究極の勧善懲悪ヒーロー 「まんが 水戸黄門」

究極の勧善懲悪ヒーロー まんが水戸黄門









ビューティフルモーニング オブ 黄門

こんにちは、J君です。日本を代表する時代劇「水戸黄門」、知らない人は皆無だと思いますが、長寿番組だけあって助さんが黄門様に出世してみたり、照英が怪力忍者で登場したり、石坂浩二の黄門様の衣装だけなぜか仲間はずれだったりと、なにかと話題には事欠きません。しかし安定感のある番組ゆえに、刺激と言う意味ではやや物足りない部分もあるのも事実。



そこで本日ご紹介したいのは、水戸黄門史上最も刺激に満ち溢れた作品、「まんが水戸黄門」をご紹介したいと思います。「まんが水戸黄門」・・・タイトルだけ聞くとなんともほのぼのした雰囲気が漂っていますがとんでもない。どんな黄門フリークも腰を抜かすほどの強烈なインパクトをもったアニメだったのです。


この「まんが水戸黄門」は、トリビアの泉で紹介されるまでは、名だたる黄門マニア達の間でも詳細がほとんど知られていなかった、いわば「闇の水戸黄門」です。放映していたのは1980年初頭の東京12チャンネル。今でいうテレビ東京です。



「まんが水戸黄門」は、なんといっても水戸黄門のアイデンティティを完全に崩壊させてしまうほどのオープニングテーマが魅力(参考1 参考2)。マジンガーZを思わせるようなロボットアニメ風のイントロで始まり、キッズたちのハートをがっちりキャッチします。





 



助さんの手からこれでもかと繰り出される遠近法無視の巨大な印籠。そして、黄門様のバックに神々しくドーンと輝く葵の御紋。これぞまさに権力の化身。実写版ではありえない大胆なカットのオンパレードでまさに子供達期待の新世代ヒーロー「ザ・黄門」の登場を予感させます。





チャンバラメインです



そして、サビのパートに入ると「チャンバ~ラ~ チャンバ~ラ~」と妙に色気のある美声が響き、これまでの緊張感から一転、脱力ムードに。このどうしようもない虚脱感は聴いていただかないと分からないと思うのですが、実際、この主題歌のタイトルは「ザ・チャンバラ」。「水戸黄門とは、すなわちチャンバラである」、もっとハッキリ言えば「主役は助さんである」という、本作品独自の水戸黄門の定義がこのサビからビンビンに感じ取れるわけです。いろいろと不安ですね。



そんな魂を奪われるかのようなオープニングテーマの次はキャストのご紹介です。





印象弱めの黄門様



ご存知、水戸光圀御老公様。放映時期のせいもあってか、西村晃演じる二代目水戸黄門のイメージを残したいいおじいちゃん風の黄門様です。少なくとも石坂浩二っぽさは皆無





実質メインの助さん



助さん。本作品の実質上の主役。顔もイケメンな上、ストーリーの美味しいところはほとんどこの男が持っていきます。「流星十文字斬り」「葵三ツ葉返し」といったカッチョいい必殺技を持っており、中盤で必ず助さんのチャンバラシーンが挿入されます。だいたい助さん一人で30人ぐらいまで倒せるので思わず「それなんて無双シリーズ?」と問いたくなります。






格さんだけに服の模様が角形です



格さん。怪力&ずっこけ担当。なぜか格さんがうっかり八兵衛まで包括したマルチキャラになっています。しかし、普段は黄門様が持っている「力だすき」なるアイテムをひとたび装着すると、突然「これさえあれば百人力!」などと言って聖衣(クロス)を着た聖闘士(セイント)のごとく超パワーアップ。大木を地面から引っこ抜いてブン回し、奉行所を倒壊させたり、人を上空高く放り投げたり、ぶん殴られた敵が岩にめり込んだりします。これまた一人で20~30人は殺れるレベル。いわゆる人間兵器です





要注意キャラ捨丸



捨丸DQNネームっぽいキャラ名がナイスな水戸黄門のオリジナルキャラで、常に犬とペアで行動します。どう考えても子供向けアニメなのでとりあえず子供キャラ出してみました的存在なのですが、いかんせん性格が超悪く、すぐに人の物を盗む癖があるため、そこらじゅうでトラブルを巻き起こします。しかし、そのトラブルがきっかけで結果的に、役人の悪事が判明したりするという典型的な結果オーライキャラです。






子供向けなのでお色気シーンは当然無しです



お琴ちゃん。旅の道中で合流する紅一点キャラ。萌え要素が薄く、ニーズが少ないと判断したため今回は説明を割愛させていただきます。







 
これが水戸黄門の話なのか?


第一話は品川港で密貿易に勤しむ悪奉行と商人を黄門様御一行が成敗するお話です。

オープニングから海上に謎の怪物「海坊主」が登場し、漁師達を次々と襲います。

J君が一瞬、「あれ、これってパイレーツ・オブ・カリビアンだっけ?」と錯覚させるほどの巨大な海上生物がしょっぱなから登場。とても水戸黄門とは思えません。





 
どんな技術だ


海坊主の目から放たれるサーチライトが助さん、格さんの乗る船を照らします。時代背景完全無視の豪快な展開もアニメ版ならではの魅力ですね。





 
何でも斬れる流星十文字斬り


しかし、人間とは思えない跳躍力で空中を舞う助さんの必殺剣「流星十文字斬り」により、海坊主の正体は偽装した南蛮船だということが判明。どっちにしてもサーチライトの説明はつきません






とりあえず敵に捕まってみる黄門様ご一行



舞台は奉行所に移ります。罠にはめられた黄門様ご一行は悪の裁きを受けます。しかし、黄門様の怒りの一声で勧善懲悪モードに。





 
人間凶器です


縄をぶっちぎった助さんが数十人単位で雑魚キャラをなで斬り。力だすきを装着し、スーパーサイヤ人のようになった格さんが奉行所を倒壊させ、一通り周りをビビらせたところで満を持して印籠登場です。





 



いわゆる黄門フォーマット



このように、どんな話の流れであろうとも、



格さんの怪力 → 助さんのチャンバラ → 印籠登場 → 一件落着



上記のような黄門フォーマットに乗せれば最終的には何でも水戸黄門として成立してしまうという実に画期的なシステムになっております。つまり、応用例としては



連邦軍とジオン公国の一年戦争 → 格さんの怪力披露 → 助さんのチャンバラ → 印籠登場 → 一件落着



あるいは



世紀末救世主伝説 → 格さんの怪力披露 → 助さんのチャンバラ → 印籠登場 → 一件落着



などといった超展開も可能かもしれません。不可能ですかそうですか。



ちなみに第二話では、格さんとお琴ちゃんが地雷原トラップをかいくぐりながら爆薬を密造する闇組織に潜入。最終的には助さん達も乗り込み、組織を壊滅させるという水戸黄門というよりは、どちらかというとメタルギアソリッドに近い展開で、助さんを思わず「スネーク」と呼んでしまいそうになるのですが、最終的には印籠が登場するのでやっぱり水戸黄門のお話でした。



 
これまた水戸黄門とは思えない展開




このように、実写版とは一線を画す豪快な展開ながら、なぜかきちんと水戸黄門として成立している。それがこのまんが水戸黄門本編の魅力なのであります。



最後に、まんが水戸黄門のエンディングテーマ「ビューティフルモーニング」をご紹介しましょう(参考1 参考2)。あまり知られてないのですが、これまたかなりの名曲です。映像はなぜか静止画切替方式を採用。とてもアニメのエンディングとは思えません。



なぜか設定資料風です



その静止画にのるサウンドはさわやかなニューミュージック風。全てが予想外なのです。サビはもちろん甘い美声で「ビュ~ティフルモ~ニン♪」ときます。どこが水戸黄門のエンディングテーマなんだ?と100人いれば100人が違和感を感じるであろうこの名曲は、黄門マニアならずとも一聴の価値ありです。



そんなわけで、オープニングから本編、そしてエンディングまでの全てが斬新。アニメとしても、もちろん水戸黄門としても完全に常識を覆す作品である「まんが水戸黄門」をほんのさわりだけご紹介しましたがいかがだったでしょうか?どうやらDVDも発売されているようですので、是非とも貴方の目で黄門伝説をお確かめください。



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出典) 「まんが水戸黄門」 ナック/テレビ東京

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