先日は北京原人の件で失礼致しました。どうやら日本映画界の触れてはいけないタブーに思いっきり触れてしまったようです。 あの映画に関わった者の誰もが「無かったこと」にしたい・・・・
開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったと大変反省しております。
同じあやまちは二度と繰り返さないことでお馴染みの当サイトBLACK徒然草が汚名返上とばかりにご紹介する映画はなんと、
東宝創立50周年記念の超大作と銘打たれた作品。いわば日本映画 の威信をかけて制作されたキングオブ邦画。それが本日ご紹介する 「幻の湖」です。
・・とまあブチあげてみたのですが、とりあえずトップに飾られた画像を 見て、「本当にキングオブ邦画なのかよ?また変な映画紹介しようと
思ってるんじゃねーの?」・・・そう思われた貴方。そう、そこの貴方。
・・・貴方は実に勘がいい。 出刃包丁を片手に和服姿で駆ける女。貞子をも凌駕する異様な妖気。これを見ただけでも「幻の湖」が普通の映画ではないことは一目瞭然です。 ええ、当サイトBLACK徒然草はまたやっちゃったみたいです。
「幻の湖」その映画の正体は、東宝創立50周年記念と銘打ちながら一週間で興行打ち切り。その後20年もの歳月の間、ビデオ化すらされず完全に封印されていた日本映画界の闇の作品なのです。
では、その日本映画界の闇。「幻の湖」とはどんな映画なのでしょうか? 一言で言うなれば「幻の湖」という映画は、愛犬シロを殺害されたソープランド嬢が 怒りのあまりに逆上し、恨み節で犯人探しの旅へ。舞台は琵琶湖、東京、 戦国時代、そして・・・宇宙へ!という愛と感動の青春冒険スポーツサスペンス時代劇SFファンタジーなのです。
カ、カンペキダ・・・・!(byジーコ)
おおよそ、映画に必要な要素の全てがこの「幻の湖」に集約されています。 まさにキングオブ邦画。脚本のブッ飛び具合がブッチぎりのキングです。
では行きましょう。いやこう言う時こそ「逝く」という表現が適切なのかもしれません。
「幻の湖」完全ネタバレレビュー
この映画のテーマは走ること。ジョギングにはじまりジョギングに終わると言っても過言ではありません。
主演の新人女優の南條玲子はジョギングが趣味のトルコ嬢(今で言うソープ嬢)
そして源氏名は「お市」。いつも愛犬シロを連れて琵琶湖の北側を走るのが日課です。 オープニングから「お市」のジョギングシーン。
・・・・・・何の説明もなくひたすら犬を連れてのジョギングシーンが開始早々約10分。 たまに流れる笛の音に反応して、「その時会える・・・あの人に」とかつぶやいているのですが、当然この時点ではもちろん意味が分かりません。実はこのセリフが2時間以上後の シーンの伏線になってるんですけど。
それにしてもジョギングシーンが長い・・・長いよ。思わず24時間テレビの西村知美を観ているのかと錯覚するぐらい長い。しかし琵琶湖の雄大な景色と場違いなまでの大仰な オーケストラ風BGMが東宝創立50周年の意気込みを感じさせます。間違った方向へ。
いいかげんイライラし始めたところで場面転換。一転して夜のムードへ。トルコ「湖の城」 。そう、南條玲子の夜の顔。トルコ嬢「お市」が出てくるシーンです。
で、新人女優南條玲子、早速脱ぎます。何故ならそこに必然性があるから!
その後、トルコ嬢のボス格「淀君」ことかたせ梨乃言い争いをしたり・・・
まさにハマリ役
出入りの銀行員長谷川初範とイイ感じの仲になったり・・・
尻にしかれそうな感じがgood!
お市の同僚で、アメリカ人のトルコ嬢ローザ、源氏名「キリシタン」がトルコ嬢を引退してアメリカに帰るため一緒に琵琶湖を観光します。 その時、ローザが唐突にポツリと言った意味不明なセリフ
「ファントムではなく、イーグルだ。イーグルはすでに実戦配備についている。」
明らかにソープ嬢のセリフではありません
この明らかに不自然なセリフが後々の展開の伏線になっていたりするのです。 っていうかもうちょっとこう・・・普通の伏線の張り方ができないもんでしょうか。
そんなわけで、物語は最初の一時間ぐらいただひたすら伏線を張るだけの相当まったりした展開です。そして、観ている方にとっては意味がさっぱり分から
ない怖ろしいほど退屈な一時間でもあります。
ゲェ!そんなんで一時間も経過するのかよ!大丈夫なのかそれで!そう思われる方もいるかもしれません。しかしご安心を!この映画、トータル3時間ありますので 最初の一時間が、全部前フリでも全然大丈夫なのです!(そういう問題か)
そして、ある日例によって琵琶湖をジョギングしていると、物語の鍵を握るキーパーソン。 横笛を吹く男が登場。
前から琵琶湖に流れる横笛にただならぬ思いを寄せていた「お市」。その横笛の音の正体がこんなイケメン男だと知り、お市は胸キュン!一発で恋に落ちます。 ボーイフレンドの長谷川初範そっちのけで。 しかし、横笛の男は再会を約束し、名前も名乗らずに東京に帰ってしまう。
さらに場面は展開し、愛犬シロがお役ご免とばかりに何者かに殺されてしまいます。 悲しみに泣き狂うお市。そして、ここから場面は急展開。犬殺しの恨み節の旅が始まるのです・・・・
愛犬を殺され絶望するお市。ここから急展開。
・・・・どうでしょう。ここまで読んで作品のストーリーについてこれましたでしょうか?無理ですよね?自分でもレビューしていて全然意味が分かりません。が、後半は怒濤の急展開です。 ここまでストーリーにかろうじてついてこれた方も後半で必ず振り落とされます。
えっと、いろんな意味で精神的にすごく過酷な後半レビューをお楽しみに。
後編予告。
参考)「幻の湖」DVD