ハヌマーン ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団 前編

伝説のタイ版ウルトラマン 前編



こんにちはJ君です。皆様はウルトラマンをご存じでしょうか?そう、円谷プロが誇る特撮ヒーローシリーズです。中でも初期のウルトラ兄弟シリーズは現在でもカリスマ的人気があります。初代ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオ・・・誰もが一度は聞いたことがある名前なのではないでしょうか?



その後もウルトラマンは現代まで進化を続け、最新作、ウルトラマンネクサスを含めると実に約30人もの兄弟を有する大家族ドラマへと発展しておりました。勢揃いすると、赤と青とのコントラストで目がチカチカするほどです。日本では少子化による深刻な年金問題まで発生しているというのに、M78星雲では未だに「生めよ増やせよ」政策のようです。驚きですね。



そんな長いウルトラマンシリーズの歴史の中でもとりわけ異色の作品が存在します。その名も「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」。どこが異色かといいますと、なんとこの作品、日本とタイの合同作品。ウルトラマンが活躍する舞台がタイランド。出演者も全てタイ人というまさに幻の作品なのです。タイの有名人といったらJ君はサガットさんぐらいしか知らないものですから、それはもう驚きました。

 魅惑のタイトル



そして、このタイで活躍する「ウルトラ6兄弟」というのはいわゆるウルトラマンタロウ以前の6兄弟、ゾフィー、ウルトラマン、セブン、新マン、エース、タロウのことなのですが、当時の子供達にとってウルトラマン兄弟がオールスターでスクリーンに登場するという状況は夢のまた夢。本当にすごいことだったのです。翼君と岬君と日向君と松山君と三杉君と若林君が同じチームになったとしても全然太刀打ちできないほどのすごいインパクトがある出来事、それがタイで実現したのです。オープニングからしてファンにはたまらないことでしょう。



 長男ゾフィー

 エースに・・

 タロウに・・

 初代にセブン



・・・・あれ、なんか途中に変な物体が見えたんですけど、気のせいかな?

目の錯覚かもしれないので、もう一回確認してみましょう。



 左になんかいる・・

 右になんかいる・・

??



 

・・・・あんた、誰?

なんかブサイクな怪獣が混ざってます。なにこれ、お呼びでないんですけど



このブサイクな怪獣、実はタイのオリジナルウルトラマン「ハヌマーン」というキャラなのです。そう「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」というタイトルでありながら、実はこの映画の主役はタイのウルトラマン「ハヌマーン」なのです。



さて、衝撃の事実が公にされる中、しめやかにストーリーを紹介していきましょう。強烈な太陽による異常気象の結果、水不足となってしまったタイの国、タイの国民達は水を求め、天に向かってお祈りを捧げる毎日です。



 異国情緒溢れまくり

舞台はいきなり、雨乞いの踊りのシーンから始まります。とてもウルトラマンとは思えない異国情緒たっぷりの出だしです。その踊りの中心には、白い猿の仮面をかぶって踊る一人の少年がいました。彼が主人公の「コチャン」。タイの守り神「白猿ハヌマーン」になりきって雨乞いの踊りを踊っています。どうやら彼は少年達の中でもカリスマ的な地位にいるようです。いきなり壇上に立って、「俺はハヌマーン!雨を降らせたまえ!」とか叫んでいます。

 

ちょっとジョジョの1シーンを思い起こさせます。そのうち石仮面をかぶって美女の生け贄に(以下省略)。

 本文とは関係ありません



そんな少年達のリーダー「コチャン」に突然の悲劇が起こります。寺院から仏像を盗もうとする盗賊達を発見し、果敢に飛びかかるコチャン。しかし、盗賊に銃で殺されてしまうのです。勇敢なリーダー、コチャンの突然の死に嘆き悲しむタイの少年達。

 



しかし、M78星雲のウルトラ兄弟達は、この少年の勇敢な行動を見ていました。この少年コチャンこそ、タイを救うヒーローに相応しいと。そこでウルトラの母が登場です。



 魅せられて・・



・・・断じてジュディ・オングではありません。大晦日の小林幸子でもありません。ウルトラの母です。なんと、ウルトラの母の超能力は死んだ人間をヒーローとして蘇らせることができるというもの。さっそくウルトラの母はコチャンの遺体をゲットにかかります。



 何がでるかな・・?

さあ、ウルトラの母のマジックハンドが炸裂!





 怖っ!

うわあ、でたー!(母の手が)



 

逃げまどうタイの人々(そりゃ逃げるだろ)



 罰当たり・・

コチャンの遺体をウルトラの母がゲット!



 

いきなりコチャンを持って行かれて唖然とするタイの人達。ウルトラの母ってば、なんて強引なんだ!UFOキャッチャーかよ!



 謎の儀式

そして、M78星雲でのオカルティックな儀式のあと、ウルトラの母の手によりコチャンは復活するのです。そう、伝説の白猿「ハヌマーン」として・・・。





 



どどーん!

なんでこんなブサイクな怪獣に。普通に人間として蘇らせてあげればいいのに、迷惑な話です



 カッコ悪い飛び方

ちなみにタイ国上空を飛び回る「ハヌマーン」のお姿。今さっきと全然飛び方が違うのが気になります。





タイを救うために「ハヌマーン」として蘇ったコチャン。さっそく、ヒーローのお仕事開始です。最初に取りかかった仕事は、もちろん自分を殺した仏像泥棒への復讐でした。



 

巨大化して仏像泥棒を追いかけ回すハヌマーン。すごく怖いです。観ている子供はきっとトラウマになるんじゃないでしょうか。さすがに私怨なだけあって、セリフも容赦ありません。



 完全に私怨です

「生かしてはおけぬ!」

「逃げられると思っているのか?」

「お前達を殺してやる!」

「うらぁー!」

「ほーら逃げろ逃げろ。」

「仏様を大切にしろ!大切にしないやつは死ぬべきなんだ!



正義のヒーローらしからぬ超過激発言。まるで北斗の拳に出てくるザコキャラのようです。えーと、この映画、見ている人は大半が子供なんですけどいいんでしょうか・・・・?タイの文化ではこういうのはアリなんでしょうか?



 

 プチュッ!

そして盗賊の最後の一人を手でブチュッと潰してフィニッシュ。どう考えてもやってることは怪獣と変わりません。



さて、個人的な恨みを晴らし終わったあとは、タイの人達を助けなければいけません。そう、太陽の異常接近による猛暑と水不足の解決です。そこで、ハヌマーンは、直接太陽を説得しに行くことにしました。「え、太陽を説得ってどういうこと?」はいはい、意味が分からないですよね。次のシーンを見ていただければ一目瞭然です。



宇宙空間を抜け、太陽のところに説得に行くハヌマーン。



 太陽の中の人

はい、この方が太陽です。頑固そうですね。さて、ここからは、正義のヒーローハヌマーンと、太陽の中の人が本当に行った会話の一部です。

 交渉中・・

ハ 「お前は地球を焼いてしまうつもりか?」

太 「なんだってぇ?」

ハ 「お前の炎は近頃激しすぎるぞ!」

太 「そういえばそうだな・・・。」

ハ 「お前のために雨も降らないんだ!」

太 「それは気の毒なことをした・・・。」

ハ 「地球からもう少し遠ざかってくれ!」

太 「そうしよう・・・。」



 遠ざかりました

地球から遠ざかっていく太陽・・・・。すごいよハヌマーン!太陽を説得しちゃったよ!太陽もなかなかどうして話せるヤツだったということが分かりましたね。



そんなわけで、タイ国にミラクルを引き起こした「ハヌマーン」。

しかし、これはタイ国を襲う脅威のほんの始まりに過ぎなかったのです。



後半では「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」+「ハヌマーン」で、ウルトラマンの常識を覆す信じられないような光景が繰り広げられます。乞うご期待。



 コイツら異常だぜ!






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参考) レビュー →    

出典)「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」 (C)円谷プロ/松竹富士

    「ジョジョの奇妙な冒険 1巻」 集英社/荒木飛呂彦


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