地上最強のガイドライン 後編

1ページ開くごとにツッコミどころ満載!
こんにちは、大反響「地上最強の男 竜」レビュー後編でございます(前編はこちら)。読んでもいまいちストーリーが意味不明、だけど画だけはやたらと凄いという奇跡のような作品ではありますが、かいつまんで前編の内容をお話しますと、どんな相手も0.2秒であの世に送ることができる自称「地上最強の男」竜が、刺客として現れた竜の元師匠と連れのアマゾネス女を返り討ちにするところまでご紹介いたしました。
後編では混沌としたストーリー展開の中、ついに竜の命を狙う大ボス「神」との聖戦が始まるのです。さて、後編も引き続き「いかにこの作品が地上最強か?」という点を中心にご紹介していきましょう。
6.ページのコマ割りが地上最強
前編で竜を倒すのに失敗し、命からがら逃げてきた竜の元師匠「道教」は、大ボスである「神」を呼び出そうとします。そしてついに神を召喚する道教。しかし地面からせり上がってきたのはなんと仏像でした!
なんで??
神を呼んだら仏像が出てきた。なんとも凄い世界観です。しかもまだサプライズはこれだけではありません。この仏像にはまだ下がありました。
なんと、この仏像は、仏像タワーだったのです。そして神に導かれ、仏像タワーの中に入り念を込める道教。道教のチャクラ全開の念のパワーが、マンガの常識を超えた斬新なコマ割りで表現されていきます。
7.登場する仏像の数が地上最強
道教が念じ始めると・・・とんでもないことが起こりました。
なんと日本全国の寺から仏像が飛び出し、仏像タワーに集結!空中を飛び交う仏像はまさに圧巻です。
かつてこんなに仏像が出てきたマンガがあったでしょうか?(いや絶対にない)そして、集まった仏像の集合体から出現した男・・・この男こそ神。
イエス様なのです!
イエス様といっても又吉イエスや千石イエスでないことは風貌からも一目瞭然。そう、ローマ法王もびっくり、神様の本場イエス・キリスト様のご登場なのです。
しかもこのイエス様、自分は2000年前に竜に殺されただの、聖書の一部が何者かに書きかえられたからその事実が載ってないだのと、いろいろと酔狂なお言葉をのたまいはじめます。そして胡散臭さ抜群のこのコメント。
「道教よ、なぜうたがうのだ?わたしはイエスだ。」
・・・神様が仏像の中から出てきたら大抵疑われると思います。
8.神様の子分も地上最強
そして、イエス様がこの世に復活して最初の奇跡を起します。なんと世界で一番強い男を二人、この世に蘇らせたのです。
宮本武蔵と
ブルース・リーを、
ええー!何その人選!
宮本武蔵は本当に実在したのかどうか微妙な存在ですし(※追記:宮本武蔵は実在の人物でした)、ブルース・リーにいたっては最強っていうか俳優さんだし・・・。そもそも、「最強の男が二人」って言葉的に矛盾してるし。ああ、なんだかツッコミどころの金太郎飴のようになってきました。
9.神との聖戦が地上最強
最強の男達(?)を従え、竜を倒しに行くイエス様。
道すがら足の不自由な人をサクッと治したり、善行三昧なあたりはさすが神といえましょう。ところで、その頃肝心の竜は何をしていたかといいますと、
車にはねられて入院していました。地上最強なのになんとも情けない。イエス様は瀕死の竜にとどめを刺さんとばかりに病院に乗り込みます。神ながらなかなか卑怯ですね。
しかもこのイエス様、病院内でも光り輝いているところはさすがです。
竜のいる病室に乗り込み大暴れするブルース・リーと宮本武蔵。そして下の方で光っている神様。ものすごいシュールな光景です。
しかし竜に瞬殺されてしまう最強二人衆。弱すぎです。この人達、何のためにあの世から蘇ってきたんでしょうか・・・。
10.神の正体が地上最強
ついに竜とイエス様の一騎打ちか?と思いきやしっぽを巻いて逃げ出すイエス様。神ながらセコいです。しかもどうやらイエス様は偽物だったという展開に。たしかに最初っから胡散臭い雰囲気は漂っていましたけど。
そして、イエス様は悪魔に変身し、真の正体を現します。もうストーリー的に何がなんだかさっぱりわかりませんが、とりあえず最終局面に差し掛かっていることだけは確かです。そして、竜のほうも禁断の仮面が外れ、封じられたパワーが全開に。
その全開っぷりも常人には理解不能の描写です。
その後の対決はもうめちゃくちゃです。
世界中から核弾道ミサイルはとびまくり・・・
仏像タワーは真っ二つ。
ついでに地球も真っ二つ。
イエス様改め悪魔は、結局竜に倒されてしまいます。悪魔を倒してめでたしめでたしと思われた矢先、今度は世界中の人々が竜の命を狙って襲い掛かります。そりゃそうでしょう。地球を真っ二つにするような危険人物はどうにかしないといけません。しかし竜はこいつらを殺人カラテで皆殺しにします。
何のために悪魔を倒したのか分からなくなってきました。そして内容的に収拾が完全につかなくなった時、エンディングは突然やってきます。
11.オチが地上最強
このオチは・・・どこかで見たことありますよね。これはもしや・・・男坂ではないのか?まさか伝説の男坂より先にこの登りオチを持ってきた漫画が存在するとは。男坂のルーツは「地上最強の男 竜」にあったのでしょうか?今、マンガ界激震の事実がここに。
12.巻末コメントまで地上最強
さて前後編に渡ってお送りした「地上最強の男 竜」いかがだったでしょうか?こんなレビューじゃよく分からん!是非自分自身で読んでみたい!そう思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?実際、このレビューでもまだ作品の魅力は10%も伝えきれていません。
Amazonなどでもまだまだ手に入るようですので、是非とも御覧になることをオススメします。ちなみに復刻版の巻末コメントには風忍先生のこんな衝撃的なコメントがありました。
「実をいうと『竜』の原型は百二十ページのギャグマンガでした。」
・・・風忍先生恐るべし。
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参考) Amazon → ■
出典) 「地上最強の男 竜」 双葉社/風忍&ダイナミックプロ