弁当と魔法少女と探偵と魔王とカードバトルの華麗なる融合!?「マジカルシェフ少女しずる」2巻レビュー

弁当と魔法少女と探偵と魔王とカードバトルの華麗なる融合!?「マジカルシェフ少女しずる」2巻レビュー







打ち切りエンドが止まらない!
こんにちはJ君です。当サイトでは今年の2月に「マジカルシェフ少女しずる」という魔法少女に弁当の要素をミックスした画期的な萌えマンガをご紹介いたしました。過去にあまり萌えタッチのマンガを紹介したことがなかったので全然反響がないのではないかと思っていたのですが、意外なことにけっこうな反響をいただきまして、サイトの方向性がブレまくっている今日このごろです。

今回はそんな当サイトにとって大変悩ましい作品、「マジカルシェフ少女しずる」の第2巻が発売され、出版社様から懲りずに献本をいただきましたのでレビューいたします。そもそも伏線回収など一切せず、やっつけ感あふれる打ち切りエンドで終了した「マジカルシェフ少女しずる」どのツラを下げて2巻を出すのかという話なのですが、なんというか・・・ほとんど別の作品になっておりました。


「マジカルシェフ少女しずる」1巻がどんな内容だったかは以前のレビューを読んでいただきたいところなのですが、「めんどくせー、息を吸うのもめんどくせー」という人もいるかと思いますので、一応簡単にご紹介しておきます。

時は大弁当時代。料理に特化した超能力「能力(ツールズ)」を持つ人間だけを集めた超エリート学校「国立大勉富学園」の一年生の西ノ森しずるが主人公です。しずるは行方不明の伝説の料理人チャーリー西ノ森を母に持つ弁当界のサラブレッド・・・のはずが、どんくさい落ちこぼれ生徒でした。しかし、母ゆずりの能力「賢者タイム」に目覚めて、究極の弁当バトルトーナメント「ベントーナメント」で見事入賞するのでした・・・弁当は人殺しの道具じゃない!しずるの調理は始まったばかりだ!ご愛読ありがとうございます。


弁当魔法少女

ということで作品中にふんだんに盛り込まれた伏線は一切回収されず、クライマックスのベントーナメントでは1ページで並みいる強豪たちをなぎ倒し、作品中で殺された仲間は皆生き返り、ちょうど単行本1冊分のページ数で強引にハッピーエンドという90年代の少年誌のような様式美を感じさせる完璧な打ち切りエンドだったわけです。


どうみても打ち切りです

ところがまさかの2巻発売でこのオープニングですよ。


弁当探偵部略して弁探部

弁当探偵部ってなんだよ!
ドラゴンボールでピッコロを倒して「まだ終わりじゃないぞよ もうちっとだけ続くんじゃ!」というセリフのあと、むしろその後のほうが長く続いちゃうとか、北斗の拳でラオウを倒してついにこの世に平和が!と思ってたら、いやいや、ラオウより強い奴がゴロゴロいる修羅の国というのがあってだな・・・みたいな状況に通じるものがあります。いや、むしろ中身がまるっきり別の作品になっている分だけもっとタチが悪いといえるかもしれません。

そんなわけで2巻では主人公こそしずるではあるものの、ほぼ別のマンガになっています。早速ご紹介してまいりましょう。


弁当でなんでも解決する部

弁当でなんでも解決する弁当探偵部の部長、東丸まかるに目をつけられ弁当探偵部にほぼ強制的に入部させられたしずる。
しかし、弁当探偵部の顧問になってもらうように掛けあっていたカラシ先生がある日倒れてしまいます。


毒を盛られた先生

どうやらカラシ先生の弁当に毒を盛った生徒がいるらしい・・・ということで弁当探偵部による犯人探しが開始されます。


まさに弁当探偵・・・

迷宮入りしそうになったところで、しずるがご都合主義すぎる能力「賢者タイム」を使って真犯人を見つけ出します。その犯人は意外な人物だった・・・!


しずるがコナンくん状態

そんなわけで弁当×魔法のコラボによって学園内の事件を解決・・・ほのぼの学園探偵コメディとしてこのまま行くのもそれはそれでアリなような気がします。ちょっと続きの話が楽しみになってくる自分がいるんですよね。さあ、次の話ではどんな事件を解決してくれるのか・・・?


突然カードバトルマンガに

次の話ではなんと弁当カードバトルマンガになっていました。もちろん弁当探偵部の話は全くなかったことになっています。


カードは弁当の具材です

弁当によるカードバトル・・・その名も弁闘(デジュネ)。遊戯王もびっくりの本格カードバトルマンガっぽい雰囲気ですが、J君はただでさえカードバトルに疎い上に、設定に弁当を無理やり絡めているせいで読んでいてさっぱりルールが理解できません


悪の組織登場

熱い弁当カードバトルの展開、そして弁当カードバトル世界征服を狙う組織の存在も明らかに。果たしてしずるは弁闘士(デジュニスト)としてどんな闘いを見せるのか!?次話に乞うご期待!!


ベントーナメント出場のモブキャラの皆さん

しかし次の話では唐突に1巻のクライマックスでもあった弁当王を決めるトーナメント「ベントーナメント」が開幕します。
えっカードバトルはどうなったのかって・・・?カードバトルのブームは去ったそうです。
それにしてもベントーナメントはたしか1巻ではオリンピック同様4年に1度の開催だったはずですが・・・


ザ・ご都合主義

月1開催に変わったそうです。うわ、急にスパン短かっ!
このベントーナメントでは1巻では設定上まったく存在している形跡すらなかった生き別れのしずるの弟が突然登場します。どうみてもやっつけ追加設定キャラっぽい感じがたまりません。


あからさまに後付け設定の弟

いかにも百戦錬磨の実力者っぽい雰囲気の弟と決勝で闘う約束をするしずる。
しかししずるの前には、見るからに屈強な強豪(モブキャラ)たちが・・・!果たしてどうなるのか?


はしょりすぎだろ

しずる、わずか1コマで優勝!ベントーナメント、あいかわらずのすさまじいショートカットぷりです。
そして決勝で会うはずだった弟は・・・なんと1回戦負けしていました!


魔王しずる降臨

そんなこんなですったもんだやっているうちにしずるが魔族の血を引いていることが判明。突然魔王にトランスフォームするしずる。バラエティ豊富過ぎ、いろいろ盛り込み過ぎの展開ですね。


弁当ロボ


今流行の巨人

さらに次の話では弁当ロボが出てきたり、巨人化したしずるが出てきたりします。こちらも何がなんだかよくわかりません。


サービスで温泉シーン導入

しかし単行本ラストの話では萌えマンガらしく女子キャラ達の修学旅行温泉編が収録されていました。スピードの速すぎる展開でギンギンに覚醒しきった脳がここでようやっと癒やされます。ところで1巻でもかなりすごかったしずるの必殺技の数々ですが、2巻の必殺技も非常にすごいことになっております。


弁当から龍が!

弁当龍とか・・・


こんな弁当はイヤだ!

弁当砲とか・・・
とにかく全部弁当が絡んでいるのは終始一貫しております。終始一貫していることでかえってアダになっている気もしますけど。
そしてネタバレになりますが、このマンガで一番伝えたかった大切なメッセージをご紹介しましょう。それは・・・


大事なことなので2回出てきます

「弁当とはフタを閉めるもの」
・・・です。たしかに弁当のフタが閉まらなかったら持ち運べないですしね。とても大事なことです。ちなみにコンビニ・ポプラの弁当はフタが閉まりません。

というわけで、前作とは打って変わって毎回読み切りマンガを読まされているような気分になれる「マジカルシェフ少女しずる」2巻をご紹介しましたがいかがだったでしょうか。毎回これだけバラエティに飛んだストーリーを描ける水あさと先生の懐の深さというか切り替えの早さは凄いと言わざるを得ません。

しかしながらこの作品、月刊誌で読んでいる分にはちょうどいいのかもしれませんが、単行本で一気に読むとあまりの展開の速さに頭の切り替えができずに脳がショートするレベルです。萌えと魔法と弁当と探偵とカードバトルと魔界が織りなすこの混沌の世界、興味を持たれた方はぜひご一読ください。きっとポプラのメガ盛り弁当を食べた後みたいな気分になれると思います。


もうちっとだけ続くんじゃ

ちなみに3巻もでるらしいですよ。(えー!?)



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出典) 「マジカルシェフ少女しずる」2巻 水あさと /泰文堂
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