黒歴史シリーズ スパイダーマン VS 香港カンフー
スパイダーマン in 香港
スパイダーマンの時代ついに到来しましたね、日本最速公開を果たしたスパイダーマン3、皆さん日本国民としてもう当然観ているんじゃないかと思いますが、凄かったですね!スパイダーマンがラスボスに繰り出した空中元彌チョップは最高でした・・・え、そんなの無いって?・・・すみません実はJ君、観てません。3はおろか2も観てません・・・。
というわけで、本日は世界中でフィーバーしているスパイダーマン人気に便乗し、実写版スパイダーマン史上最も黒歴史な作品と誉れの高い「スパイダーマン ドラゴンの挑戦」をご紹介いたします。スパイダーマンが香港カンフー相手に大暴れ!・・・という日本最速公開どころか完璧に日本未公開の作品です。
皆様は、実写版スパイダーマンといえば当然、現在上映中のトビー・マグワイア主演バージョンを思い浮かべることでしょう。少しマニアックな方は、東映で作られた日本の実写版もご存知かもしれません。しかし・・・封印されたもうひとつの実写版スパイダーマンが存在することはあまり知られていません。それが1970年代に製作されたニコラス・ハモンド主演の実写版スパイダーマンのシリーズです。そもそもニコラス・ハモンドて誰よ?という話になるわけですが、たぶん誰も興味がないと思いますのでそこには一切触れません。
主演ニコラス・ハモンド
少し前に、フィリピン映画で「スパイダーボーイ」なるかなり痛いタイトルのDVDが出回ったりもしましたけど、そういうパチ系では決して無く、れっきとした米国産オフィシャル作品であります。オフィシャルでありながら黒歴史。Amazonあたりで検索しても微塵もひっかからないというまさに闇のオフィシャル作品なのであります。
タイトルも地味でイカしてます
実は、以前そのニコラス・ハモンド版スパイダーマンは当サイトでご紹介したこともあるのですが、当然の如く反響ゼロ。まさに闇から闇へ・・・そして満を持して(便乗して)ご紹介するのがシリーズ第2弾の「スパイダーマン ドラゴンの挑戦」(原題 SPIDER-MAN: THE DRAGON’S CHALLENGE)です。一見すると、まるでブルース・リーのそっくりさんが主演のカンフー映画のようなタイトルですが、まさにそのノリといっても過言ではありません。あのマンハッタンの高層ビル群を縦横無尽に駆け巡るスパイダーマンが香港でカンフーと対決ですよ。ムチャクチャ安易な設定です。
スパイダーマンとは思えないタイトル
というわけで早速ご紹介してまいりましょう。
・・・いろいろあって香港に行くことになったピーター・パーカー(スパイダーマンの中の人)。しかし、同行していたアメリカ人の仲間が中国マフィアにさらわれてしまいます。仲間を奪還するためにスパイダーマンに扮し敵のアジトに乗り込む・・・というのが超大雑把なストーリーです。
そして、早速香港で大暴れする予定のスパイダーマンの移動手段は
木のボート。
うん、シュールな画です。昔のジャッキーチェンの映画なんかにも必ず出てくる香港映画お約束の風景ですね。
マフィアを追い詰めるスパイダーマン。しかし、ピンチが訪れました!中国マフィアの放った毒矢が腕に刺さり、海に落ちるスパイダーマン。毒矢て。
香港の皆様に救助されるスパイダーマン。
親切ですね
運ばれた病院で医者に覆面を剥ぎ取られるスパイダーマン
こんなシーン・・・いいのか?
病院で針治療を受けるスパイダーマン
針治療中です
・・・そして東洋の神秘、針治療で見事復活したスパイダーマンは再びアジトに乗り込むのでした。スパイダーマンは市民の皆様の協力によって支えられています。まさに庶民派ヒーローです。
まさに蜘蛛のようにのぼります
お約束のビルのぼりシーン。同じシーンでも今やってるこれとはだいぶカッコよさが違う気がするのですが、いいんです。庶民派ですから。
なぜかジャージを着てると強そう
ついに、香港カンフーと激突か!?
ジャージを着ている男はカンフーが強い!これは香港映画では鉄則です。
・・・と思いきや、あっさりスパイダーネットでカンフー男を退治するスパイダーマン。スパイダーマン対策で満を持して登場した香港カンフー全く意味無し!
暴れすぎ
それにしても蜘蛛の糸というより投網漁みたいですね。
そのほかにもスパイダーマンの攻撃がいちいち渋いです。逃げようとするマフィアのボスがドアに手をかけたところを狙って、
糸でドアを引っ張ってボスの頭にガツンと・・・。まるでドリフのコントを思わせるような絶妙な攻撃です。
通報しますた
最後は、きっちり香港警察に電話してマフィアをお縄に。さすが庶民派ヒーロー。地元警察との連携もバッチリですね。最近のなんか宇宙怪獣みたいなのと戦ってるスパイダーマンとはとても同じ作品とは思えませんね。あっちはSF。こちらはあくまで人情物です。ジャンルでいうと、噂の刑事トミーとマツとかそっちに近いんじゃないかと思います。
というわけで、「スパイダーマン ドラゴンの挑戦」をお送りしましたがいかがだったでしょうか?皆様も機会があれば是非ご覧ください。香港の街になじむ庶民派ヒーロー、スパイダーマン。あなたのスパイダーマン観がきっと変わるはずです。
目が怖すぎ・・・
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出典) 「SPIDER-MAN: THE DRAGON’S CHALLENGE」
関連テキスト) 池上遼一版スパイダーマン 東映版スパイダーマン
ニコラス・ハモンド版スパイダーマン