サイレントナイト翔 / SILENT KNIGHT 翔

性なる夜に「NEVER END」



東京ミレナリオに神戸ルミナリエ、そして・・・平野レミ。

冒頭からレベルの低いおやじギャグでこんばんは。ついにやってまいりましたね、今年も聖なる祭典クリスマスが。クリスマスはその名の通り、クリス・ペプラーとかクリス・エバートとか栗栖正伸(イス大王)とかいった世界のセレブ達がマスゲームをしたり、マス釣りをしたりして楽しむ年末恒例のイベントとしておなじみですが、同時に恋人達が愛を確かめ合う聖夜ならぬ性夜でもあるわけです。



今宵はそんな愛し合うカポーたちに捧げるテキスト、「サイレントナイト翔」レビューでございます。はい、お分かりのとおり、「クリスマス→サイレントナイト」に引っ掛けたダジャレです。クリスマス全然関係ありません。もうほんと、クリスマス・イヴに会ってるカップルとか死んでほしい。ダジャレを胸に抱いて死ぬがいい。



そういったことを踏まえまして、ご紹介して参りますこの「サイレントナイト翔」ですが、巨匠車田正美先生が週刊少年ジャンプに1992年35号~1992年48号の間連載していた作品です。どんな内容かといいますと、ズバリ「聖闘士聖矢の焼き直し」といっていいでしょう。



小宇宙(コスモ) → フィール

青銅聖闘士(ブロンズセイント) → サイレントナイト

サンクチュアリ → ネオ・ソサエティ

アテナ → シスター

ペガサス流星拳 → ファルコン爆裂拳



さらにドラゴン紫龍のまがいもののような皇虎

 龍の次は虎



アンドロメダ瞬のようなというキャラまで出てきます。

 お約束の丁寧語キャラ



また単行本にはお約束の展開図も掲載されています。

 絶対無理な展開図





このように微妙な設定の違いはあるものの、ほぼ全ての要素を星矢に置きかえ可能です。画に関して言えばもうまったく星矢と見分けがつきません。このようにすさまじい二番煎じっぷりですが、そんなものは広大なる車田ワールドの中ではちっぽけなことに過ぎません。画が似ているなんて大したことじゃないのです。マンガってのは、ネーム!これなのだ!(車田先生著書「人生を語らず」より)





この作品を語る上で重要なキーワードが二つあります。それは「チャージ」「NEVER END」チャージとはダメージを受けた戦士を他の戦士がエナジーを分け与えることによって、体力を回復させることのできるという「サイレントナイト翔」の世界特有のシステムです。しかし、チャージした本人は自分のエナジーを失うため、時には死んでしまうという諸刃の剣。そしてチャージとはこのようなスタイルで行われます。



 こ、この体勢は・・・

からだの上にまたがって・・・



 絶対やってます



チャージ!



まさしく性なる夜にふさわしいスタイル・・・・今宵は渋谷の円山町あたりでさぞかし数多くのカップル達が 騎乗位 チャージしていることでしょう。さぞかし体力だけでなくいろんなものが充電されてるんでしょうね





しかしうまい話ばかりではありません。このチャージにも重大な落とし穴が存在します。チャージは男同士でも可能なのです。



 男同士はバックで



チャージ!



このようにくそみそテクニックを駆使することで同性同士の やらないか チャージも可能となっておりますので、趣味趣向に応じた使い分けも可能ですね。





そしてもう一つのキーワードは「NEVER END」。まるで羽賀健二の代表曲を思わせるこの言葉は単なる英熟語ではありません。この言葉のもつ意味はマンガ家にとって非常に重い意味を持ちます。「NEVER END」とはマンガ家が満を持して世に送り出した新連載を、自分の意に反して志半ばでストーリーが終焉を迎えてしまう様をあらわします。平たく言えば「打ち切り」です



車田先生はおそらく世界ではじめて打ち切りを「NEVER END」などという英単語で表現した偉大なマンガ家です。今度の新連載は「打ち切り」だ!というのと、今度の新連載は「NEVER END」だ!というのでは言葉の印象が全然違いますよね。「NEVER END」ならカッコいいので2、3回なってもいいかなって思ってしまいます。



 ものは言いようです



他にも、壮大な前フリをしつつ、「未完」の言葉を残してものすごく唐突な終わり方をした車田漫画として「男坂」が伝説的に有名ですが、サイレントナイト翔は男坂の単行本3巻分での打ち切り記録を塗り替える14回、単行本にして2巻分での打ち切りです。こういうのは記録更新を競うモノではないと思うんですが。



 伝説のラスト「男坂」





とにかく、この「サイレントナイト翔」は悪党ネオ・ソサエティの謎の大ボスや、世界の救世主シスターの意外な正体、翔の頼りになる仲間である皇虎と涼、そしてゴールドセイントに相当するホーリーナイトの存在をチラつかせるなど、壮大な前フリをしておきながら、いきなり「NEVER END」。まさにこれからというときにものすごく唐突に終了します。

伏線張りまくりだったが・・





単行本2巻のラストに書かれた車田先生のメッセージ「時の流れの中でわずかでも翔に立ち止まってくれた君に・・・・ありがとう」は涙なしでは読むことはできません。おそらく大半の人が素通りしていった結果が「NEVER END」だったのでしょう。

 涙を誘います





というわけで、クリスマス・イブに「チャージ」ばっかりしているカップル達は、是非とも「打ち切り」にならないよう祈るばかりです。クリスマスにこんなサイトを見に来てる暇かつ非モテのあなた、一緒に非モテの「NEVER END」を目指してみませんか?大きなお世話ですかですかそうですか。










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参考) ヤマカムさんのサイレントナイト翔レビュー →  

出典) 「SILENT KNIGHT 翔」 集英社/車田正美