「聖マッスル」全裸でマッスルな伝説のヒーロー

全裸でマッスルな伝説のヒーロー「聖(セント)マッスル」


オール・アバウト・全裸
こんにちはJ君です。本日もどうやらまた皆さんには一つトラウマを抱えていただくことになるかもしれません。まさに全裸による全裸のための全裸マンガと呼ぶにふさわしい本日の作品は、1977年に週刊少年マガジンに掲載されていた「聖マッスル」(ふくしま政美先生)です。

能書きはいい、見れば分かるということで、主人公の聖(セント)マッスルはこんな感じ。

 

全裸の主人公

 

・・・とにかくマンガ全編のうちのほとんどを全裸が占めるという少年誌にしてはあまりにも衝撃的なマンガであります。ストーリーは、ある日目覚めると全ての記憶を失っていた(全裸)の主人公が自分が何者かを求めて、荒野をさまよい(全裸で)、行く先々で暴徒に苦しめられている民衆達を(全裸のまま)助けてあげるというもの。

こういった、旅の先々で主人公が困ってる民衆を救うようなストーリーは、水戸黄門しかり、北斗の拳しかりで、ヒーローものの王道的な内容と言えましょう。つまり特に目新しい内容ではありません。ただ一つ、主人公が常に全裸だということを除けば。

さすがは伝説の作品。オープニングからインパクト抜群です。まずは花畑で寝ていた全裸の主人公が目を覚ますところから。

 

気付くのおせーよ

 

いやいや、人として行動の順番が全くおかしい

目が覚めた後、何故か全裸で一通りポージングを行ってから、自分が記憶を失っていることに気付く主人公。このマンガのコンセプトを象徴するシーンです。

そして、記憶を求めて自分探しの旅に出る聖マッスル(主人公)の行く先々に登場するキッツい悪党(ヤツ)ら。もうなんていうか、よくこれだけ醜い物体が描けるもんだと感心してしまいます。

たとえば、第一話は生身の人間を彫刻のように固めてその人間達で作られた「人間城」の話。そこに住む城主がもういきなりハンパじゃありません。

 
コイツも全裸
 

・・・もうグッチョグチョのヌッチャヌチャですよ。

 
アブない奴らばっかり
 

あとこんなのとか。ロクなもんじゃありません。また、悪党達に迫害される善良な民衆達の描き方も非常に個性的。

 

一般民衆もなんかヤバイ
 

なんか別の方に目がイッちゃってますよね。この人たち。

ところで、主人公聖マッスルは常に全裸と書いてしまいましたが、衣類をつけているシーンも多少はありました。例えば巨人王の都で手強い戦士と闘う時のカッコはなんと、

 

逆クールビズ

股間はいいの??

 

全裸にスカーフいっちょうの姿!

これが聖マッスル流のおしゃれ術!・・・ていうかそれで己の股間を隠すという発想はないんでしょうか?

 
スカーフの防御力高すぎ
 

しかもこのスカーフのおかげで一命を取り留める聖マッスル。どうやら微妙に防御力があるらしいです。まるでドラクエの装備みたいです・・・。(ぼうぎょりょくが2あがった)

とにかくストーリーはシンプルなのですがその圧倒的な画の描き込みの凄さには感心させられてしまいます。何しろ、表紙の扉画が毎回異様にクドくて胃がもたれそうです。

 


 

・・・もうここまで行っちゃうと神の領域ですよね??

また、ラストシーンも伝説に残るような名シーンです。作品の後半、聖マッスルは唯一尊敬できる男、巨人王に出会います。その偉大なる男、巨人王はこんな感じです

 
個性派おさげ髪
 

笑かそうとしてるんでしょうかこの人は。

・・・まあルックス云々はともかくとして、ラストシーンでは巨人王が乗っていた愛馬が、聖マッスルを新しい主人と認めてついてくるシーンがあります。このシーン、北斗の拳で宿敵ラオウの愛馬、黒王号がラオウの死後新しい主をケンシロウと認め、ケンシロウが黒王号に乗るというシーンが思い出されますね。

 

 

そうそう、このシーンです。本当の名馬は自分を乗りこなすに相応しいと思った男についてくるものなのです。もちろん聖マッスルのラストシーンでも・・・

 
馬が上です
 

えー!馬が乗ちゃうの!?

馬は乗りこなすものではなく担ぐもの・・・マンガの常識を見事に覆してくれました。こんなマンガはじめて見ました。

そんなわけで紹介してまいりましたこの「聖マッスル」。なぜ伝説のマンガと呼ばれるか、その理由がよくご理解いただけたことと思います。そして実はこの作品のテーマも「人間」と「自由」という高尚なテーマが裏には見え隠れしているのです。っていうか完全に隠れちゃってますけど。あまりに画のインパクトがあるせいで。

そうそう、もう一つ大事なことを書き忘れていました。この「聖マッスル」 、なんと「地上最強の男 竜」とほぼ同時期にマガジンに掲載されていたのです。「マッスル」と「竜」、この二つの強烈なオーラを放つマンガを掲載していた当時のマガジンを読んで育った少年達が大人になって今の日本を支えているかと思うと、日本はまだまだ大丈夫だという気になってきますよね。なりませんかそうですか。

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出典)  「聖(セント)マッスル」 太田出版/ふくしま政美/宮崎惇


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