「超劇画・聖徳太子」本当は怖い聖徳太子

本当は怖い聖徳太子「超劇画・聖徳太子」









試験に出ない方の聖徳太子

はい皆様、こんにちはJ君です。本日のテーマはズバリ、聖徳太子。そうお札にもなった日本古代史最大のヒーロー、聖徳太子です。



聖徳太子に対して抱く皆さんのイメージといえば、博学、聡明、聖人君子・・・そんな完全無欠の存在じゃないかと思うのです。しかし・・・それはあくまでも歴史が作り上げたイメージ。必ずしも真実であるとは限らないのです。もしかしたら本当の聖徳太子はエログロマッチョだったのかもしれない・・・。山川出版社の教科書あたりには決して載らない聖徳太子の闇のストーリー。それが本日ご紹介する「超劇画・聖徳太子」です。


「超劇画・聖徳太子」は原作・滝沢解先生、劇画・ふくしま政美先生というコンビで描かれた作品。ふくしま政美先生といえば、「聖マッスル」「女犯坊」に代表されるように、何故か全裸。そしてマッチョ。出てくるキャラはことごとく不気味という一般人には到底ついていけないブッ飛び作品を世に送り出しているお方です。「聖マッスル」なんて全裸にスカーフ一丁というカッコで世界を救うヒーローの物語ですからね。どう考えても常人の発想ではありません。



そして、今回ご紹介する「超劇画・聖徳太子」、これもまたとてつもなくすさまじい作品です。エロい、グロい、意味不明という三拍子がバッチリそろっており、どうしたら聖徳太子をテーマにこんな作品が描けるのかと感心するばかりです。



というわけで早速紹介してまいります。





ひげについてはほっとけ



「聖徳太子よなぜあなたは生まれてすぐ太陽を拝んだ?」

「聖徳太子よなぜあなたは実の父用明帝に向かってあなたは死相が見えますなどといった?」

「聖徳太子よなぜあなたはひげなんかはやしている?」

いきなり、聖徳太子に対する疑問の投げかけ。既存の聖徳太子の持つクリーンなイメージをぶち壊しにかかっています。でもひげについては大きなお世話のような気もするんですが。





そんなの関係ねえ



そして、これが本作品の主人公、聖徳太子です。ええと・・・世間一般のイメージと大幅に違いますね。残念ながら、本作品の聖徳太子はふんどし一丁。そしてマッチョ。顔もかなりアレな感じです。見た目だけなら、聖徳太子というよりもむしろ小島よしおに近いですね。



しかし、外見だけならともかく、この聖徳太子は中身もヤバいです。もう悪鬼そのもの。















聖徳”バイオレンス”太子



冒頭のシーンでいきなり、寝ている蘇我馬子を叩き起こしてフルボッコ。問答無用の異様なテンションの高さ。これこそが紛れもなく聖徳太子なのです。こんなバイオレンスな人がお札になっていたなんて・・・。



このシーンだけ見ても何がなんだか分からないと思いますので、ストーリーをご紹介します。



自らの死後、蘇我入鹿達によって子孫をなぶり殺しにされ、一族を滅亡に追い込まれた聖徳太子は黄泉の国で復讐の鬼と化します。そこで、再び現世に蘇って復讐を果たし、再び自らの手で日本を制覇しようと企みます。





女陰を突き破って登場



聖徳太子は輪廻転生の掟を破って現世の女に乗り移り、黄泉の国から蘇ります。しかも乗り移った女の腹を突き破っての登場です。こんなグロい登場の仕方ができるのは、聖徳太子かエイリアンぐらいのものです・・・。





冠位十二階を制定しました



現世に蘇って絶好調の聖徳太子。生前、聖徳太子の妻だった膳大郎女の生まれ変わりとされる女を見つけ、調子に乗ってヤリまくりの日々。かと思えば突然テンションが上がって、女を担ぎ上げ、マッパで「復讐は我にあり!」とか走り回ってみたりと、とにかく素晴らしくお下品。誠に遺憾ながら、この人がお札になった聖徳太子なのです。



しかし勝手に黄泉の国の掟を破り、現世に蘇った聖徳太子ですから、当然地獄からの刺客が送られてくるのでした。それにしても・・・。





黄泉の国もIT化



地獄ってずいぶんハイテクなんですね・・・。かなりIT化が進んでいるようです。





ロボ怪獣もいます



霊界から地獄の刺客を乗せたロボ怪獣がやって来ました。・・・って一体いつの時代設定なんでしょうか。





醜女(しこめ)



そして、これが地獄から送られてきた聖徳太子への刺客「醜女A型 攻撃用ドドブス」

これまた素晴らしくお下品な刺客。ふくしま先生のグロワールドがバリバリ伝説です。本当に酷い。この辺で読んでいる方がこぞってブラウザのバックボタンをクリックしまくっている予感がするですが、挫けずレビューを続けます。こんなに読者を選ぶレビューは初めてです。



そんなこんなで聖徳太子が現世に復活して早々に超絶グロバトルが始まるのですが、地獄からの刺客の執拗な攻撃に観念した聖徳太子は、結局地獄の閻魔大王の下へ連行されます。



そして、舞台は地獄編へ。この辺から当初のストーリー(現世に蘇って復讐する云々)がどうでもよくなった感じのグダグダな展開へ突入していきます。






右が閻魔大王



地獄で閻魔大王と対峙した聖徳太子。いきなりバトルがはじまります。先制したのは閻魔大王。その攻撃方法は・・・







イカ臭そうな攻撃







ドピュッと・・・

なんと、閻魔大王の股間から放たれた液体が大蛇となって聖徳太子に襲い掛かります。最高に下品な攻撃です。



もちろん聖徳太子もやられっぱなしではありません。襲いかかる大蛇を一瞬にして消し去る聖徳太子の反撃の方法とは!





抜群の品のなさ



これまたドピュッと!



やっぱりそれかよ!

要するにただの精子のぶっかけ合いです。こんな不愉快なバトルは見たことありません!



ここらでさらに、せっかく読んでくださっている方のブラウザバックの連打が予想されますが挫けずレビューを続けます。その後も加速度的に意味不明な展開に拍車がかかっていきます。



エロトピア級のすさまじいバトルが終わり、お互いの強さをたたえあう二人。強敵と書いて「とも」と呼ぶ。闘い終わってノーサイドという感じです。読んでるほうはノーサイドというよりノーサンキューな感じですが。






閻魔の目にも涙



閻魔大王は、友情が芽生えた聖徳太子に対していままでの地獄での苦労話などを愚痴りはじめます。





ふんどし太子



「ま、いいから涙を拭けよ」









自分の履いているふんどしを引きちぎって閻魔大王に差し出す聖徳太子。優しいんだか嫌がらせなのかよく分かりませんが、なぜか非常に和んでいます。いわゆるハンカチ王子ならぬ、ふんどし太子です。



しかし、強者同士の友情は長く続きませんでした。聖徳太子が閻魔大王の妻、弁財天を寝取ったことで再び対立。聖徳太子は閻魔大王の宿敵である釈迦一派に寝返り、打倒閻魔大王を謀ります。お釈迦様も普通はこのような清らかなルックスをイメージされると思いますが、本作品では当然このようにデフォルメされております。






多方面から怒られそう



デフォルメっていうレベルじゃねーぞ!






時代設定がムチャクチャ



ストーリーは混迷の度を増し、読んでいる人はもうほとんどついて来れていない状況に陥ってるはずなのですが、今度は突然、聖徳太子が地獄の餓鬼たちを救うために、遺伝子研究を始めます。創り出された新しい生命体を元に、現世に蘇る術を探ろうというのです。研究に没頭する太子。このマンガで初めて聖徳太子らしいシーンを見ました。





なんの研究だ



その結果・・・なんか、こんな化け物ができあがりました。いったいどういうセンスしてるんでしょうか。それを見た聖徳太子が一言。






無責任すぎ



「しまったッ どこかで何かが狂ったにちがいないッ!」

アホだ・・・こんな人の作った十七条憲法とか絶対従いたくないんですけど・・・。





自業自得バトル



そして、お約束。聖徳太子が生み出した化け物が暴走し、聖徳太子は自分の創り出した化け物とタイマンをはる羽目になります。





そして宇宙へ・・・



さらに闘いの舞台は宇宙へ・・・

内容はもはや意味不明で、話のスケールばかりが無駄にデカくなって行きます。大抵ストーリーに収拾がつかなくなったマンガっていうのは大抵舞台が宇宙になりますよね。完全に法則が発動してます。



・・・その頃(すっかり忘れ去られた)地球では天が怒っているかの如くの突然の落雷。



急に舞台は地球へ









「前兆だ!何かが起こるッ!・・・よ、世にも怖ろしいことが!」

もはや誰も予想できない、ついていけない超展開。この先にどんなラストが待ち受けるのか!?











未完。

そう!これこそ漫画界で世にも怖ろしいラスト「未完」です。前兆とはこのことだったのか・・・。車田正美先生に勝るとも劣らない堂々たる開き直り。起きて破りの「未完」ラストでした。まさに、やっちゃった、ヘタこいた!でもそんなの関係ねぇ!そんななげやりムードを感じさせます。これだったら何でもアリだよ・・・。



どうやら本作品があまりに超展開過ぎて収拾がつかず、ふくしま先生自身が作画を投げ出してしまったようです。作者自身が投げてしまうほどのすさまじい内容。聖徳太子恐るべし。



というわけで、教科書には絶対に載らない、聖徳太子究極のダークサイド。「超劇画・聖徳太子」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?受験生の皆さんはもとより、日本史専攻の学生さんは是非ともご一読をおすすめします。読めばきっと何かが開けるにに違いありません。そう、たとえばチャクラとか



ちなみに、本作品を普通に購入しようとするとプレミアがついてエライことになっているので、電子コミックで読む方がよいかもしれません



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出典) 「超劇画・聖徳太子」 太田出版/滝沢解/ふくしま政美

参考) Amazon → 

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