あけましておめでとうございます。新年早々、緊急事態宣言の発出ですっかり外食しずらいムードになっておりますね。会食は避け、「孤独のグルメ」のゴローちゃんのような食事スタイルが求められる昨今ですが、そんな中で突如として「OH!MYコンブ」 復活という衝撃のニュースが発出されました。
1990年代にキッズ達のグルメ観を270度変えてしまった、あの伝説のリトルグルメマンガ「OH!MYコンブ」(オーマイコンブ)が、週刊モーニングで「OH!MYコンブ ミドル」と名を変えて復活するというのです。これはまさに漫画界における非常事態宣言であります!もしやこれは、あのぶっ飛んだレシピをご家庭内で再現せよという秋元先生からのメッセージなのでしょうか・・・!そうなった以上は紹介するしかない、今宵「OH!MYコンブ」 を!
みんな知ってるこのリアクション
というわけで「OH!MYコンブ」 ですが、1990年から1994年にかけてコミックボンボンで連載され、同時期にアニメ化までされた原作・秋元康先生、漫画・かみやたかひろ先生による作品です。意外とあのAKB48でおなじみ秋元康プロデュース作品であるということは知られていないようですが、作品中でもしっかり「秋元おすし」という名前で出ていたりします。
ほぼ隠れキャラ的存在
少年料理人、なべやきコンブが次々繰り出す「リトルグルメ」がコンセプトとなっている漫画で、通常の食事メニューにお菓子をトッピングしたり、お菓子同士を合成して一品料理にしたりという、お子様じゃなければ発想できないブッ飛び禁断のレシピが次々と飛び出します。
わたパチ使用率が異常に高いマンガ
カールとわたパチを悪魔合体させた「パチパチカール」とか・・・
甘いのと塩っぱいのを混ぜたがりがち
目玉焼きにチョコフレークをトッピングした「チョコフレーク目玉三段やき」とか・・・
え、それ・・・ちゃんと試してから描いてる?みたいなトンデモ系のレシピもありますが、わりと美味しそうなものもあります。
たまに美味しそうなのもあります
モチにミルクココアを振りかける「ココあべかわ」なんかは、本作における「食べられる系」のメニューの代表格といえましょう。
今は募集してません
初期の頃にインパクト重視のヤバめのメニューが集中していた気がしますが、途中から読者が応募してきたリトルグルメのメニューが採用されるようになり、マトモなものが多くなってきます。当時のボンボン読者はキッズながら意外と良識があったのかもしれません。
さて、2021年1月14日に発売された週刊モーニング2021年7号から連載開始された「OH!MYコンブ ミドル」のお話もしておきましょう。自分は楽しみすぎてネットで予約購入してしまいましたが、「相談役 島耕作」とかが載っている週刊モーニングに掲載されるってことはつまりアレですよ。当時目をキラキラさせてボンボンを読んでいたキッズ達が数十年の時を経て、すっかり髪が薄くなり、中年太りも目立つオッサンになってしまったのだと・・・そういった時の流れの残酷さを否が応でも感じさせられてしまうわけです。
そして我らが「OH!MYコンブ」 の主人公なべやきコンブが「OH!MYコンブ ミドル」になって帰ってきた姿は果たしてどうなったのかといいますと・・・
これが!!!!!!!!!
現在のコンブ!!!!!!!!! pic.twitter.com/xDYzRuQ9IX— OH!MYコンブ ミドル【公式】 (@ohmy_middle) January 13, 2021
こうなりました!・・・誰だよこのオッサン。全く面影がねーじゃねーか!!
つまりこれはアレですか、秋元康プロデュースだけに「下り坂48歳」的な事でしょうか。坂道シリーズか!
ちなみに大人版リトルグルメ(ミドルグルメ?)の第一弾メニューは、
サラダチキンてのが今ドキです
砕いたうまい棒とサラダチキンをミックスさせるという、ハイボールにピッタリのおつまみでした。ハイボールかー、やはりおっさんだなあ・・・。
どうみてもダメな大人です
そんな「OH!MYコンブ ミドル」については今後の展開をモーニング誌上で楽しみに待つとして、今回の本題です(まだだったのかよ)。
話は「OH!MYコンブ」に戻りますが、以前当サイトで「OH!MYコンブ」を紹介した際には紹介できなかった部分があって、ずっと心残りだったのです。それはこの底抜けに明るいギャグテイストが特徴の「OH!MYコンブ」が作品の後半から突如として闇堕ちしてしまうという事実です。皆さんは果たして御存知だったでしょうか?「OH!MYコンブ」 のダークサイドを・・・。そのプロローグは単行本7巻から始まります。
不穏すぎる・・・
まず表紙の雰囲気が明らかにおかしいですね。とにかく明るいコンブくんがいつになく深刻な表情。そしてまるで闇に引き込まれそうな渦を巻いた背景と不気味な実写料理人。単行本を開くと・・・
別のマンガです
どうしちゃったんだよ!こえーよ!!
なんか急にドラゴンボールのサイヤ人編のようなシリアスムードで、出てくるキャラクターもDET(Dark Enpire Of Taste)・・・闇の味帝国の料理人さ!とかいっちゃったりして、急にデスメタルのバンド名みたいな横文字なんですよ。ついちょっと前まで「おっとっとごはんでい!」とか言っていたマンガなのに。
スーパー◯イヤ人?
今までほとんどなかった料理人バトルも始まっちゃったりして、コンブに負けたライバル達はこのように・・・
どうしちゃったのこの展開
組織のメンバーに顔面を踏みつけられたりしてひどい仕打ちです。繰り返しますがついちょっと前まで「チョコフレーク納豆のでっきあがりでい!」とかふざけたメニューを出していたマンガだったんですよ。もはや全然シャレが通じなそうな雰囲気です。
この鬱になりそうな「闇の味帝国編」が不評だったのか、その反動のようにしばらくはギャグ路線にもどります。ガールフレンドのメンメンと結婚し、33歳になって子供もいるという設定のコンブのサイドストーリーなども登場。
ミドルと状況が違いすぎる・・・
ミドルと全然整合性が取れてないんですが!これはどうやって収拾つけるんでしょうね!
そんな感じでしばらくはいつものおバカなリトルグルメ路線が続くのですが、単行本11巻で再び鬱展開に!!
だれが求めてるの?この路線
世界中の料理人達がコンテスト後に謎の失踪、
闇の組織的なアレです
実は世界中の料理人達の脳を集めて、不老不死の料理を作るサイボーグ・・・完璧料理人(パーフェクトコック)を生み出すという恐るべき計画が進んでいたのです!ちなみにその完璧料理人とやらですが・・・
ゆで卵みたいなツラしやがって・・・
うん、そこはかとなくDBっぽいですね!影響受け過ぎか!!
というわけで、作品後半でリトルグルメのコンセプトがブレブレにブレまくる「OH!MYコンブ」のダークサイドをご紹介してみました。そんなこんなで最新作「OH!MYコンブ ミドル」にこのあたりの設定が引き継がれるのか、それとも全くなかったことにされていて闇に葬られているのか、そのあたりも含めて「OH!MYコンブ ミドル」の今後の展開に注目していきたいと思います。
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出典)
週刊モーニング2021年7号「OH!MYコンブ ミドル」 かみやたかひろ/秋元康/講談社
「OH!MYコンブ」 かみやたかひろ/秋元康/講談社
コミックDAYS