「純情パイン」 尾玉なみえ 狂気を感じる!戦慄の打切りギャクマンガ

滲み出る狂気!戦慄の打切りギャクマンガ 「純情パイン」レビュー

「ちんちんふくれてるぅ!!!」
こんにちは、J君です。皆様は尾玉なみえ先生をご存知でしょうか。少女マンガらしいポップで可愛らしい画を持ちながら、ブラック、パロディ、下ネタ、不条理ネタなどをミックスした狂気のギャグを繰り出す作風であり、一部では天才と評されながらもその作品の大半が短期間で打ち切りになっている少女漫画家です。

今回は、尾玉なみえ先生が週刊少年ジャンプで華々しく連載を開始するも、読者に受け入れられず13話で壮絶に打ち切られた伝説のギャグマンガ「純情パイン」をご紹介したいと思います。



変身には交換日記が必要


パイイインと登場

早速「純情パイン」をご紹介しましょう。舞台は地球征服を企む宇宙人「オナップ星人」が、次から次へと怪獣を送り込み、やりたい放題となっている日本。しかし選ばれし小学生、純川みつお花田みちるが、5分以内に交換日記を二往復させると、巨大な乙女「純情パイン」に変身。純情な必殺技で怪獣たちを退治する!!


必殺・純情うにづくし

こんな感じで、交換日記のくだりが若干面倒臭いことを除いては、非常にシンプルなストーリーです。


汚い笑顔

パインの妙にクネクネした動きと、必要以上に残虐な必殺技、イラっとくる笑顔などはすでに尾玉先生の猛毒成分を感じさせます。しかし、正直なところパインと怪獣のバトルシーンは本作品においてあまり重要な要素ではなく、作品中のいたるところに見え隠れするクセのあるギャグこそが見どころです。


かわいい?

みちるちゃん憧れの隣のお兄さんがプレゼントしてくれたキャラクター「こうもん丸」とか・・・。
ゆるキャラはゆるキャラでも括約筋がゆるそうなキャラクターです。


ラーメン、つけ麺、僕

「いけめん!」
イケメンていうか・・・他にいろいろツッコミどころがあるのがポイントです。


呪われてる

このシーンなんかちょっと岡田あーみん先生を彷彿とさせるものがあります。


おかしいだろ・・・

ヒロインのみちるちゃんが、突然つるっパゲになっちゃったり、この作品、女の子が酷い目にあいがちです。


懐かしのM字開脚

「まーべらす」
このように、ひとコマだけで不気味なほどに破壊力のある一発ギャグの宝庫となっています。
ちなみにマーベラスの元ネタはコレらしいのですが、知るかって感じですよね。このように作品中のいたるところにパロディが隠されている作品でもあります。あまりに多すぎて全部補足できる人はいないのではないでしょうか?わかりやすいのだけ紹介すると・・・


ジョジョ第三部

空条承太郎ネタとか


南斗水鳥拳のレイのセリフ

これは北斗の拳ですね


髪型だけで分かる

あしたのジョーネタもあります

あと、ちょいちょい出てくる謎ポエムもヤバい。この辺の言語センスはまさに天才です。


下ネタです

「はみだせ、とびだせ、おたから達よ」
こういう生々しい下ネタも実に尾玉なみえ先生らしいです。もはや様式美と言ったらいいのか・・・だから打ち切られるのかもしれませんが。


さよならマイストロベリー

「君との日々は僕にとってスープバーの下の方みたいに濃かった」
これなんかもJ-POPの歌詞みたいな言語センス。スガシカオあたりが歌っててもおかしくないですね。(そんなことないか)

正直言うと、このぐらいはまだ序の口。尾玉先生の心の闇はこんなものではありません。作品中最も狂気を感じるシーンはこちらです。


タマゴが寄生しとる・・・

ヒロインのみちるちゃんが、お腹にオナップ星人の怪獣のタマゴを宿してしまうシーン。
これだけでも何かとてもイケナイものを見ている感じがしますが、その後の出産シーンがヤバイ。


一応小学生なんですが・・・

無事にタマゴから生まれてきたのはみちるそっくりの女の子、しかし・・・


さすが怪獣の子

やたらにデカイという。


目出し帽やめろ

着せる服がなくて、覆面をかぶせちゃったりして。なんか「けっこう仮面」みたいになってる!


帝王切開とかそういう問題では・・・

そして、母子で公園デビュー・・・て怖いわ!!
なんていうか、画的には笑えるのに自分の中の倫理観が邪魔して笑えない、そんなシーンです。ここで笑ったら人としてヤバイんじゃないか、みたいな。


闇すぎる表紙

ちなみに、打ち切り10周年記念として発売された単行本「純情パイン 完全版」では、読み切りバージョンの純情パインも収録されています。こっちのほうがさらに毒がすごい!


下ネタオンパレード

「ちんちんふくれてるぅ!!!」
というわけで、素顔は美女だと噂されるも、下ネタと毒がハンパない打ち切り漫画家・尾玉なみえ先生の代表作「純情パイン」をご紹介しました。


こんな表紙ですが


中身はこんなです

なお、先生の名誉のために言っておくと、代表作の一つ「マコちゃんのリップクリーム」は単行本11巻まで出ており、尾玉作品としては奇跡の長期連載です。でも、ハチクロの羽海野チカ先生にオサレな表紙を描かせておいて、中身は全力で下ネタとか、すごいことになっています。こちらも機会があればご紹介したいと思います。

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出典) 「純情パイン」 尾玉なみえ/集英社/講談社
「マコちゃんのリップクリーム」 尾玉なみえ/講談社

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