今や女子高生まで「ベル忠」に夢中!
巷で話題騒然の「ベルリン忠臣蔵」後半レビューのお時間がやって参りました。前半はこちらです。
前半では江戸時代は忠臣蔵の志士、大石内蔵助が現代のドイツに蘇り、金持ちのビルや屋敷に不法侵入し次々と強盗事件を引き起こしているところまでご紹介しました。そして事件にまつわる数々の謎が生まれたのです。
大石内蔵助はなぜ現代のドイツに蘇ったのか?
何故強盗事件を繰り返すのか・・・その真の目的は?
事件の後に残される謎の日本語は一体何なのか?
そもそも大石内蔵助がなんでドイツ人なのか?
後半ではこの「ベル忠」の謎がついに解き明かされます(といいなあ・・・)
さて、現代の”怪盗”大石内蔵助が残した謎の日本語、「近松」「木村」「赤埴」等々・・・
ちゃんと毛書体です
勘が良い方なら既にお気づきかもしれませんが、これらの名字は忠臣蔵に出てきた赤穂浪士47士達の名字なのです。そう、大石内蔵助は、事件を起こすたびに明らかなメッセージ性をもってこれらの言葉を残してきたのです。
しかしいかんせん、舞台はドイツ。当然周りはドイツ人。せっかくの大石内蔵助のメッセージもドイツ人には当然チンプンカンプンです。この怪事件を解決すべく日本から派遣されてきたタケダ捜査官がテレビに登場。そう、やはり事件解決の鍵は日本人が握っているのです。
「あれは全て苗字です。」
タケダ捜査官
それは分かってるっつーの!
小学生以下の推理を展開するタケダ君。警察は全く頼りになりません。
そこで、業を煮やした女性記者クリスチァーネが事件の謎を解き明かすべく行動を開始したのです。
主人公です
まずは徹底的に現場に残された日本語の謎を追いかけます。そして、調べていくうちに赤穂浪士との関連性に気が付くクリスチァーネ。しかし、もっと重大な事実を発見!
落書きしまくり
「近松」「木村」「赤埴」そして「貝賀」「寺坂」等々・・・
大石内蔵助が文字を残した場所をつなぎ合わせるとなんとそこには
「大石」・・・の文字が浮かび上がったのです。んなアホな!
それ仕掛けが懲りすぎだから!ドイツ人、普通気付かないから!恐るべきはクリスチァーネの勘の良さ。コナン君も真っ青の推理っぷりです。
次のターゲットはここだ!
そして地図上の「大石」が指し示す”怪盗”大石内蔵助の最後のターゲットは地元の悪徳不動産王「クラール」の邸宅だということが判明。早速クラール宅の近くで張り込みを開始します。
注)大石内蔵助です
本当にいた!(トリビア風)
大石内蔵助はバレるやいなや飛び道具でいきなりクリスチァーネの車を破壊、気絶させている間に得意の煙幕を張って脱出。去り際に耳元で「なぜ干渉する?」という言葉を残して大石内蔵助は去っていきます。
すぐに煙幕でごまかします
しかし数日後、クリスチァーネはラジオでビルケなる青年実業家のインタビューの声を聞いていて確信します。こいつが大石違いないと。またしても恐るべき勘の良さ。たった一言の捨てゼリフが命取りになった大石内蔵助。超ドジっ子です。
一見普通のドイツ人、ビルケ
さっそくビルケの事務所に話を聞きに行くクリスチァーネ。最初はすっとぼけていたビルケですが、警察にはチクらないことを条件にインタビューを取り付けます。ビルケはバリバリの日本オタクのカッコでお出迎え。
バレバレじゃん
こいつ・・・間違いなくクロです。
このビルケという青年実業家は、子供の頃、大石内蔵助の末裔に育てられ侍スピリットを叩き込まれたのです。しかし、7年前たまたま日本に来ていた悪徳不動産業のクラールとその一味がたまたま遊び半分で大石家の別荘に忍び込み、家宝である刀「ムラマサ」をパクってしまったのです。
悪党クラール
サムライの魂である刀を盗まれ責任を感じた大石家の姉タキコはなんと自殺してしまいました。悲しみに暮れたビルケは現代の大石内蔵助に扮しクラールとその一味達への復讐と刀の奪還を誓ったのです。ずいぶんとこじんまりした忠臣蔵っぷりですね。今風に言うと「プチ忠臣蔵」とでも申しましょうか。
そしてこの動きに感づいたクラールも、大石内蔵助対策を始めていました。
日本絡みのトラブルを解決してくれるという専門コンサルタントのフェヤード女史を呼び寄せます。サムライに対抗できるのは忍者だけだと語り、用心棒としてニンジャマスター・シノダをクラールに紹介します。
いでよ忍者!とばかりに女史が手を叩くと・・・
クラールの背後から黒いカゲが・・・?
うわぁ!びっくり!
心臓が止まりそうなほど驚くクラール。とんだ忍者初体験です。
そしてついに大内内蔵助の復讐劇はクライマックスに突入。
要塞のようなクラールの屋敷に忍び込む大石内蔵助。
ライダーキック
華麗な跳び蹴りを食らわして屋敷に侵入。
ボコボコ
と思いきや、警備員にバレてボコボコに蹴りを入れられたりもします。
強いんだか弱いんだか分かりません。
そんなこんなでついにクラークのいる本丸まで進入成功した大石内蔵助。
しかしそこで待っていたのが最強の敵、ニンジャマスター・シノダでした。
忍者登場
大石に向かって火矢で宣戦布告するシノダ。それに対して大石内蔵助も堪能な日本語で宣戦布告!それではここで、大石内蔵助の堪能な日本語をお聞き下さい。(.wma)
「ワタシハオーイシクラノスケダ」
「オマエーヲシッテイルーゾ、ニンジャ」
「オマーエノナカマタチカラ ワタシハジュッド」
「ヲシュー ウトクシタノダ」
ええと、あまりのカタコトぶりに頭がクラクラしますので、通訳しておきますと
「私は大石内蔵助だ、お前を知っているぞ忍者。お前の仲間達から私は柔道を習得したのだ!」と言っています。どこから突っ込んでいいのやら分かりませんが、とりあえず言えることは、
話の流れ的に柔道は全然関係ないということと、
日本語がカタコトな時点で大石内蔵助は有り得ないということです。
しばらくこの映画最大の見せ場、大石内蔵助VS忍者シノダのチャンバラ真剣勝負をご覧下さい。
ええと、J君は剣術のことは全く素人で口を出すべきではないんでしょうが、なんて言うかその・・・・「ファミコン版六三四の剣」と動きがよく似ています。
そして、小康状態となったチャンバラ劇に終止符を打つべく、シノダがついに飛び道具を出しました!
何?何なの?その妖しげな光る物体は?(一切説明無し)
光る玉をアンダースローで投げる忍者。原理は分かりませんが何故か大爆発。(忍法?)
しかし我らが大石内蔵助(ドイツ人)は爆発を避けつつ刀を投げて反撃。さあこれからだ!
一番の見せ場です
あ、あれ?
バリバリにドイツ人
刺さったの?
ふかわりょう?
あっけねえ~
無表情のまま倒れるシノダ。勝負ありました。いやー強敵だった・・・・。
そして、刀を取り返した大石内蔵助はクラールのところへ。ついに大石家の復讐はここに完遂したのです!
最後は素顔に戻ったビルケとクリスチァーネと一緒に取り返した刀をどこかへ返還するシーン(意味は全く不明)でエンディングを迎えます。
何をしてるのか不明
そして、刀を返還した途端姿を消してしまうビルケ。そうビルケは本当に過去から来た大石内蔵助の化身だったのでした。そして、クリスチァーネの最後のセリフは「おやすみ、浦島太郎」
え、浦島太郎?(別の話になってる・・・)
と言うわけで、幻のドイツ映画「ベルリン忠臣蔵」いかがだったでしょうか?どうだと言われましてもテキストを読んでストーリーが理解できた人は皆無だと思いますが。心配しなくても書いてる本人が一番分かっておりません。
結局まとめると、刀を盗まれて怒った大石内蔵助の魂がドイツ人に乗り移って、復讐を果たしたら最後は浦島太郎になるというお話しなのです。うん、こうしてきちんとまとめてみると、ストーリーが感動的すぎて涙も枯れ果てました。
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