秘密の任天堂食堂って一体なんなのさ!? 清野とおる「ゴハンスキー2」レビュー

秘密の任天堂食堂って一体なんなのさ!? 清野とおる「ゴハンスキー2」レビュー

任天堂メシってなにそれ、美味しいの?
こんにちは、J君です。2016年5月、清野とおる先生の異色グルメマンガ「ゴハンスキー」2巻が発売されました。昨年11月に当サイトで第1巻をご紹介しているのですが、そこから半年で2巻が登場するというハイペース。しかも「ウヒョッ!東京都北区赤羽」「その「おこだわり」、俺にもくれよ!!」の新刊に引き続いての発売とあって、とってもお財布にヘヴィーな事になっています!

あらためて感じるのですが清野とおる先生ってやっぱり天才だと思うんですよ。「スゲーどうでもいいことを、さも面白いかのように描く」天才です。その才能がグルメ方面で遺憾なく発揮されているマンガがこの「ゴハンスキー」なのです。そして今回、第二巻では「任天堂食堂」なるものが登場します。一体何なんだそれは!!


「ゴハンスキー」は、清野先生の代表作「ウヒョッ!東京都北区赤羽」や「そのおこだわり、俺にもくれよ!!」と同じテイストながら、食べ物にまつわるエピソードに特化したエッセイマンガです。そんじょそこらにある、比較的どうでも良いメニューをさもスゴいことのようにバーンと登場させるあたり、世間一般にイメージされるグルメマンガとは一線を画しています。


普通すぎるテーマ

第二巻のオープニングを飾るのはなんと「ジョナサン」。そう、まごうことなきメジャーなファミレスチェーンの「ジョナサン」です。あの清野とおる先生が、あのジョナサンでメシを喰う!!これは単行本のオープニングに相応しいビッグイベントですよ・・・・なのかな?むしろ地味だよな。


大胆なメニューです

清野先生が目をつけたのはジョナサンの「季節まるごと!厳選旬菜」というメニュー。期間限定で厳選野菜がほぼそのままの形で提供されるというシリーズです。ああ、ジョナサンにそんなのあったなあ。生キャベツをそのまま出されて300円とか言われてもなあ、コスパも悪いし絶対頼まないよなあ・・・などとJ君が思っていたあのシリーズに目をつける清野先生。さすがです。


なすじゃなく、水なすです

季節によってナスとか、ネギとかヤングコーンとか・・・ヤングコーンて。ハンバーグとかの付け合せじゃん。それを単品で頼むんスか??


シリーズ化してます

でも・・・実は、なんかそれがすごい美味いらしいんですよ。お酒のアテとしても相性が最高らしいです。こうやって紹介されるとものすごく気になってきます。


今はアスパラです

というわけで、J君も行ってきましたよジョナサン。今の時期は長野県産アスパラガスです!!「山形県産が入ることがあります」って小さく注意書きが書いてあるのがお茶目。


まんまアスパラ

ぶっといアスパラ一本を3つにブツ切り。ベーコンと温泉卵と塩が添えられているだけの武骨なまでにシンプルな一品です。しかし、食べるとアスパラの甘さがほとばしって超ジューシー!さすがは長野産です(山形産かもしれないけど)。


意外な伏兵トリュフ塩

そして、添えられている「トリュフ塩」。これがかなりのクセモノでした。この塩、めっちゃ野菜と相性がいい!!ただのアスパラが塩をつけるだけで高級フレンチに変身する感覚です。トリュフっていままで全くその魅力がわからなかったけど、初めて美味いんだって思った瞬間でした。

続いて、セブンイレブンの「金の○○」シリーズばっかり集めて食べる人の話。たしかにセブンイレブンって「金の○○」シリーズをたくさん売ってますよね。あんまり気にしたことがなかったけど、こんなに出てました。


こんなにあるんだ・・・

一つ一つだとそんなに存在感はないですけど、これだけ徹底的に「金の○○」が集まると壮観です。まさに食のゴールドラッシュ。コンビニ食にインフレが起こってます。


ものは言いよう

「金」ばかりが並ぶ金のレシート、なんかすごい金持ちみたいですけど、トータルでせいぜい2000円ぐらいですよ。いやー、庶民的。なんなら僕らも30分後には実践できてしまう敷居の低さ。


そ、そんなに美味いのか!

なんだよ、こんなの見せられたら食べたくなっちゃうじゃないか!!今夜の晩飯は金のシリーズでキメよう。


分かる人には分かる

「金シリーズ同士の相性の良さは、梅宮辰夫とクラウディア並」
清野先生はサラッと流してるけど、これ何気に名言だと思いますよ。これぞ金の名言!金言!!(しつこい)

次にご紹介するのは「冷めた弁当を憎む男」の話。要するに冷えた弁当が嫌いってだけのどうでもいい話なのですが、マンガにすると全然どうでもよくなかった!!


地獄絵図て

特筆すべきは冷めた弁当を憎むあまりに次から次へと出てくるボキャブラリーの多彩さ。もはや弁当ディスり芸と言っても過言ではありません。


7個ならいいんだ・・・

「シューマイ弁当なのにシューマイ5個しか入ってないじゃんかよ!!」


まあわかるけど・・・

「もってかれるもってかれる(唾液を)」


まさかヘラまでディスるとは

押し寿司に対するツッコミもかつて見たことがないすさまじさです。「押されている」ことや「ヘラ」を使うことに対して強烈なクレーム。いや、だってそれ、押し寿司だから。

そして、クライマックスは「秘密の任天堂食堂」です。完全会員制、場所も電話番号も営業時間も秘密でゲーム業界人の聖地、ともいわれる任天堂食堂とはいったい何なのか?まさか・・・任天堂の社員食堂なのか?(違います)


紹介制です


とにかく秘密

「84(ハシ)」と呼ばれる店で、任天堂の元カリスマ社員、橋本氏が経営しているとのこと。橋本だから「84(ハシ)」ってことかあー。ていうか、そこは秘密じゃないんだ。


ガチ任天堂公認

こんな感じで、任天堂関係者のお宝すぎるアイテムたちがお店に多数展示されており、ガチの任天堂公認な食堂であることがわかります。


基本は家庭料理らしいです

メニューは家庭料理が中心ながら、「パルプンテ」みたいなファミコンならではの遊び心溢れるメニューもある模様。ちなみに「パルプンテ」を頼むと・・・。


一体何が出てくるんだ・・・

「MP不足ですー!!」とか言われて断られたりすることもあるようです。不足したMPをどうやって回復する気なのか、とても気になります。

そんな感じの完全秘密の任天堂食堂「84」ですが、昨年末に一度閉店して、今年になって別の場所で再オープンするとか、もうしているとか・・・。さらに秘密のヴェールに覆われてしまいましたね。実にミステリアスなお店です。

その他にも「餅太郎」について熱く語ったり・・・


餅太郎うまいよね

ザリガニを釣って食べてみたり・・・


食べれんの!?

おなじみ、読んでいると食欲がなくなる 「トラウマ飯」のシリーズもしっかり収録されています。

グルメマンガとしては異例のエンゲル係数の低さを発揮している「ゴハンスキー」2巻をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?ちなみにJ君は、読んだ後に無意識にセブンイレブンで「金のおにぎり・いくら」を購入してしまいました。あと、ジョナサンに行くたびに厳選野菜をチェックしまう予感がしている今日このごろです。それにしても秘密の任天堂食堂が気になりすぎます、死ぬまでに一度行ってみたいなあ。

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出典)
「ゴハンスキー」2巻 清野とおる/扶桑社

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