ボクシング×グルメ 奇跡のコラボ!?ボクシンググルメマンガ 「チャンプのディナー」
トロのチャンピオンベルト巻きだ!!
こんにちはJ君です。リア充の季節「夏」が終わり、いよいよ僕ら(インドア派)にも過ごしやすい季節「秋」が到来しましたね!
秋といえばやっぱり食欲の秋。当サイトとしてもグルメマンガをレビューしたいなあとちょっとおセンチな気分になる季節でもあります。
よく考えたら当サイトでは四季に一切関係無く一年中グルメマンガを紹介している気もするのですが、それはともかく今回ご紹介するマンガは「チャンプのディナー」という作品。「チャンプのディナー」ということで、超一流のシェフ界のチャンピオンが活躍するグルメマンガだと思った方、それはド素人の発想です。巷でチャンプといえば当然、ボクシングのチャンプなのです!そんなグルメなボクサーが繰り出す超絶メニューの数々をご堪能ください。
「チャンプのディナー」は作画:関たかみ先生、原作:W・ウッド先生というコンビ作品となっております。原作者W・ウッド先生は単行本巻末にWillam Woodという表記があり、外国人の方で間違いなさそうです。原作者に外国人を使うということはハリウッドでの映画化まで見越して描かれた壮大なプロジェクトである可能性も捨て切れませんが、作品に出てくるメニューは寿司などの和食がメインであり外国人原作者である必然性はほぼ皆無です。
そんな作者からしてミステリアスな作品なのですが、早速ご紹介しましょう。主人公はウェルター級世界チャンピオン、氷室料介。なんか明らかにヒムロックのパクりみたいな名前ですが、一応料理にちなんで名前が「料介」になっているあたりは良心的(?)といえるかもしれません。そんな料介は食べることが大好きな「リングのグルメ王」と呼ばれる男です。
ボクシング界のヒムロック
世界チャンピオンになった直後、過酷な減量で食事制限をしていたために食欲が爆発。そこで料介が試合後に向かったのは、かつて料介がコックのバイトをしていた「キッチン来味(くるみ)」。しかし、店の目の前にはロイヤルぱーくというファミレスができており、チーフコックを引きぬかれたり食材を買い占められたりと様々な嫌がらせをされていたのでした。料介が厨房に入ると、現在一人でキッチン来味を切り盛りしている看板娘の千草ちゃんがこんな目に・・・
めちゃくちゃ修羅場
「なにやっとんだキサマらぁ~」
なんと、ロイヤルぱーくの社長、都倉がキッチン来味の土地の明け渡しを要求、ついでに千草ちゃんを自分の嫁にしようと口説いている最中でした。
ちなみに巨大レストランチェーン店に嫌がらをせされる地元の小さい食堂という構図は、有史以来脈々と受け継がれているグルメマンガにおける様式美といっても過言ではないのです。そう、グルメマンガにおいて「チェーン店=絶対的な悪」なのであります。ちなみにJ君はデニーズ派です。(関係ない)
包丁ペロペロ
というわけでキッチン来味と千草ちゃんを守るため、グルメボクサー氷室料介がロイヤルぱーくに勝負を挑みます。
勝負の内容は三日後のランチタイムに牛一頭の肉を使ってどちらが先に1000人の客をさばくかというものです・・・なんという資本主義的ルール。味は二の次っすか。
いきなり大仕掛け
ロイヤルぱーくに勝つためにとった料介の秘策とは・・・ローストビーフにありました。
そしていきなり店の外にクレーンで櫓(やぐら)みたいなのを組み始めました。えらい大仕掛けですが何をやろうとしているのでしょうか。
観衆も大パニック
なんと櫓に火を放ちキャンプファイヤー状態に。しかもその最上段では氷室が吊るした牛肉にパンチを打ちこみまくるとという謎のパフォーマンス!
ローストボクサー
これは・・・ローストビーフならぬローストボクサーになりかねません。一体なんでこんな(意味不明な)ことをするんでしょうか・・・
意味が分からない・・・
「こいつのキメ手は焼きながら出てくる肉汁を肉全体になじませることだ!だからこいつをやらないわけにゃいかねえんだ!」
まあ・・・キメ手ならしょうがないですよね。さらに1000人分もの肉を捌かなければいけませんが、その技術も超一流でした。こんなところにもボクサーとしての技術が活かされます。
居合斬りのような技
肉切れまくり!
全然ボクサー関係ありませんでした!!
普通のローストビーフ
で、完成したのがこの特製ローストビーフです。作る過程がド派手な割に完成品は意外と普通!!
結局、ロイヤルぱーくに勝利した氷室はキッチン来味と千草ちゃんを守ることができたのでした!
このような感じで世界チャンピオンとしての技量をいかんなく発揮したりしなかったりで料理勝負に挑んでいくストーリーです。
この他のエピソードとしては・・・
グルメマンガはトラブルが基本
態度の悪い通称ケンカ鮨こと「すし徳」にムカついた氷室が寿司勝負を挑みます。
お先真っ暗な展開
寿司バトルに突入したものの、シャリを炊くのに失敗しベチャベチャに!しかも炊きなおしている時間はありません!
ベチャベチャになったシャリでも美味しく食べられる寿司を作らなければ・・・こんなことぐらい克服できないで何が世界チャンピオンだ!
閃きました!
そうか!チャンピオンベルトだ!ということで生み出されたメニューが・・・
クドそうだ・・・
トロのチャンピオンベルト巻き
海苔巻の外側にさらにトロを巻くという・・・まさに逆転の発想。その分コストも逆転してそうですが。
もったいねー
さらにもう一品、これもスゴイ!なんとにぎり寿司を串刺しにしてコンロで焼きはじめました!その名も・・・
劇的ビフォーアフター
「串焼きにぎり鮨だア~っ!!」
なんということでしょう!トロやサケのネタを炙った寿司というのは見たことがありますが、まさかシャリごとまとめて焼くとは・・・この発想はありませんでした。さすがチャンプです。そして食べた人たちのリアクションは・・・
それは禁句だろ
「おいしい~っ 焼きおにぎりみてえだ!!」
・・・寿司勝負でその評価はアウトなんじゃないのか?
この寿司バトル編はなぜかしばらく続き、
全部読める?
全身に寿司ネタの刺青を入れている狂った爺さんが出てきたり
超食いづらそう
魚がピチピチはねる活き造り寿司を作る敵が出てきたりします。
無駄なこだわりポイント
ちなみにこの「活け鮨」は鮨が魚の骨の上に乗っているので通気が効いてシャリのベタつきを防ぐというメリットがあります。
ていうか寿司ってそこまでシャリの通気性にこだわる必要があるんですかね・・・。
最終話は、再び氷室がボクシングの世界で闘う話です。
なんと下の階級のボクサーに挑発され、階級を落として戦うことに。しかし、いくら体重を絞っても絞り切れない過酷な減量地獄が待っていました。まだ900グラムも落とさなければいけないのにもうサウナに入っても汗が一滴も出ない・・・そんな極限状態の氷室にグルメな秘策が!
なんと食べて汗を出す「味覚性発汗」を利用して体重を落とそうというのです。
嫌すぎるサウナ
サウナに置かれたダイニングテーブルに並ぶ特製減量メニュー!
超異様な雰囲気。こんな臭いがこもってそうなサウナ・・・すごく嫌です。
これが味覚性発汗の効果!?
なんと、食べれば食べるほど汗が吹き出ます!
マジか・・・
「まだまだ出るぞ!食べる量以上の汗がの!」
ちょっ・・・なんというダイエット革命!食べれば食べるほど体重が減るとは!味覚性発汗恐るべし。
そんなこんなで減量に成功しボクシングでも見事勝利したのでした。めでたしめでたし。
というわけで、超絶メニューがバンバン出てくるボクシンググルメマンガ「チャンプのディナー」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか。食欲の秋にふさわしい胃もたれしそうな超コッテリ系のグルメマンガで秋の夜長をお過ごしいただければ幸いです。
それにしても味覚性発汗すごいな・・・J君も明日からやリたいと思います。蒙古タンメン中本あたりで。
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出典)「チャンプのディナー」 関たかみ/W・ウッド/集英社 Amazonで見る