中国超人 インフラマン 前編

三国一のヒーロー 中国超人インフラマン 前編








特撮ヒーロー大国日本、まさにそう言ってもいいでしょう。ウルトラマンはもちろん、宇宙刑事ギャバンを元祖とする宇宙刑事シリーズ、秘密戦隊ゴレンジャーを始祖とする戦隊シリーズ、さらにはイケメン文化がすっかり浸透した仮面ライダーシリーズ等々、我が国のヒーロー達はあげればキリがありません。



しかし、驚くべきことに中国にも特撮ヒーローが存在していたのです。それも飛び切り強いヤツがです。その名も「中国超人インフラマン」。中国超人・・・国の名を背負い、文字通り中国が威信をかけて送り出すスーパーヒーロー。どこぞの魔法戦隊あたりとは全然重みが違いますね。もちろん中国超人といってもこの人ではないので誤解なきようお願いします。




右から読みます



というわけで、本日ご紹介するのはこの「中国超人インフラマン」。日本の特撮ヒーローをモチーフに中国テイストを織り交ぜて1970年代に製作された伝説の香港ムービーです。果たして一体どんなことになっているのでしょうか?



早速ストーリーを紹介してまいりましょう。突如中国全土を襲った謎の魔物達。次々に起こる謎の爆発により一面は火の海に。中国四千年の歴史を揺るがす大ピンチが襲います。



微妙にハリボテっぽい



そんな中、中国危機を救う組織が存在しました。ウルトラマンでいえば科学特捜隊にあたる地球防衛軍のような存在。その名も・・・



研究所か・・・

科学研究所。

普通!いたって普通のネーミング!本当に大丈夫なんでしょうか。



カッチリヘアーの所長

その中国の希望たる科学研究所を取り仕切る所長がこのお方。リュー所長。頭髪のあたりに人類科学の粋を感じさせる(要するにヅラっぽい)、ダンディーなリュー所長のもつ科学力こそが中国全土の運命を握っているのです。もちろん科学研究所ですから、施設もこの通り最先端を行っています。



ハイテク?設備

魔族があらわれると赤と青のゴージャスなランプがついて知らせてくれる優れものです。ちょっとオシャレなデザインのこのランプ、小粋なインテリアとしても不自然さはありませんね。そして、ランプが点滅!敵襲です・・・なんと中国を襲った敵のボスが科学研究所のスクリーンをハッキングして宣戦布告します。



おばさんじゃん・・

「地球人よ聞け!氷河魔王女だ!」



このコスプレお姉(?)さんが中国大陸を震撼させた悪の大ボス氷河魔王女です。リュー所長によれば、氷河魔王女率いる氷河魔族は、今から2千万年前の氷河期で地底に閉じこめられ、じっと地底に住んでいたが、今頃になって地上が大丈夫だと気付いて地球征服を企みはじめた邪悪な高等生物なのです。



そして、その大ボス氷河魔王女が率いる世にも怖ろしい氷河怪人達がコイツ等です。



シュールな怪人達

・・・うん、わりと楽しそうですね



シワシワの旗・・・

ちなみにこれが氷河魔族の旗。ちょっとアイロン掛けが足りないみたいです。



さて、一方で氷河魔族達と戦うための準備を着々と整えるリュー所長達。その目玉とも言えるのが、中国の科学の粋を集めた人造人間インフラマンなのでした。インフラマンの改造手術を受けるのは科学研究の所員、レイ・マ。地球平和のために命を賭けて闘う正義漢です。



主人公レイ・マ



そしてインフラマンへの改造手術が開始されます。

棺桶?

何しろ世界最高峰の二足歩行ロボット「先行者」を開発した国ですから、ロボットの技術には一日の長があるはずです。さぞかし高度なサイボーグが・・・



こんな部品でいいの?

おいおい・・・大丈夫?なにやらすごい部品が埋め込まれてますけど・・・

リュー所長がレイ・マに改造手術を施す中、氷河魔王女は手始めに怪人ドリラー怪人プランターという2匹の氷河怪人達を刺客として科学研究所に送り込みます。

ドリラー&プランター



まずは研究所の所員を一人とっ捕まえて拉致する怪人ドリラー。





一方怪人プランターは、なんと巨大植物となって大暴れ。恐ろしい触手で科学研究所を破壊しまくります。



そしてなんと、研究所の電源装置が破壊されてしまいました。このまま電源が供給されないとインフラマンの改造手術中だったレイ・マに命の危機が。なんとか非常電源装置のスイッチを入れなければ!頑張れ研究所員!



分かりやすいスイッチ

・・・それにしてもベタなスイッチですね。

そんなこんなで電源が再び供給され、ついにインフラマン改造手術が完了!

目がでかい



さあ、インフラマンよ、研究所の外で暴れている怪人プランターを退治にいざ出撃だ!



クルッとジャンプ

ヒョイーン!

なぜか名前を知ってます

「インフラマンだ!」



・・・敵はすぐ近くにいるのに、なぜか無駄に空を飛んでいたような気がするのですがたぶん気のせいでしょう。とにかく怪人退治です。



本場のカンフーアクション

さすが香港ムービー。怪人との格闘シーンはカンフーの要素をふんだんに盛り込み、着ぐるみながらも実にキレのイイ動きを見せます。そしてインフラマンの必殺技「噴火弾」が炸裂します。





ダーツの矢のようなものをめいっぱい取り出して



明らかに花火

敵の足もとめがけて投げつけます。すると火炎が吹き出して敵に大ダメージを与えます。なんか単なるドラゴン花火っぽい感じがするんですけども、とにかく必殺技なのです。





そしてとどめはインフラマンの超十八番、「超人ビーム」



ウルトラマン・・・?

ウルトラマンのスペシウム光線を思わせる構えから・・・



控えめな光線

細いなー!

しかし、見た目はアレですがその威力は抜群。見事超人ビームで怪人プランターを倒します。





その頃、先ほど怪人ドリラーが拉致した研究所員ミンは氷河魔王により怪しげなマシーンで洗脳されていました。

ミン、洗脳中

うん、このマシーンなら絶対洗脳される

そして、インフラマンの設計図を盗むためにスパイとして科学研究所に送り込まれたミン。



様子がおかしいです

このように目の下にクマがあったら、それは洗脳済みのサインです。そして、インフラマンの設計図をまんまと盗み出したミン。それに気付いて追いかけるレイ・マ達。そこには新たな怪人が待ちかまえていました。





ところで、日本の特撮ヒーローはゴレンジャーのように5人の戦隊で、怪人や敵の戦闘員達と戦う、いわば「5対多数」の対決がオーソドックスです。しかし、インフラマンでは・・・研究所員がみんなで敵と戦ってくれます。いわば「多数対多数」の構図。さすが三国志の国、中国。合戦のスケール感が違いますね。

みんなで参戦



しかも科学研究所の所員達は、なぜかみんなカンフーの達人。単なる科学者達じゃないようです。頭が良くってカンフーもできる、さながら理系の少林寺といった感じでしょうか。



お約束ですね

そして、これも特撮もののお約束。ピンチと見るや巨大化する怪人



敵が巨大化したらもちろんヒーロー側も対抗するのがお約束。もちろんここは、巨大ロボを呼び出して・・・





えー?

・・・って、なんとインフラマン自ら巨大化を始めました。

しまった、ウルトラマン方式だったか!そうくるか中国!っていうか、両方巨大化したら意味が無い気がするんですけど。



巨大化しても結局一緒

巨大化したインフラマンは豪快に怪人を投げ飛ばします。やってることは小さいときと何ら変わりません。インフラマンの攻撃でパワーダウンした怪人は元のサイズに。そして・・・





緑の体液がグロいです

最期は巨大化インフラマンにプチュッと踏まれて死亡。ひ、酷い・・・。ていうかインフラマン、最初から巨大化しておけばよかったんじゃないのか・・・?



そんなわけで、日本のヒーロー達もしっぽを巻いて逃げ出す中国超人インフラマン前編、いかがだったでしょうか?後半では氷河魔族達はいよいよ本気を出してきます。そしてインフラマンもちょっと信じがたいような新必殺技が!是非とも後半にご期待くださいませ!








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参考) レビュー →      Amazon → 

出典) 「中国超人インフラマン」 キングレコード

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