ビッグ錠先生のホテル経営マンガ ごくらく王 前編

愛の貧乏脱出ラブホ経営マンガ「ごくらく王」 前編







沼津を制する者は日本のラブホテルを制す!

こんにちは、J君です。世は空前の株式ブームと呼ばれています。インターネットを利用したデイトレードが一般の人達に普及するようになり、ホリエモンや楽天、村上ファンドといった人達がテレビを賑わすようになり企業買収、M&Aと言った用語も日常的に使われるようになってきました。今後、MIQのようなマネーゲームを題材としたマンガは一層増えていくことでしょう。



しかし、1980年代にすでに本格的な企業経営を題材としたマンガが存在していました。その名も「ビジネス太閤記 ごくらく王」。しかも凡百のビジネスマンガにあらず。なんと、ラブホテル経営マンガなのであります。


この「ごくらく王」を手掛けたのはビッグ錠先生。ビッグ錠先生のマンガスタイルは、”ビッグテイスト”と呼ばれ、一本包丁万太郎や包丁人味平、塾師べんちゃんなどに代表されます。とにかく後先考えずに奇想天外なアイデアをぶち上げてハッタリをかまし、読者をいかにビビらせるかが信条という、まさにマンガ界屈指のファンタジスタです。(言ってる意味が分かりません)



さて、過剰なビッグ錠賛美はこの辺といたしまして、話を「ごくらく王」へ戻します。多くの人はラブホテル経営なんてどうやってマンガにするんだ?と思うことでしょうが、先生に不可能はありません。いかなる題材であろうとビッグ錠先生にかかれば、ビッグテイストなマンガに変身するのです。(大味とも言いますが)



 
主人公・夢見竜太



大学受験に失敗した後、四流車販売会社のセールスマンをやっていた主人公の夢見竜太が、ひょんなきっかけで、岩槻エリアの貧乏ラブホテル「サンパレス」の経営を立ち直らせ、ラブホ経営者へ転身。世界のラブホテル王を目指すというお話。手掛けた貧乏ラブホがビッグ錠先生ならではの奇抜なアイデアでガンガン立ち直っていくという、みのもんたの愛の貧乏脱出大作戦をもっと大味にした感じのストーリーです。



 
潰れる寸前のホテル「サンパレス」



夢見竜太が経営を任された落ち目の貧乏ラブホテル「サンパレス」は向かいにできた新興ラブホテルの「クレオパトラ」に客を取られ青息吐息。そこで、竜太はまず「早い」人向けのニーズに合わせ、1時間2500円という激安料金体系を実施。これが大当たり。



 
ハヤい人向け



ライバルのクレオパトラの社長は当然ビックリします。



 関西は一時間制



「休憩時1時間で料金を半額にする・・・これは関西流のやり方だ」

いやあ関西の方ってスピーディーなんですね!(そういう意味ではない)。ま、それはともかく、関西の料金は1時間単位だそうで、勉強になります。(役に立つかはともかく)



しかし、クレオパトラもすぐに1時間制を導入してサンパレスに対抗します。あっという間に客足は元に戻ってしまいました。しかし、竜太のアイデアはこんなモノではすまされませんでした。次に考えたアイデアとは・・・



 
夫婦ゲンカ中

  ↓

 
夫婦ゲンカ後



「これだあっ!」

なんと、夫婦ゲンカカップル客をヒントに新たなニーズを開拓した竜太。その名も



 二人の愛はけんかから・・・



「夫婦げんかの部屋」

新感覚コンセプト「夫婦げんかの部屋」は大当たりします。一応気になる人のために、システムをお教えしておきましょう。ケンカ中のカップルに、物を自由に壊したり、投げたりしても安全な部屋を提供します。



 
夫婦ゲンカ中



映画撮影用の特殊ビールビンなども置いてあり、亭主の頭をビールビンで殴り放題です。そして、ケンカが終わってスッキリ仲直りした後は、ロマンチックな別室で燃え上がるって寸法です。



 
夫婦ゲンカ後



「あはーん あんたなんか大キライよーっ!」

「好きだよ美智子~っ!」


・・・よかったですね。(棒読み)



この夫婦ゲンカの部屋で連日大盛況になったサンパレスは、遂にクレオパトラの客を奪うことに成功。そして、竜太は落ち目になったクレオパトラの社長を、支配人として引き抜き、ラブホテル王への道を歩み出すのでした。



世界一のラブホテル王(それもどうなんだろう)を目指す夢見竜太は、ホテル名「サンパレス」の名称変更を決意、その名は・・・



 どういうセンスだ



「ごくらく城!」

・・・まだサンパレスの方がよかったんじゃないでしょうか?酷いセンスです。しかしそんなこんなで、サンパレスを見事立ち直らせた竜太の次なる野望は、日本のラブホテルの激戦地「沼津」を制することでした。



沼津は、日本のラブホテルの全ての技術が集まるという激戦地。沼津を制した者が日本のラブホテルを制するとまで言われています(知らんけど)。そんなわけで沼津に向かった竜太は早速、とあるラブホテルに目を付けます。なんと、そこは幽霊が出るという噂が立ってしまい、全く客が入らないボロボロのラブホテルでした。



  
絶対に入りたくないラブホ



こりゃひどい・・・

はたして竜太は、この幽霊屋敷のようなホテルを一体どうやって立て直すのか!?っていうかそんなことが本当にできるのでしょうか??



・・・というわけで、後編ではこの幽霊ホテルをはじめ、常人の想像を絶したすごいアイデア満載のラブホテルが登場します。世のバカップル共へ贈る壮大なラブホテル経営ファンタジー「ごくらく王」。後編に乞うご期待!



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参考)  Amazon →  ごくらく王   レビュー → 

出典)  「ビジネス太閤記 ごくらく王」 ビッグ錠/徳間書店

◆WEBで「ごくらく王」を立読み ⇒ ebookjapan / 楽天DL

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