですが、細かいことを気にしない松田さんなら全く問題ありませんね。

サーロインステーキを10枚平らげて突っ込まれた時には・・・

食い過ぎだろ

「いちいち数えてやがったのかオメエ・・・細けえ野郎だな実際は!」
どうやら食べる時も細かいことは気にしてないようです。ステーキ10枚はさすがに気にしろよ・・・。

そして、これが究極!!なんと無数のマシンガンの弾丸を手で弾き返すシーンです。

たしかに細かいけど・・・

「オレは細けえのがでえっ嫌えなんだ~!!」
なんと物理的に細かいものも大っキライみたいです。っていうか大嫌いだからって弾き返せるシロモノじゃないと思うんですが。
まあ・・・とにかく細かいのが大嫌いな模様です。

ここまででも十分クドさが伝わってると思いますが、こんなものはまだ序の口です。ストーリーの方もちょっとだけご紹介しておきましょう。

まさかの黒人設定
なんでAV男優なんだよ・・・

一話目からしてブッ飛んでます。松田がなぜか全身黒塗りになっており黒人AV男優マヅーダという設定で登場。いきなりオネエちゃん達とやりまくるシーンからスタートです。もちろんそこに至るまでの説明は一切ありません。初めて読んだ人なら主人公が黒人だと勘違いするレベルです。っていうか、なんだよマヅーダって。黒人の名前としても無理ありすぎるだろ・・・。

今回も外道退治です

ストーリーは外国人女性をレイプしてAVにするのが趣味の外道なAV男優をマヅーダ・・・いえ、松田が成敗するという内容なのですが、「黒人が大っキライな元総理」というジジイが出てきてマヅーダにお仕置きするシーンが壮絶すぎるのでご紹介しておきます。

放送コード的にアウト

「このクロめのせいで!!クロめが!!クロめが!!ブラックめが~!!」
いろいろアウトだろ・・・このシーン。

その他にも、空中浮揚をする某教祖のいるカルト宗教を一人で壊滅させたりと、外道たちをほぼオール暴力で世直しをしていくのですが、ストーリーに時事ネタをふんだんに取り入れているあたりも作品の見所だったりします。

歌舞伎界のエビちゃんも登場

酒癖が悪い事で有名な某人間国宝の若手歌舞伎役者と対決してみたり・・・



国際問題なんて細かいことは気にしない

尖閣諸島にでっかい松田入りの日本国旗を掲げてみたり・・・
また、おそらく単行本2巻で収録されるであろう、震災関連の話もすごいです。

まさか・・・

大地震でひん曲がった東京タワーに縄をブン投げて・・・

直せるのか!

一人で東京タワーを引っ張って直します。スゲえ・・・この男がいれば一人で日本復興できるレベルですね。

いろんなドラマを盛り込んでます

さらに、震災のショックで言葉がしゃべれなくなっていた子供がこのシーンを見て言葉をしゃべれるようになるという・・・
なんというミラクル感動巨編!よくわからんがとにかくスゴい!!

こんな感じで細かいことは気にせず次々と日本を世直しする男、「ザ・松田」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?不況、リストラ、災害、そして増税・・・ストレスだらけで言いたいことも言えないこんなポイズンな世の中で、あえて「いんだよ、細けえ事は!」と豪快に言い放ってしまうこの男こそ現代社会が求める新しいヒーロー像なのではないでしょうか。今後の「ザ・松田」の展開にも超期待です。普段細かいことばかりでイライラしている貴方にこそ読んでほしいスカっと爽快なマンガですよ。まあ、スカっと爽快と言いながらクドいって矛盾してますけど・・・いんだよ細けえ事は!

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出典)「ザ・松田」 平松伸二/日本文芸社  Amazonで見る

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