女だったら女帝を目指せ! 究極の成り上がりホステスマンガ『女帝』

女だったら女帝を目指せ! 究極の成り上がりホステスマンガ『女帝』(日刊サイゾー2016/8/11掲載)

「日刊サイゾー」の読者の皆さん、こんにちは。皆さんは「成り上がりマンガ」は好きですか? 成り下がってばかりの潜水艦のような人生を送っている僕にとって、「成り上がりマンガ」は最高のカタルシスです。

このジャンルは、男性が主人公の作品が多数を占めています。スポーツマンガ、任侠マンガ、格闘マンガ、ビジネスマンガなど、多くの男性向けマンガは「成り上がる」こと自体が命題となっているので、当然ですね。

では、女性を主人公にしたマンガはあるのでしょうか? もちろんあります。それも、強烈なやつが。今回ご紹介する『女帝』です。

『女帝』は熊本出身の女子高生・立花彩香が、大阪の場末のスナックからスタートして、銀座で「女帝」と呼ばれるようになるまでの半生を描いた、ノンストップホステス成り上がりマンガです。何がノンストップかというと、一度読み始めると次の展開が気になって仕方がない、読んだら最後、You can’t stopなマンガなのです。それだけストーリーが精巧に練り上げられているということなのですが、今回はそんじょそこらの成り上がりマンガに対して『女帝』がどのぐらいすごいのかを、解説していきたいと思います。

 

■成り上がる必然性ありまくりな壮絶設定

母子家庭で、スナックをしている母に育てられた彩香。高校では生徒会副会長になるほどの秀才でありながら、水商売の娘というだけで周囲に蔑まれる日々でした。そんな彩香に、ひそかに恋心を抱く男子高校生がいました。杉野健一、生徒会長であり、地元の大手企業、杉野建設の御曹司でもあります。

高校卒業間際、杉野は彩香をレイプ同然で襲うのですが、杉野が父の権力を使って、彩香が誘惑したことにしてしまいます。この頃から、男や権力に対して憎悪を燃やしだす彩香。

加えて実家のスナックは、杉野建設がバックの地上げ屋に嫌がらせをされており、心労で母が倒れてしまいます。さらに、病院の診断結果で末期がんが判明するのです。あまりに悲惨な状態からのスタートです。


男への復讐が原動力

 

■男たちへの復讐が原動力

母ががんで亡くなり、天涯孤独となって熊本の地を離れ、大阪でホステスとして生きることを決意した彩香。しかし、杉野をはじめとした卑怯な男たちや汚い権力者たちへの復讐心がメラメラと燃え上がっていました。

「学力も力もないわたしだけど一つだけ武器がある!! 女という武器が、この武器を使ってのし上がってやる」
「男の上に君臨する、女帝になってやる…!!」


高卒ですでに女帝志望

高卒にして、すでに「女帝」になることを決意します。しかも、野望達成のためなら体を張る気もマンマン。単なるお小遣い稼ぎでポロリと脱ぐのとは、気合が違うという話です。

 

■処女であることを最大限に活用

ホステスとして生きることを決意した彩香ですが、実はまだバージン。そして「処女は貴重なはず、高く売れるはず」という信念のもと、女帝になるためのワンステップとして、己の処女までも利用します。

大阪で出会ったスケコマシのヤクザ、伊達直人にバージンを奪われそうになるシーンがあるのですが、こんなセリフでピンチを切り抜けます。

「この肉体をあげる時は勝負する時や! 女として一世一代の勝負する時に処女を捨てるんやッ!!」
「高おに売ったるんや!! だからナオトに抱かせるわけにはいかんのやあッ!!」


処女は高く売れ!

ベッドでこんなセリフ言われたら、どんな絶倫男でもシュンとなるってもんですよね。そんな感じで彩香のバージンブレークのエピソードだけでも、前半はめちゃくちゃ盛り上がります。

そんな彩香がバージンを捧げるのは、見た目はキモいけど、超大金持ちの爺さん。ミナミの妖怪と呼ばれる、美濃村社長です。

「どうせ抱かれるなら最初は醜い男がいい!! これから先、いろいろな男たちがわたしの肉体を通り過ぎていくだろう…! なら、最初に一番醜い男に抱かれれば、あとはどんな男でも受け入れられる! わたしは女帝になるんだ…」


結構酷いこと言ってる

こんなポエムをつぶやきつつ、ジジイに抱かれる彩香。しかしそのおかげで、ミナミのクラブでナンバーワンとなり、その勢いで銀座へ進出します。処女を捧げたご利益はメチャクチャありました。

 

■ムダに多いシャワーシーン&着替えシーン

十分すぎるほど読ませるストーリーの『女帝』ですが、サービスシーンなのか、なんなのか、毎回のように、彩香のド迫力のシャワーシーンや着替えシーンが出てきます。裸体のゴリ押し、これも、『女帝』ならではの演出なのです。


シャワーシーン多すぎ

 

■『女帝』という言葉がカジュアルに飛び交う

皆さんは、日常生活で「女帝」って言うシーンはありますか? 普通の人はあまりないと思いますが、このマンガでは日常会話として普通に「女帝」という言葉が飛び交います。

「あの女は女帝なんかじゃない、わたしこそが女帝なのよ!!」
「お前も負けんな、お前は女帝になったれや!!」
「彩香やからでけたことや、さすが女帝・彩香やな…!!」
「彩香という一人の女の力…まさしく女帝にしかできないことだ…女帝・彩香にしか…!!」
「やっぱ彩ちゃん、銀座の女帝だね…!!」

こんな感じで、彩香の周りの人物たちが気軽に「女帝」と口にするので感覚が麻痺してきますが、職場で隣にあだ名が「女帝」の人が座っていたら、僕は結構嫌です。

 

■ホステスの老後まで心配してこそ「女帝」

『女帝』という作品のすごいところは、彩香が成り上がった時点で終わりではないところです。引退したホステスの再就職先として割烹を経営したり、クラブを辞めたホステスがみんなで働けるように伊豆の旅館を買ったりします。さらに、結婚せずに年老いたホステスたちがお互い介護し合う環境まで整える彩香。単なる成り上がりマンガだったら、ここまで描かないですよね? っていうか、たぶんそんな話を描き始めたら、普通は打ち切られます。成り上がるだけじゃない、老後まで描き切ってこその『女帝』なのです。


ホステスの老後を語る女帝

 

■究極のどんでん返し設定、実は「総理大臣の娘」

水商売の娘ということで少女時代からさんざん蔑まれてきた彩香ですが、なんと実の父親が時の総理大臣だったことが判明! 大逆転のスーパーチート設定で、彩香を陥れようとしていた周りのライバルたちの度肝を抜きます。女帝のパパが総理大臣。ほかのマンガでは、こんな最強設定は、なかなかお目にかかれないですよ。

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というわけで、女成り上がりマンガの究極系『女帝』をご紹介しました。このほかに、女帝シリーズとして『女帝 花舞』 『女帝 薫子』 『女帝 由奈』などがありますので、併せて読んで女帝コンプリートを目指してみるのもオススメです。

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引用)
『女帝』
倉科 遼 / 和気 一作 / 芳文社 / グループ・ゼロ

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