これが本当の純愛!香り高き名作「恋はバキュームカーにのって」
平成最後のクリスマス、王子様は白馬ではなくバキュームカーに乗って現れる
あれ?今日クリスマスだっけ?最近クリスマスって全然存在感なくない?ハロウィンなんて渋谷では「変態仮装行列」なんて言われてすごい勢いですが、逆にクリスマスはだんだん地味になってきている気がするんですよねー。なんか可愛そうー(棒読み)。
毎年、いかにして聖夜を汚してやろうかと、下品なテキストばかり上げてきた当サイトですが、いよいよそのツケが回ってきたらしく、LivedoorBlogでアダルトカテゴリに指定され、スマホでこのブログを見るとエッチな広告ばかり出てしまうようになってしまいました(泣)。そんな理由もあり今年のクリスマスは180度テーマを変えることにします。ズバリ、テーマは純愛。これからの時代は純愛だと思うんです。純愛が一番美しい。純愛イズナンバーワンですよ。そんなわけで今回は王子様が白馬ではなく、バキュームカーに乗って現れる素敵な少女マンガ「恋はバキュームカーにのって」をご紹介します。
めちゃ苦労して入手
「恋はバキュームカーにのって」は別冊少女フレンド(1970年6月号)に掲載されていた読み切り作品。作者は里中満智子先生です。ネット上ではタイトルのインパクトが先行し、どんな作品かについてはほとんど情報がありませんでしたが、J君はこのたび、自分へのクリスマスプレゼントとして本作品を入手しました(どんなプレゼントだよ)ので、皆さんに幸せのおすそわけをしたいと思っています。
深い問いかけ
「はたしてバキュームカーはほんとうにきたないものであろうか」
冒頭からこんな読者への問いかけで始まります。え、違うの!?もしかして汚れているのは貴方の心の方だとか、そっち系?意外と深い作品なのでしょうか?
ただの伏線です
それはともかく、主人公はバキュームカー乗りの青年、健次。医者になる夢破れて、東京の保健所で働いていたのですが、たまたま浄化槽の汲み取りをしている最中、偶然幼馴染みの由美と再開します。この二人が恋に落ちる話かと思いきや、そうではなく別のシーンへ。
ザ・ヒロインて感じ
今度は病院で汲み取り作業をしていたところ、子供が遊んでいたボールが頭上に落ちてきてフラグが立ちます。超美人のナース、みどりが登場します。
子供は正直
子供にボールを返そうとした健次ですが、汚物扱いされショックを受けてしまいます。しかし、みどり嬢は違いました。
惚れてまうやろ
「あなたの手がよごれてしまった」
「いいえ、わたしはへいきよ、それよりいつもごくろうさま」
さすが・・・白衣の天使、このセリフにズギューンと来てしまった健次は一気に恋に落ちてしまうのです。
うなされる健次
自分のバキュームカーの仕事のせいでみどりに嫌われるのではないか・・・そんな夢でうなされるほど惚れちまってる健次。
ここでとんでもない偶然が発生!じつはみどりは、幼馴染みの由美の同居人だったのです。思わぬコネクションに元気を取り戻した健次は、みどりに一直線モード。一方で健次にちょっと惚れていた由美はハートブレイク。由美のセリフがまた泣かせます。
バキュームギャグ
「彼はバキュームカーのような迫力でかけだしていくのでした」
「あとにのこるのはからっぽの浄化槽のようなわたしのハート・・・」
誰がうまいこと言えと!
バキュームストーキング
しかし健次の恋は前途多難。みどりは実は、イケメンのお医者さんにプロポーズされていたのでした。まあアレだけの美人ですから同僚の医者がほっておくわけないですよね。・・・てことで、みどりとイケメンの姿を見かけた健次は、いてもたってもいられずにバキュームカーで追いかけることに。ちょ、とんでもないもので追いかけてるな・・・。
これは大惨事
慌てて追いかけたので大惨事に!街中のものを吸い込みまくりながら暴走するバキュームカー。世にも恐ろしい光景ですね。
まあ怒られますよね
で、結果として上司にめちゃめちゃ怒られます。罪滅ぼしに迷惑をかけた人たちの仕事を1件1件手伝うことになった健次ですが、そこで車にはねられてしまいます。
しかし、その事故が幸いしました。入院した先の担当看護師はみどりだったのです。何という偶然!入院を機に一気に親密になるみどりと健次。そして・・・一気に告白。
自分でやる気ゼロ
「ぼくはみどりさんに洗濯してもらったシャツをきて、みどりさんがたいためしを食べる生活がしたい!」
勢いに任せてプロポーズまでする健次!ていうかこのセリフ・・・今のご時世だと超絶怒られそうなやつですね。女を家政婦扱いするなとか。まあ、このころはまだこういうのが通用した時代ってことで。
私、このままでいいのかな?の顔
このプロポーズをきっかけに健次を意識するようになるみどり。せっかくイケメン医師との幸せな将来が約束されていたのに・・・見てくださいこのシーン。もう完全に移り気になってる感じの表情ですよね!
そんな中でもイケメン医者とみどりの結婚話はトントン拍子に進んでいきます。健次もあきらめモードになりつつありました。こんな泣き言まで言う始末です。
涙拭けよ
「おい、ないてんのか」
「ちがうよ、なんだか目がしみるんだ、タンクからメタンガスでももれてんのかな」
誰がうまいこと言えと!
大味な展開になってきた
ついにご両親の顔合わせの食事会。これが終わればあとは結婚式・・・という状況の中、その食事会の最中にドッシーンという大きな音。なんと、外でバキュームカーが事故を起こしたのです。
超超超超エンガチョ
事故を起こしたのはやっぱり健次のバキュームカーでした。こいつもうクビにしろよ・・・。目も当てられない大惨事で、もはやこの世の終わりに等しいですよね(臭い的な意味で)。
彼氏の止め方が直球すぎ
この修羅場のような状況で、助けに来た天使が一人・・・そう、みどりでした。未来の旦那様が「てつだう?きたない!」というド直球の引き止めをしているにもかかわらずです。さあ、いよいよクライマックスです。
その判断おかしくない?
「ふしぎね、ちっともきたないと思わないわ。なぜ?なぜなの?もしかしたら・・・」
もしかしたら・・・そう、貴方は変わった人です!
ではなく、逆境の中で本当に愛する人は健次だったということに気づいたのですね。
ウ◯チまみれなのに美しいシーン
みどりの協力もあり、ピンチを切り抜けた健次。みどりと抱き合って(ウン◯まみれで)喜びます。(◯ンチまみれで)抱きしめられながら、みどりが悟ったように言うセリフが印象的です。
「この人にはわたしが必要なんだ。女って自分を必要としてくれる人のそばでつくしたいものなのね。」
なるほど、ついに結論が出ました。要するにみどりは単なるダメ男好きなのでは・・・
バキュームカーで実った恋
その後、健次とみどりは、バキュームカーでハネムーンに行きましたとさ!めでたしめでたし。
というわけで、みんな大好きバキュームカーをテーマにした、クリスマスにふさわしい純愛ストーリー「恋はバキュームカーにのって」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?文字通り、魂が吸い取られるようなお話でしたね。たまたま立ち寄ったこのブログで、こんな感動的な話を知ることができた貴方はなんともウンがツイてると思いますよ!(なんというきれいなオチ!)
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出典)「恋はバキュームカーにのって」 里中満智子 / 別冊少女フレンド(1970年6月号) / 講談社